泉区生活支援ネットワーク

仙台市の障がい者支援のための情報です。福祉・特別支援教育・就労など,分野をこえた生活支援のネットワーク・情報交換の場です

再起への道 宮城・被災障害者施設の今(4完)

2014年06月15日 | 施設情報
(「河北新報」2014年06月14日土曜日付け記事より引用)

支え合い
みどり工房若林(仙台)こころ・さをり(石巻)~仲間との対話活力に~

 「本格的に燃え尽きそうになってきた。自分で分かる。先日、1週間仕事を休んだ。皆さんも心のサインに気を付けて」
 4月23日、宮城県東松島市コミュニティーセンターであった被災障害者就労支援事業所連絡会議。仙台市若林区の「みどり工房若林」(定員25人)施設長で、精神保健福祉士の今野真理子さん(35)が施設や自身の状況を報告した。
新商品など紹介
 連絡会議は、被災した就労支援事業所の情報交換の場として、2012年6月に始まった。施設で作られた商品の販路拡大を支援するNPO法人「みやぎセルプ協働受注センター」(仙台市太白区)が毎月、県の復興支援事業を活用して開き、10カ所ほどの事業所が参加する。
 みどり工房若林は、若林区荒浜の一軒家を借りていた。施設が津波で流失、利用者のために今野さんは新たな活動場所の確保に奔走した。
 施設には主に精神に障害のある人が通う。「障害者が来るような所には貸せない」。不動産業者に理不尽なことを言われたのも一度や二度ではない。やっと若林区の雑居ビルを借りられたのは11年6月だった。その後も、一時は2人だけになった職員と利用者の支援や膨大な事務を担ってきた。
 折れそうになる心を支えてくれたのが、連絡会議に参加しているメンバーたちだった。参加事業所の大半が津波に遭い、みんながよりどころを失う苦しみを知っている。「燃え尽きを感じていたが、ここへは来ようと思える。同じ気持ちの仲間がいて、思ったことを話せる」と今野さんは話す。
 連絡会議では営業の成功事例や、考案中の新商品をオープンに語り合う。支援者が参加することもあり、新たな仕事を得た施設も多い。
「チーム」で出店
 昨年11月、連絡会議に参加する事業所が、法人の枠を超えて商品をPRする「チーム・シーサイド」をつくった。一緒に行動することで品ぞろえを豊富にできる。各事業所のスタッフが交代で売り場に立ち、人手不足を補い合うこともできる。
 現在、シーサイドには9事業所が参加している。このうち、宮城県石巻市の「こころ・さをり」(定員10人)をはじめ4施設は、仮設住宅の集会所などに仮住まいのままだ。
 5月31日と6月1日、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎで震災復興イベントが開かれ、シーサイドが出店した。主催者がこころ・さをりの施設長熊井睦子さん(56)に出店を持ち掛け、シーサイドの参加につながった。販売ブースにはストラップやポーチ、菓子などさまざまな商品が並んだ。
 「震災後の苦しい中、共に歩んできたチームだから一緒に出店したかった」と熊井さん。「利用者にとって、施設はかけがえのない生活の場。シーサイドの仲間と支え合いながら守っていきたい」とにこやかに話した。

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