泉区生活支援ネットワーク

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障害児の居場所 放課後等デイサービスの今(1)

2018年03月12日 | Weblog
(「河北新報」平成30年3月12日(月)付け記事より引用)
特性に合わせ環境作り

 障害のある子どもが放課後を中心に利用する「放課後等デイサービス」が、児童福祉法の下で制度化されて6年になる。全国で事業所は急増し、初めて1万力所を超えた。利用者も1万6000人に上り、障害児の居場所として定着しつつある。子どもたちはどのように過ごし、支える人々はどんな課題に直面しているのか。仙台圈で取材した。  (生活文化部・越中谷郁子)=5回続き

 昨年11月下旬のある日。「こんにちは」。宮城県名取支援学校高等部1年の女子生徒、ちーちゃん(16)の大きなあいさつが、仙台市太白区の放課後等ディサービス事業所「ぱるけ西中田」 (NPO法人アフタースクールぱるけ運営)に響いた。

 ちーちゃんは指定難病「ウィリアムズ症候群」による知的障害があるが、人懐っこい性格でおしゃべりが大好きだ。週2回、ぱるけ西中田を利用する。この日は学校が休みで、午前10時前にやって来た。
 他の利用者は7人。スタッフ4人とみんなで外ヘランチヘ行く。出発前にスタッフと「お店には一般の人もいます。静かにボリューム2くらいの声にしましょう」と確認した。

協調力を養う
 管理者兼児童発達支援管理責任者の高橋清美さん(53)は 「親以外の人と外出経験を積み、多くの人がいる環境に慣れることは、社会性を育むのに欠かせない」と外食体験の
意義を語る。年に10回程度、こうした機会を設けるという。
 ぱるけ西中田は、自閉症やダウン症などの中高生約40人が利用登録する。日々の生活の中で余暇を楽しむ力や、友達と協調する力を養うことを重視して活動する。
 高橋さんは、ちーちゃんとは同じ法人の小学生向けの事業所に通っていたころからの付き合いだ。「自分がこうすれば、相手は嫌がると気付けるようになった。気持ちの浮き沈みの波が穏やかになり、今は相手の話を聞き、意見も言える」と成長に目を細める。

 10人前後の小さな集団の中で思春期特有の気持ちの揺れをどうコントロールするか。人との適正な距離感をどう伝えるか。ストレスを発散させる環境をどう作るか。スタッフは本人の特性に合わせ常に微妙な調整が求められる。

 ちーちゃんの母親(47)は 「娘は自分の思いを人に伝えたり、人の思いを受け取ったりする力が弱い。スタッフは娘の気持ちを受け止め、友人との間に入ってくれる。第二
の母がいっぱいいて、私にとっても大きな存在」と話す。
 午後、外食から帰ってきた利用者は、趣味活動を始めた。塗り絵やヒップホップダンスと、それぞれが夢中になる中、ちーちゃんはうろうろして落ち着かない。高橋さんは、さ
りげなくちーちゃんを呼んで一緒に折り紙を始めた。

多様化が進む
 放課後等デイサービスの制度化以前は、未就学児、小学生対象の児童デイサービス事業所や障害の種類ごとに通所施設があったが数が少なかった。
 放課後等デイサービス事業所は、人員配置などの基準が緩く比較的開設しやすい。仙台圈でもNPO法人や株式会社などの参入が相次ぐ。事業所は音楽療法や運動を療育に取り入れたり就労訓練を重視したり、独白色を打ち出して多様化が進み、利用者の選択肢が増えた。

<メモ>
 放課後等デイサービス事業所は2012年4月の児童福祉法改正に伴い、小中高校に就学する障害児を対象に新設された通所施設。子どもの自立を目指し、生活能力向上に必要な訓練や社会との交流促進などの支援を行う。仙台市によると、重案所は103ヵ所(18年3月1日時点)と5年間で3倍近くに増えた。利用者は1401人(17年3月時点)と4年前に比べ約1・4倍になった。同市の場合、原則一人週3回までと利用制限を設けている。
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