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泉区生活支援ネットワーク

仙台市の障がい者支援のための情報です。福祉・特別支援教育・就労など,分野をこえた生活支援のネットワーク・情報交換の場です

要援護者 届かぬ手 知的・精神障害者や高齢者

2011年03月31日 | Weblog
(「河北新報」平成23年3月31日(木)付け記事より引用掲載)
>◎不足する福祉避難所・専門職員/受け入れ縮小に困惑/仙台

 障害のある人や高齢者ら要援護者は、震災に伴う環境の変化がストレスとなり、心身ともに不安定な状況になりやすいとされる。東日本大震災の被災地でも、要援護者の支援が課題になっている。

 仙台市は、指定避難所での生活が難しい障害者や認知症の高齢者らを、市内の福祉施設で受け入れているが、施設は満員状態だ。自宅や家族を失った障害者も多く、市は、今後の受け入れ態勢の整備を急いでいる。

 市は、福祉施設や特別養護老人ホームを、ケアが必要な高齢者らを受け入れる「福祉避難所」として指定した。震災後、市内30カ所の施設が、約230人を受け入れた。

 福祉避難所となった障害者生活支援センター「ハンズ宮城野」(仙台市宮城野区)では25日現在、認知症の高齢者や心身障害者11人が、寝泊まりしている。
 避難者の一人で、同区の菅谷幸子さん(37)は、軽度の知的障害者で、足にも障害がある。父清彦さん(75)の介助を受けながら、車いすで生活している。
 菅谷さんらは、中学校の体育館など2カ所の避難所で、5日ほど過ごした後、ハンズ宮城野に移った。
 学校など、地域の避難所は、手すりや障害者用トイレといった設備が不十分で、見知らぬ人に囲まれると情緒が不安定になる心配もある。障害者生活支援センターは、もともと通所施設だが、障害者用設備が整い、職員が24時間体制で見守る。
 清彦さんは「障害者が生活できる環境を探すのは大変。ここに来ることができて助かった」と語る。
 しかし、福祉避難所に指定された施設は現在、すべて定員に達し、新たな受け入れができない。現在、避難を希望する20~30人の避難先が決まっていないという。
 市は、4月上旬を目安に、「施設を通常サービスに戻す」(健康福祉局)として福祉避難所の規模を縮小する方針だ。現在避難している障害者には、それぞれの事情に合わせて、別の施設や仮設住宅に移動させるという。
 菅谷さんの避難所は、31日に閉鎖する予定だ。しかし、自宅1階はまだ泥だらけ。清彦さんは「わたしだけなら何とかなる。障害がある娘は、どうしたらよいのか」と不安を募らす。

◎心身不安定/ほかの避難者もストレス限界/陸前高田

 200人以上が避難生活を送る陸前高田市内の公民館。重度の知的障害のある男性が、夜中に走り回ったり、所構わず排せつをしたりするなどの行為が続いた。ほかの避難住民から「安心して寝られない」との不満が相次いだ。
 避難所の担当者が、地区の民生委員を通じて保健所や市役所に相談。当面、専門施設に移れるよう手配し、一緒に避難している母親や本人との話し合いを進めている。
 担当者は「震災で本人の心身が不安定になっている部分もあるだろうが、ほかの避難者のストレスが限界に近づいた。集団生活が基本の避難所で、障害者にどう対応するか、調整が難しい」と頭を悩ませる。
 高齢者のケアも限界に来ている。陸前高田市で最も多い約1200人が避難する第一中。高齢者専用の部屋でボランティアとして働く大浦貴美子さん(53)は介護業務に日々追われる。
 「支援を必要とするお年寄りは多いのに、専門知識を持つボランティアが圧倒的に少ない」
 部屋で暮らすのは認知症や半身まひなどの症状のある高齢者約20人。多くが排せつや食事などで介助を必要としている。
 一方で、介護知識のあるスタッフは2、3人にとどまる。震災直後から働きづめのスタッフの疲労はたまる一方だ。
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