泉区生活支援ネットワーク

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ALS患者らの意思伝達装置 開発・普及を仙台市が支援

2010年12月31日 | 医療的ケア・重症心身障害・難病支援
(「河北新報」平成22年12月31日(金)付け記事より引用)
 全身の筋肉が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、意思疎通が困難になる難病患者らに対するコミュニケーション支援に、仙台市が来年度から乗り出す。「家族のきずな、生きる希望をつなぎたい」という患者や家族の長年の悲願に応える。意思伝達装置の開発・普及を担うボランティアの活動を支援する事業などに取り組む構想だ。

 コミュニケーション支援は、日本ALS協会宮城県支部が昨年末、奥山恵美子市長に要望。市障害者更生相談所が5月に当事者参加の検討委員会を発足させ、議論を重ねてきた。
 ALSのほか、パーキンソン病など進行性神経難病、筋ジストロフィー、脳性まひ、脳血管障害、頭部外傷による重い障害などで意思疎通の難しい人が対象となる。
 意思伝達装置は指先、額、まぶたなど患者がわずかでも動かせる体の部位や、脳波で作動する電気スイッチを使い、パソコンの対話ソフトやメールなどの操作を可能にする仕組み。事業は、装置の開発と普及に当たる工学技術の支援スタッフ確保や、在宅患者の訪問活動支援を柱に据える。
 市は、パソコンを活用した障害者向け在宅就労支援事業で実績のある市内のNPO法人に業務委託し、支援スタッフ2人を配置してもらう方向で協議を進める。
 ALS協会県支部では18年前、技術ボランティアで元東北大助教授の坂爪新一さん(75)がパソコンを操作する電気スイッチを独自に開発。人工呼吸器装着のための手術で声も失う患者に、希望があれば無償で提供している。
 患者宅の訪問活動は年160日を超えるなど坂爪さんの負担は大きく、県支部は3年前、新たな技術ボランティアを市民から募るなどしたが、後継者の確保は難しく、公的支援を訴えてきた。
 県支部長を務める和川次男さん(61)は1989年、ALSを発症。病状が進行した現在は泉区の自宅で、脳波を用いた意思伝達装置で24時間介護の家族らと対話している。7年前には「声とどけ」と題した句集も編んだ。
 妻はつみさん(57)は「患者が言葉を発したからこそ、社会にALSを知ってもらえるようになった。言葉一つで家族には希望も幸せも生まれ、つらいときも乗り越えられる。各地のALS患者団体が仙台の取り組みに注目している。同様の支援が全国に広がってほしい」と期待する。
 市障害者更生相談所は「以前から患者や家族の声を聞き、問題意識を共有していた。検討委を含め、協働の作業だと考えている。国にもまだ公的支援制度はなく、先駆けとなるよう実現させたい」と話している。
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