ダニー食堂

右往左往の日々。

なぜ貸さない?

2012-06-05 | もう1品
サンフランシスコにあるダニーの病院。
今まで経験したことのない東洋人率であたし的にすごく居心地がいいの。

病室のお掃除担当は日本人女性だし。
いつも「おはよー」って満面の笑みで顔を出してくれて嬉しい限り。

病院側に希望要望がある時など、「それはあの人に言うのがいい」とか「こうすれば大丈夫」とか色々と助言してくれるし。

それ以外にも世間話や馬鹿話に花を咲かせてくれて嬉しい限り。

日本とハーフのセラピストもいたりして随分と精神的に助かってます。

こちらでは有りがちの靴を履いたままベッドに上がるのを毛嫌いする我々。

彼はその辺もちゃんと理解してくれて、ナースの作業を阻止してでもベッドに上がる前/降りた後に靴の面倒をみてくれる気遣いぶり。

しかも車椅子をオーダーする際、土禁の我が家のために外出用と家用とでタイヤを替えられるよう保険会社に「文化の尊重」みたいな名目で掛け合ってくれてるの。

これについては正にダメ元で最初から諦めているんだけど、例え駄目でも有難い話よね。

他には、あたしと同じくらい背の高い東洋人女性ナースがいてお互いビックリ。
推定年齢が10年くらい若いにも関わらず「双子の姉妹」とあたしのことを呼んでくれるフレンドリーさ。

若いのにツボを抑えてる子ね。

極めつけは時々現れるフィリピン出身のおいちゃんナース。

Mionaさん夫婦がお見舞いでくれた日本語のフレーズ本を「売ってくれ」とダニーに何度も交渉するも拒否られ「ならば貸してくれ」と頼むもダニーが拒んだ結果、病室に読みに来るというお茶目ぶり。

そして、悪くない発音で必ず何かを覚えて帰るわけ。
でも彼の記憶はあまり長くは続かないらしいわ。

深夜、ダニーの体制を変えたり何なりと2時間おきに病室に入ってくる彼。
ダニーは痛み止め飲んで寝ちゃってるけど、あたしは気配で起きるわけよ。

そして言うの。

「おやすみなしゃー」

多分「こんばんは」って言いたいんだろうなっていうのは分かるんだけどー。

度々人を起こしておいて「おやすみ」はないだろって思うわけ。


そして、朝になると寝不足気味のあたしに元気いっぱいで声を掛けてくれるの。


おっはよーごじゃいまーっ♪




亭主よ、3日4日貸してやれよ。



車椅子の亭主にマッサージをさせる嫁

2012-06-03 | もう1品
病院の外へ向かおうとしていた我々夫婦。

体力を温存するために、車椅子を自分では漕がず乗っているだけのダニーとそれを押すあたし。

そこへナースの一人が声を掛けて来たの。


看護士: お散歩?

ダニー: いや、乗り回しに行くの

あたし: 押しに行くの

看護士: それをお散歩っていうのよ



間違いなくあれは「ライド」「プッシュ」以外の何物でもない外出だったわ。

恐るべしサンフランシスコの坂!
あれじゃ電動車いすもあっという間にバッテリー上がっちゃうんじゃないかしら。

上りは勿論、下りも相当のもの。
あたしのおケツと太腿の裏と上腕筋が大変なことになってます。

今まで考えもしなかったこと。

2012-06-01 | もう1品
同じフロアに我々と同世代の男性患者がいて、ダニーはその人とリハビリの一環としてトランプをしたらしいのね。

その人も骨髄を損傷しているのだけど、ゆっくりなら歩ける。

でも左側の物が真っ直ぐ取れない。

「左側の物を取ろうとするならば、大きく腕を回して遠回りして対象物に手を伸ばさないとそれに届かない」らしいのね。

まぁ結局はトランプ1つにしてもえらい時間がかかるとのこと。


だから、あたし思ったのよ。


ダニーは今後、車椅子なしにはどこへも行けない。
明らかに身体障害者。

よって多少、行動が遅くてもドン臭くても大概の人は許してくれるし多めにみてくれる。
むしろ手助けだって得られるかもしれない。

でも、あの人は別。
一見は健常者、でもトロい。
よって、周りから攻撃を受ける。


横断歩道とかショッピングモールで異常に歩くスピードが遅い人たちに今までイライラしていたけど、実は彼らも脊髄を損傷しているのではないかって一瞬だけど考えたわ。