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歌野晶午さんの作品は初めて読みました。
例によって文庫についている帯に 「 2004年版このミス1位、第4回本格ミステリ大賞受賞、第57回日本推理作家協会賞受賞 」 などの文字があったので思わず手にとってました。
いつもレビューを書くときには、Amazonなどでアップされている他の方のレビューも読んだりするのですが、この作品は賛否が大きく分かれている作品のようです。
私の感想としては、十分面白かったです。
最後に、あぁなるほどって種明かしのような部分があるのですが、これは特にトリックって感じでもなく笑って読めました。
もちろん、その設定のために若干無理なところもありますが、それもご愛嬌ということでいいんじゃないでしょうか。
2003年の作品ですが、上手く時代を反映していますね。
霊感商法、悪徳商法の酷さをちゃんと表現していますし、日本が少子化と寿命の伸びで、間違いなく老人大国になろうとしている点も上手く捉えています。
そんな中で壮年パワーに期待しているってところがまたいいんですよね。
確かに、2004年のミステリー賞を総なめにしたっていうのはやや出来すぎのような感もありますが、印象的には男性向きの作品で、そのあたりを割り切ればいいのかも?
確かに文庫カバーデザインは、ミステリーっぽくないです。
しかもなんかとても哀愁を帯びた素敵な深い恋愛小説にも見えますね(^^;)
実際はミステリーでちょっとハチャメチャと言えなくもない主人公が出てきます。
でも全く本の内容にあっていないかと言えばそんなことはないってところがこれまたカバーデザイナーの凄いところでしょうか。
いつもタイトルのきれいさに目が止まりました。
和風のイメージがあって、余韻があるタイトルですよね。
ミステリーだったんですね。