のんびりかな打ち日記  ini's blog

NikonD7100やSonyRX100M3で撮影した画像と日々の出来事を“ かな入力 ”でのんびり綴るブログです。

天使と悪魔

2009-06-18 22:06:57 | 通勤快読

娯楽作として十分面白い作品です(^^)
読み終わってちょっとなるほどって思ったのは、ダン・ブラウンさんのこの作品、実は「ダ・ヴィンチ・コード」より前に書かれていたってことでしょうか。
意図的にあとから紹介されたんじゃないかって思います。

これが先に出ていたらおそらく「ダ・ヴィンチ・コード」も、あんなに話題にならなかったでしょう。
「ダ・ヴィンチ・コード」は小説であっても、どこかノンフィクションぽぃところがあることでミステリアスさを生み出していてそれが人気の秘訣でしたが、この天使と悪魔は、一見似たような部分もあるものの、雰囲気的にはインディジョーンズばりで、主人公もある意味スーパーマン。

同じようにミステリアスな部分を強調もしてはいるのですが、やはり現実離れしすぎているので、こちらを先に読んだあとだと結局同じ作家が書いた「ダ・ヴィンチ・コード」も同じ印象になってしまう恐れがあるからですね。
そもそも特に男性は、実在するものに絡んで秘密結社とか隠された暗号とか、それが本物っぽいとなぜかワクワクしてしまうんですよね(笑)





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まほろ駅前多田便利軒

2009-06-04 22:38:41 | 通勤快読

三浦しをんさんの作品を読むのは箱根大学駅伝を題材にした 『 風が強く吹いている 』 以来です。

第135回直木賞受賞作品です。
『風が…』のときにも感じましたが著者独特の雰囲気がいいですね。これが三浦ワールドなんでしょうか。
まほろ駅というのは、どうやら東京のはずれに位置する町田駅がモデルらしいです。
それはともかくとしていろいろな事件や出来事が上手く連作短編のごとく盛り込まれて飽きさせないし、登場人物の個性も良くも悪くもとても人間味があり、背負った過去の影がストーリーに深みをつけています。
すごくワクワクするわけでなく、ハラハラドキドキってほどでもないのに、読後になんか、うーんと唸らせるところが直木賞なんでしょうか。

偏見的な見方かも知れませんが、男性受けする書き方って感じがします。
主人公などある意味、ただの普通の男なんですが、やくざとか本当に恐くもなんとも思っていない奇妙な芯の強さが心地良い印象を与えますね。





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ウオッカの背中

2009-05-22 00:56:10 | 通勤快読

この手の本は読まないのですが、ヴィクトリアマイルを見事に復活圧勝したウオッカファンとしては読んでおかないと(^^)

印象的にはウオッカが競走馬として現役中に出さなくても引退してからでいいんじゃないのって感じの本ではありますが、たとえ本を出した後でもしウオッカが低迷して強いウオッカが見られなくなったとしても、すでにそれまでに残した軌跡とそれを取り巻く関係者の思いを伝えたいという著者の気持ちの表れなんでしょう。

事実、この小説は昨年の全レースが終了しウオッカが年度代表馬に選ばれたところで結ばれておりますが、その後、今年に入ってウオッカはドバイ遠征で5着、7着と敗れてしまいました。著者はさぞかしやきもきしていたんじゃないでしょうか。

それでもウオッカは国内初戦となった先日のG1、ヴィクトリアマイルで圧倒的な一番人気に推される馬であり、そしてまた見事に復活の7馬身差で勝利する馬でもあるんですよね。本文では、ウオッカの非凡な才能とそれを引き出す関係者の苦労など、関係者の取材がとても細かくなされて書かれています。

小説として面白いかと聞かれればウオッカファンでなければ、いまひとつピンと来ない本であることも確かですが、競馬雑誌「優駿」に掲載されたインタビュー記事などを織り交ぜてちょっとドキュメンタリー風に仕上げてあるのも特徴でしょうか。

名馬の多くは同じ鞍上で歴史を作ります。例えばダイワスカーレットは新馬戦から4回のG1レース制覇を含めすべてアンカツこと安藤勝巳騎手とのコンビです。
でもウオッカは新馬戦は鮫島騎手、64年ぶりの牝馬でダービーを制したときは四位騎手、その後やや低迷して復活のG1安田記念制覇は岩田騎手、今回のヴィクトリアマイル制覇は武豊騎手と5人の騎手が乗り変わっています。

それはウオッカが比較的負ける馬だということ、結局新馬戦から引退まで連帯率を一度も外さなかったライバル、ダイワスカーレットとは違い、4着、5着、6着、7着、8着がありそして一昨年の有馬記念では11着にも敗れています。
しかし今となってはそれがまたウオッカの人気の秘密にもなっているのです。
ファン投票で1位を獲得する不思議な魅力を持った牝馬であることは、間違いありません。
そのあたりのこともタイトルが「ウオッカの背中」であるように、さりげなく語られています。

ウオッカは今年度のレースを最後に引退との噂です。
私も大好きなウオッカには国内初戦のG1を圧勝した勢いで最後の年の全レースで見事なウオッカの走りを見せて欲しいものです。




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ストロベリーナイト

2009-05-01 08:22:59 | 通勤快読

誉田哲也さんの作品、この著者の本は初めて読みました。
警察小説ですが、テンポが良くて非常に読みやすい。帯にスピード感とハイテンションを謳ってあったのですが、まさにその通りでした。

ただ取り扱ってる犯罪の描写や内容が非常にエグい。
一般的にはグロテスクからきた「グロい」って言い方が普通なのかも知れませんが。
余談ですがちょっと調べてみたら私がよく使う「エグい」も単に「エログロい」の簡略形でもないみたい?まぁ、とにかくそのあたりが苦手な人には苦痛な小説でしょう。
最近ミステリーを読んでいてよく感じるTVの2時間ドラマっぽい展開です。
最初から映像化を意識して書くのでしょうか?
商業主義的にはいいのかも知れませんが、やはり小説でしか表現できない部分をそれで殺してしまうのであれば本末転倒でしょう。
この小説も展開の早さ、テンポのよさが通勤快読にはピッタリですが、私としてはちょっとエグかったなっていう以外には読後の余韻が残る作品ではなかったですね。




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スクープ

2009-04-23 01:56:06 | 通勤快読

今野敏さんの結構古い?作品、TV局の報道局社会部の遊軍記者を主人公にした連作短編風の小説です。
内容は話が7つに分かれているので深くはないですが、その分読みやすくてTVドラマみたいに楽しめます。

主人公にかかわる登場人物がいつも同じ役割をはたしていて、主人公の布施が危機一髪になると必ず、捜査一課刑事の黒田が助けてくれるところまでパターン化されていたりしますが、ストレートな感じがちょっとした安心感も与えてくれるので疲れることなく読めるのがいいですね。
刑事小説的にも読めて、私のような短編好きにはほどよい軽さです。



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