毎年発表される繊研新聞の「百貨店レディースバイヤーズ賞」で特徴的な現象が見受けられました。
プレタ特選部門を除く、ヤング、キャリア、ミッシー、ミセス4つの部門のベストセラー賞を、オンワード樫山が独占した事です。
例年はワールドやイトキン、フランドルなどの百貨店アパレルが、それぞれの賞を競っています。
それが今年は、
ヤング部門 ⇒組曲
キャリア部門⇒ICB
ミッシー部門⇒23区、
ミセス部門 ⇒自由区
常連のプレタ特選部門のバーバリー(三陽商会)を除いて、
オンワード樫山が集中して獲得しました。
そのブランドが、10年程前に相次いで開発投入されたブランドであることも興味が湧いてきます。
他のアパレルが数多くの新規ブランドを次々に投入し、多ブランドで売り場シェアーを確保して、売上げ増の戦略に走ったのとは異なり、オンワード樫山のメガブランド政策は、他社の戦略に比べ異彩を放っています。
オンワード樫山は、ライバル他社が採った多ブランド政策に走ることなく、
綿密なマーケティングに基づいたブランドを、生産、販売、ロジスティク、セールスプロモーションなど、メガブランド育成のための総合的な取り組みを着実に実行して来た結果だと思えます。
各ブランドごとに、店頭MDの確立や、海外・国内生産の整備、店頭販売強化、メディアミックス、プロモーション、情報・物流体制、品質管理などメガブランド育成のための基本的な作業の積み重ねが実を結んだものと思われます。
カリスマデザイナーやMDの個人の力に頼ったヒットブランドではない、オンワード樫山の企業力を感じさせます。
今回の授賞は、単純に人気ブランドの授賞と言ったものではなく、もっと重みのある物に思えます。
各ブランドが授賞したのではなく、「オンワード樫山という企業の授賞」といったほうが良いでしょう。
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