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伊勢丹、新ビジネスモデル構築 続 Ⅲ 

2009年07月10日 | アパレル放談
最近、中年のビジネスマンが、高校や中学の参考書や歴史年表を買うのが目立っているとラジオ番組で放送していました。
混沌とした経済情勢下のビジネスマンが、それからの脱却を求めて歴史に興味を抱き、もう一度歴史を学ぼうとしているのではないかとラジオ番組のキャスターが解説していました。
私が百貨店の危機的状態に対して、歴史に学ぶことも必要と考えています。

大丸の「先義、後利」の家訓にある「義」は、今年の大河ドラマの上杉家の家訓で脚光を浴びていますが、社会の要求なのかも知れません。
“創業家家訓”に見られる共通の精神は、「お客様」「質素」「倹約」「勤勉」などです。
それらは、お客様への奉仕の精神と、仕入先(作り手)への姿勢の原点となっていたと思われます。
その精神が失われてきてしまったといえましょう。
もとより、お客様の価値観や購買動向の変化はあり、商品の内容や販売手法は、変化、革新していくものですが、棄ててはいけない創業の精神です。
大丸と三越に面白い歴史的事件が有ります。

江戸時代の古い事件で、今更ながらとお感じになるかもしれませんが、「大塩平八郎の乱」の時代の話です。
飢饉に耐えかねて一揆を起した歴史的事件です。
大店を襲い、焼き討ちに及んだ時に、「大丸は義商なり」として焼き討ちを免れて、三越は焼け打ちにあったと記録されています。(映画で見た「越後屋、お主も悪じゃのう!」という越後屋は三越のことと関連つけるのは行きすぎとは思いますが・・・・。)

現在の不況は、行き過ぎた経済に対する“お客様の一揆”と考えています。
騒乱を起す意味ではない“不買の一揆”です。
昨日のFRの第三四半期の業績が発表されていました。
FRは、お客様から「義商」とされて“一揆の焼き討ち”を免れているのかも知れません。

FRが何時まで「義商」で有り続けられるか?
それが長く続くことを、私は願っています。

5、6年程前には、FRに納入しているメーカー(中国を含む)から、FRに対して、良い噂話を聞かなかった記憶があります。
顧客のFR離れも見られました。
ところが、最近はお客様からも、納入メーカーからも好感度の話しばかりです。

FRの柳井創業オーナーの現場復帰もその頃だったのでは無いでしょうか?
その意味で、「創業オーナー経営に戻った」と言えるでしょう。