地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

2つの日常。

2015年01月05日 | お仕事日記
正月休みを家族と過ごし終え、
沖縄に戻って車検に出すため車を走らせた。
いつもの330号線、いつもの58号線。
青看板を意識することなく考えごとをしながら運転ができるほどに、
馴染みの道になっている。
沖縄で沖縄の住民として慣れっこになった道で
車を走らせている私の頭には、
そろそろあの人と一緒に食事がしたいな、とか、
そういえばあのプロジェクトはどうなったんだろう、とか、
ありとあらゆることが浮かんでくるが、
それはすべて沖縄にまつわることだ。
なんでもないような1日を365日×もうすぐ4年。
その土地に、住む、暮らす、働く、生きる、ということを続けて来たことで、
沖縄での日常が、意識にも無意識にも降り積もって、
私は沖縄の道を車で走るだけで、沖縄と自分の両方に関係のある
人、もの、コトを、それだけで考え事が成立するほどたくさん
意識に漂わせることができるようになった。

一方で、大学時代に足しげく通った鎌倉も、
高校時代を過ごした中央線沿線、とくに吉祥寺、
そして横浜、
生まれてから25歳まで住んだ藤沢も、
大学のあった四谷と最寄りの繁華街新宿
社会人になってから通勤したお茶の水や汐留、
なんやかんやと歩き回った東京のあちらこちら、
脱東京をして最初に暮らしたいすみも。
みな、今も私に、親密げな顔を見せる。
それらのまちにはやっぱり、
無意識から記憶を引きずり出すスイッチが無数に
地雷のように埋め込まれている。
そこにいると、考え事は、今度は東京と神奈川一帯の
人、もの、コトに集約される。

そのことに、今日は少しばかり、気がついた。
たった2時間半飛行機に乗って移動しただけで、
すぐにわたしは沖縄での日常にモードチェンジした。
頭の中身がすっかり入れ替わったように。

東京と神奈川にいる間の思考は、沖縄ではできない。
同じように、沖縄にいる間の思考は、東京と神奈川ではできない。
まるで別人が同居しているようで不思議だ。