この件名を見てすぐに「ああ、あの言葉だ」、と分かった人もいるだろう。
そう、今日はあの、日本海軍総司令官であった山本五十六元帥の言葉、
「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、
褒めてやらねば人は動かじ」
についてだ。
私は最近、この言葉こそ今の人、特に若い人を動かすためにもっとも適切なことを言っているのではないかと思う。
確かに日本が高度成長をしている最中なら、「黙ってついてこい」とか、「泳ぎ方は自分で覚えるもの」とかの放置的な教育も有効だったかもしれない。
しかし、今は違う。
まるで戦時中のように状況は厳しく、皆しょげている時代なのだ。私は、やたらに厳しいことばかり言う人に対して、しょげている人間をもっとしょげさせてどうするんだ?と思うことが最近しばしばある。
こういうときに、
やってみせ→自らの実践を見せる
いって聞かせて→丁寧な内容説明
させてみて→実践させる
褒めてやる→承認、賞賛
のプロセスが非常に生きてくるのだと思うのである。
当時は海軍と言えば軍隊の中のエリートであった。そのエリートの中で更に競争を勝ち抜きトップになった人間がこういう言葉を言うというのは非常に興味深い。
このようなスーパーエリートは、自分が出来すぎることが多いから、こういうことには普通は気づきにくいはずだ。すなわち、出来すぎる人は、「どうせ分かるだろう」と言葉足らずになりがちだし、出来るのが当たり前だと思っているから人を褒めることもあまりしないなど、この言葉とは対極の行動をとりがちなのだ。
エリート中のエリートであったにもかかわらず、このような言葉を歴史に残すことのできた山本五十六という人はどんな人だったのだろう?突き抜けていた?
当時のエリートは、今のエリートよりも総じて教養が深かったという見方もできる。
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