この前母に無殺菌の生乳を使った非加熱チーズを勧めておいたのだが、早速買って食べたらしい。
で、すごく美味しかったという感想をもらった。そしておなかの調子がやたらにいいらしい。
そりゃそうだ。
一度でも殺菌したチーズと、殺菌してないチーズとでは似て非なるものだ。酵素や菌が全て生きているものとそうでないものはまるで違う。
カマンベールチーズの場合、"Camembert de Normandie"と書いてあるものなら、間違いなく無殺菌チーズだ。
これについては何年か前にフランスでニュースになったくらいの事件があった。
カマンベールチーズというのは、フランスの、あのノルマンディー上陸作戦で有名なノルマンディー地方が発祥の地なのだが、無殺菌乳を原料としなければAOC認定"Camembert de Normandie"と呼称できない制度に対して、最大手のチーズメーカー２社が異を唱えたのだ。
しかし、伝統的に無殺菌乳を原料とする中小メーカーたちが抵抗して伝統を維持することができたという。
彼らがそこまでして維持した、無殺菌乳の伝統的手法によるチーズ、是非食べてみたいものだ。
本作品は、アメリカでかなりの話題を集めた作品であるし、個人的にも興味のある分野だったので時間を作って観て来た。
なかなかの良作だと思う。
ネタバレになるので私がこの作品から感じ取ったことだけを書く。そしてこれはここ数週間考えてきたことの１つのまとめにもなる。
この作品を観て思ったのが、人間というのは基本的に本能に沿って生きる生き物であり、従ってビジネスであろうが何であろうが、こと人間がかかわるものについては全て、人の本能というものを中心において捉えるべきだということだ。
それが、食欲、性欲、睡眠欲という三大欲求であれ、好奇心、名誉欲、金銭欲、闘争本能、あるいは虚栄心であれ、とにかく人間の本能的なものを中心におかないと話にならないのだ。
人間は本能さえ刺激されればいくらでも動く、というのはある意味恐ろしいことでもあるが、この原理を知らなければ、それがビジネスの場であれ、家庭内（特に子育て）であれ、あるいはその他のいかなる場面であろうと、とにかく人間の絡む場においては通用しないということをどれくらいの人がはっきり認識しているのだろうか？
皆さんにとってこのことの意味がどれくらいのものになるかは私の想像力の外にあるが、私にとって今日のこの結論はとても、とても大きいと感じている。
