アメリカとダーイッシュとの関係を指摘した人物はマイケル・フリン中将以外にもいる。
例えば、空軍のトーマス・マッキナニー中将は2014年9月、
アメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで語った。
またマーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、
10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語っている。
2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国が
ダーイッシュを作り上げたと述べた。
ダーイッシュはアル・カイダ系武装集団から派生したのだが、そのアル・カイダとはロビン・クック元英外相が指摘したように、
CIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。
こうした訓練は1970年代の終盤にジミー・カーター政権の大統領補佐官だった
ズビグネフ・ブレジンスキーが考えた戦略に基づいて始められた。
CIAをはじめとするアメリカの好戦派とアル・カイダ系武装集団/ダーイッシュの関係をフリンは熟知、しかも背後にはDIAが存在している。
こうした人物が国家安全保障補佐官に就任することは侵略戦争を推進している勢力にとって余りにもリスクが大きい。そうしたことから最初にフリンがターゲットになったのだろう。
こうした攻撃を続けてきた反トランプ陣営は現在、
逆襲されている。
タイミング的には、トランプ大統領が12月6日にエルサレムをイスラエルの首都だと認め、アメリカ大使館をそのエルサレムに建設する方針を示してからだ。
この決定を撤回するべきだとする決議案が国連総会で12月21日に賛成128カ国、反対9カ国、棄権35カ国で採択されているが、アメリカの状況は全く違う。
この国には「1995年エルサレム大使館法」という法律があり、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、99年5月31日までにエルサレムにアメリカ大使館を設置すべきだとしている。
しかも、昨年(2017年)6月5日に上院はその法律を再確認する決議を賛成90、棄権10で採択している。
アメリカとはそういう国であり、パレスチナ問題を公正な立場で仲裁することなど不可能な立場にある。エルサレムをめぐる問題の責任を
トランプ個人に負わせるのは正しくない。
イスラエルのロビー団体であるAIPACがアメリカで大きな影響力を持っていることは広く知られている。
有力メディアに大統領候補として取り上げられていたトランプ、ヒラリー・クリントン、バーニー・サンダースのうち、トランプとクリントンはAIPACの会合でイスラエルを支持している。
サンダースはこの団体の招待を断ったが、エルサレムをイスラエルの首都だと承認し、アメリカ大使館を設置すべきだとする法律を再確認する決議には賛成している。
一般に
ユダヤ系富豪からの寄付はクリントンが多かったと言われているが、トランプも多い。
タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、クリントンの高額寄付者の上位5位まではユダヤ系、トランプの場合は上位2位までがユダヤ系で、トランプもイスラエルの影響を受けていると言える。
クリントンの上位5位までの寄付者は、
ドナルド・サスマン(2080万ドル)、JBとマリー・カトリン・プリッツカー(1500万ドル)、ハイムとチェリル・サバン(1250万ドル)、ジョージ・ソロス(1180万ドル)、そしてS・ダニエル・エイブラハム(960万ドル)で、いずれもユダヤ系。
そのほかフィルムメーカーの
スティーブン・スピルバーグ、ファッション・デザイナーのラルフ・ローレン、Facebookのダスティン・モスコビッツなども高額寄付者だ。
それに対し、トランプに対する最大の寄付者はカジノ経営者のシェルドン・アデルソン。第2位はロシア系ユダヤ移民の息子であるバーナード・マーカスである。
アデルソンは日本でカジノを経営させろと要求している人物だが、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいことでも知られている。
ネタニヤフの友人のひとり、チャールズ・クシュナーはトランプとビジネス上のつながりがあり、その息子であるジャレド・クシュナーの結婚相手はトランプの娘イワンカであり、サウジアラビアのモハマド・ビン・サルマン皇太子とも親しい。
勿論、この人脈はエルサレムをイスラエルの首都とすることに賛成だ。
ネタニヤフの父であるベンシオンはウラジミル・ジャボチンスキーの秘書だった人物。
ジャボチンスキーは大イスラエルを主張する修正シオニストの祖であり、ハガナ(後のイスラエル軍)を創設した人物でもある。
この一派は軍だけでなく情報機関とも関係が深いのだが、イスラエルの電子情報機関8200部隊はアメリカの情報機関とも深く関係、NSAが集めた情報も入手できると言われている。
ストルゾクからペイジへの電子メールだけでなく、ヒラリー・クリントンの通信も把握しているだろう。(続く)
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