映画「フラガール」を観た。
今日は文化祭出品用の日本画の手直しに熱中、この辺で一休みし
て・・・とテレビを点けると、楽しみにしていた「楽天ジャパンオープンテニ
ス」の中継中、当市出身の錦織圭選手、出だしは非常に好調で「この調
子なら行けるだろう。」と楽な気持ちで見ていたら、次第に試合のリズム
を崩されて雲行きが怪しくなってきた、結局、終わって見れば二連覇なら
ず。
非常に残念・・・・・しかし、これも頂点に立つ選手が必ず通る道と思え
ば、夢も広がってくる。
チャンネルを変えると、これまた、私の好きな女優・蒼井優主演の、映画
「フラガール」が放映中であった。
これは随分前に話題になった映画だが、まだ観ていなかったので、うっ
ぷん晴らしも兼ねて(?)引き続き観賞してしまった。
( あらすじ)
この映画は、昭和40年代に大規模な縮小につぐ縮小の末、遂には閉鎖
に追い込まれた、福島県・いわき市の常磐炭鉱を舞台に繰り広げらるヒ
ューマンドラマ。(そう言えば炭坑事故で多くの犠牲者を出した、あの三
池炭鉱の争議も昭和30~40年代頃から激しくなったな~)
石炭から石油へとエネルギー革命で激動する社会状況の中で、炭坑で
働く労働者達は、次々と職を失っていく。
その現実と苦悩に立ち向かいながら、時代を駆け抜けた人々の「輝き」を
ダンス通じて表現した映画でもある。
炭鉱閉鎖後の町お起しの事業として立ち上げた、常磐ハワイアンセンタ
ー、北国の寒村を “常夏の楽園” にする事業の成功までの過程を、実
話を元に描いたもので、炭坑夫の娘達が、腰みのをつけ肌もあらわにハ
ワイアンムード満点のフラダンスを踊りはじめるのだが・・・・・
富司純子演ずる紀美子(蒼井優)の母千代は、炭坑事故で夫を亡くし、そ
れでも長く夫と共に必死に働き続けて、子供を育て上げたと云う自負(人
生)から、娘が「人前で肌をちらつかせ、チャラチャラ踊る為にお前を高
校まで出したんではない」と、時代の波にのみ込まれて行く悲しさもあっ
て、頑なに認める訳にはいかなかった。
さすがに、富司純子・松雪泰子・豊川悦司等の、いずれ劣らぬ演技派の
俳優陣が、しっかりと蒼井の脇を固めて映画を盛り上げている。
この映画の中で最も圧巻だつたのは、薄暗いレッスン場でひとり夢中
(今では娘のダンスを内心では認める母が、届け物に来ている事に気付
きながら・・・)になって無言で踊り続ける、蒼井優の踊る見事なフラダン
スのシーンである。
いかに女優とは言え、ハワイアンミュージックに合わせて踊るフラダンス
は、私の様な素人目にも、非常に本格的で見応えのあるものであった。
役作りの為に、プロのフラダンサーの指導のもとに、相当長期間集中し
て猛特訓を受けたのであろう。
その努力が見事に花開いた感じで、とても感動的であった。
二時間にわたる一見単調なストーリーを、適度なプロットポイントを配置
しながら楽しませる、脚本も見事であった。