つれづれなるままに

日々の思いついたことやエッセイを綴る

活弁付き映画

2024年06月03日 | 芸能
 活動写真弁士は最盛期には8000人もいたそうです。活動写真すなわち無声映画を上映中に、傍らで その内容を解説する専任の解説者のことです。映画がトーキーの時代になると活動写真弁士は仕事場が無くなり減少していきました。

 その活動写真弁士による上映会が池袋の新文芸坐で開催されていましたので鑑賞にいきました。名匠稲垣浩、再発見「映画界に入って100年」の特別企画です。長谷川伸原作 稲垣浩監督「番場の忠太郎・瞼の母」(1931年)片岡千恵蔵主演。

 活動弁士は、澤登翠さんです。弁士の第一人者として国内外の公演を通して幅広い世代に活弁の魅力を伝えています。1972年松田春翠氏に入門しここまで50年の実績があります。

 映像に合わせて台詞を入れていきます。出演者に合わせて声を変えています。スクリーンに映っている俳優が話しているように錯覚をしてしまう。自然と映画に見入ってしまうほど巧みな弁士の解説でした。

 観客は年配者が多くおりましたが、若い人も来場しておりました。終演後には会場からは割れんばかりの大きな拍手が弁士に贈られていました。

 活動弁士 澤登 翠(さわと みどり)プロフィール
 東京都出身 法政大学文学部哲学科卒業。故松田春翠門下。
 第一線で活躍する弁士として国内はもとよりフランス、アメリカ他の海外公演を通じて、“弁士”の存在をアピールし高い評価を得ています。「伝統話芸・活弁」の継承者として“活弁”を現代のエンターティメントとして甦らせ文化庁芸術祭優秀賞他数々の賞を受賞しています。

 適確な作品解釈による多彩な語り口でいままでに500本以上の様々なジャンルの無声映画の活弁を務めています。
 著書は『活動弁士 世界を駆ける』(1973年)

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