猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

普天間移設問題で、政府が修正案提示

2006-03-26 21:16:48 | 日米同盟
 米海兵隊の普天間飛行場移設問題の続報。額賀防衛庁長官が25日夜に沖縄県名護市の島袋吉和市長と会談して提示した修正案によれば、〈1〉米軍機の予定飛行ルートの直下に住宅10戸があるため、滑走路の角度を若干変更〈2〉滑走路を沖合に移動ということである。図はその概略である(読売新聞3月26日付)。報道によれば、滑走路を沖合にずらす点については、50~200メートルの幅で調整されている模様だとされる。名護市側の主張では450メートル以上移動せよというものだが、「豊原と安部の2集落の民家に飛行ルートがかからないことが最も重要だ」とも述べており、今回の会談での合意はならなかったものの、滑走路の方向の変更により合意の余地はあるように思われる。
 ところで、政府側が沖合い埋め立てではなくて沿岸案に固執している理由は、環境団体によるジュゴン生息域破壊への反対行動による工事妨害を避けたいということだと再三繰り返されてきた。もう少し詳しく解説すると、陸地に繋がっていさえすれば、陸上から工事を進めることにより環境団体の海上からの妨害行動を阻止できること、及び、埋め立てる水域が、常時立ち入り禁止である米軍提供水域の「第1,2区域」に当たるという点がポイントである。米軍提供水域ならば、米軍が妨害行動を阻止してくれるので滞りなく工事を進められるということなのだが、それが本当に主権国家にふさわしい在り方なのか大いに疑問は残るところである。在日米軍基地が日本の安全のためにも重要なものだという根本をおさえていれば、それを建設する際に不当な妨害が起これば、我が国が警察力を行使するのが当然だということは明々白々であろう。
 明らかに地元の意向に真っ向から反対するような案を提示した意図について、もう一点だけ妄想をたくましくすれば、地元との交渉における「削りしろ」を多く取った交渉術ということなのではないかとも思う。ただし、この点はあくまで憶測である。
 いずれにせよ、米軍基地再編問題が、政府と地元の折衝事項にとどまらず、我が国の国防戦略全体を左右する重要事項であることだけは忘れてはならない。



(参考過去ログ)
『普天間移設問題、政府が沿岸案を微調整で検討』
『普天間移設、国と地元で安全・振興の協議機関設置へ』


(参考記事1)
[普天間移設、政府が微修正案…滑走路の角度変更など]
 額賀防衛長官は25日夜、沖縄県名護市の島袋吉和市長と、都内のホテルで会談し、同県の米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)のキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市)移設案について、政府として初めて微修正案を提示した。
 微修正案は、〈1〉米軍機の予定飛行ルートの直下に住宅10戸があるため、滑走路の角度を若干変更〈2〉滑走路を沖合に移動――の二つを組み合わせた内容。市側は回答を留保した。両氏は26日に再度協議する。
 政府側が微修正案を提示したことで、こう着状態にあった移設問題は、政府が目指す月内の決着に向け、新たな局面を迎えた。
 滑走路変更の角度や滑走路を沖合に出す距離などは不明だが、滑走路の角度を変える案は、反時計回りにやや傾けて飛行ルートを変更するものと見られる。滑走路を沖合にずらす点については、50~200メートルの幅で調整されている模様だ。
(読売新聞) - 3月26日3時14分更新

(参考記事2)
<普天間移設>防衛庁長官と名護市長 折り合わず再協議へ
 額賀防衛庁長官は26日、沖縄県名護市の島袋市長と会談した。額賀長官は米軍普天間飛行場の沿岸案について、航空機の飛行ルートが住宅地の上空にかからないよう滑走路の角度をずらす修正案を提示。島袋市長は滑走路を移動させる海上埋め立て案への大幅修正を改めて求め、折り合わなかった。今週半ばにも再協議する。
(毎日新聞) - 3月26日20時12分更新


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