猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

集団的自衛権、政府解釈の変更も…官房長官

2006-10-05 07:55:51 | 憲法
 塩崎官房長官が、読売新聞などのインタビューに対して、集団的自衛権の限定的行使は憲法に違反しない可能性があるとの方向で政府解釈を変更するための事例研究を示唆した。5日付の紙面から官房長官発言の該当部分を引用すると次の通りである。  「世界の安全保障状況は変わり、日米の同盟関係がきちんと機能するよう求められている。世界とアジアのための日米同盟を実現するため、本当に、今までの内閣法制局の『集団的自衛権 . . . 本文を読む

安倍氏「集団的自衛権は個別に可否判断を」

2006-09-07 07:36:59 | 憲法
 我が国の安全保障政策の今後にとって、集団的自衛権の問題は、避けては通れない最重要課題の一つである。当然次の自民党総裁がいかなる態度をとるかは大いに注目に値することである。これに関して、次期総裁最有力候補の安倍官房長官は、「個別具体的な例について、もう少ししっかりと検討、研究すべきだ。我が国や地域の安定、安全、国際社会の貢献に資するなら、研究すべきだ」と5日の記者会見で表明した。政府による集団的自 . . . 本文を読む

理屈が通らない民主党の国民投票法案

2006-05-30 23:30:08 | 憲法
 連立与党と、民主党は、先日26日に憲法改正手続きを定める国民投票法案を、それぞれ個別に衆院に提出した。当初言われていた共同提出ではなくて、単独での提出になった。これで、憲法改正に関する法案が現憲法下で初めて国会で議論されることになるのだが、何度も主張しているように、憲法自身が96条で改正手続を明確に定めているにも関わらずその手続の議論自体がタブーであったことは、まさしく異常の一言に尽きる。それを . . . 本文を読む

憲法改正国民投票法案、今国会成立は困難という観測―投票年齢、メディア条項めぐり対立

2006-05-03 21:11:18 | 憲法
 憲法改正国民投票法案は、今国会でも成立が難しそうだという観測が出てきた。自民党の船田元・憲法調査会長は、講演で「今国会中の成立は時間的に厳しくなったかもしれない」と述べている。民主党と連立与党の間で、投票権を有する年齢(18歳以上か20歳以上か)といわゆるメディア規制条項を巡って対立が大きいのが原因らしい。  投票権を今の段階で18歳以上に設定するのはおかしい。憲法改正に関する国民投票は、国政へ . . . 本文を読む

憲法改正国民投票法案の修正案-自民調査会がとりまとめ

2006-04-13 23:22:52 | 憲法
 自由民主党の憲法調査会は、12日に憲法改正の手続きを定める国民投票法案の骨子素案をまとめ、これを了承した。自民、公明両党が2004年12月にまとめた与党案からの最大の変更点は、投票の公正を害さないため「虚偽報道等の禁止」を明記していたものを、「報道機関の自主的な取り組み」に委ねると改めた点である。ただし、その代わり、諸外国の事例も参考にして、投票前1週間はテレビやラジオのCMを禁止するという項目 . . . 本文を読む

「憲法改正、自衛組織明記せよ」71%―讀賣世論調査

2006-04-05 00:44:45 | 憲法
 読売新聞社が実施した憲法に関する全国世論調査において、自衛のための組織を持つことについて、憲法上明確にすべきだと回答した人が71%に達した。「憲法改正は9条だけではない。国民はもっと多様な論点について議論を求めている。9条改正だけが一人歩きするのは世論を正しく反映していない」などという言説が、政治家や知識人と呼ばれる人々からまことしやかに流されがちだが、世論調査の結果を見る限り、国民の憲法改正に . . . 本文を読む

公明党、自民党改憲案の「自衛軍」保持明記に反対方針

2005-11-30 16:58:24 | 憲法
 公明党が、憲法改正案に「軍」を保持することに反対することを明言したのは、さもありなんという感じではあるが、納得の行かないことである。公明党の主張によれば、憲法第9条は第1項第2項ともにそのまま残すべきだそうだ。  ところで、自民党が憲法草案をまとめるにあたっては、旧陸軍の将校や元幹部自衛官により組織される財団法人「偕行社」が「今の自衛隊に近い印象を与える自衛軍ではなく、国防軍などの名称にしてほし . . . 本文を読む

民主党憲法提言要旨について-安全保障関連

2005-11-01 15:56:24 | 憲法
 民主党は、憲法改正に向けた包括的な党見解となる「憲法提言」をまとめ、31日に公表した。これは、首相の権限強化、地方分権の強力な推進、憲法裁判所の設置、国民投票制度の検討など、内政面を中心に大胆なものとなっている。ただし、自民党草案と異なり条文化されたものではなく、抽象的で曖昧なものであることは否定できない。本エントリーでは安全保障関連についてコメントすることにする。民主党の提言については、下のほ . . . 本文を読む

自民党憲法草案の重大な”忘れ物”-緊急事態条項

2005-10-30 05:16:58 | 憲法
 昨日、自民党憲法草案に関して、注目条文とコメントを書いたが、大事なことを指摘し忘れていた。それは、緊急事態に関する条項がないという点だ。緊急事態条項を新設するというと、すぐに「国家が人権を制限する危険なものだ」という批判が飛んで来るが、そんな馬鹿な話はない。戦争や大規模なテロあるいは激甚な災害といった重大な事態においては、私権を制限してでも国家が秩序の回復に努めるのが、国民の生命と安全の確保とい . . . 本文を読む

自民党新憲法草案(10月28日発表)について-国民の権利義務・統治機構など

2005-10-29 21:33:32 | 憲法
 昨日公表された自由民主党新憲法草案に関する注釈の続き。今回は、国民の権利と義務、司法・立法・行政のいわゆる統治機構の部分、それから改正手続きについて注目点を紹介しつつコメントする。実を言うと、現憲法の微調整にとどまっている部分が大部分なのだが…。なお、草案全文は自民党・新憲法制定推進本部からご覧ください。 第三章 国民の権利及び義務 第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性 . . . 本文を読む

自民党新憲法草案(10月28日発表)について-前文・安全保障関連

2005-10-29 07:19:31 | 憲法
 自由民主党が来月の結党50周年大会で発表する新憲法草案がまとまり、公表されたので、注目点を引用した上で、それらについてコメントしていきたいと思う。この記事では、前文と安全保障関連を中心に取り上げる。なお、草案全文は自民党・新憲法制定推進本部からご覧ください。 [前文]  日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。  象徴天皇制は、これを維持する。また、国民 . . . 本文を読む

国民投票法にはメディア規制が必要だ

2005-10-17 00:49:52 | 憲法
 憲法改正国民投票法には、メディア規制はやはり必要であろう。自民党の保岡興治氏が衆院憲法調査特別委員会で提案した、しかるべき監視機関を作り問題があれば勧告をして公的な対応を求めるという方法が妥当である。憲法改正はいうまでもなく国家の基本的なあり方を問う重大な営みである。それゆえに、虚偽報道に基づいて国民が投票することがあってはならない。公的な監視機関をつくるというと、「表現の自由を侵害するおそれあ . . . 本文を読む

自民新憲法草案「権利・義務」について

2005-10-13 16:18:32 | 憲法
自民党が十一月の立党五十年党大会で報告する新憲法草案のうち、「権利・義務」の条文案について批評したいと思う。「国防の責務」「家庭保護の責務」は明記されず、いわゆる新しい人権が加わったに過ぎず、保守派の目から見ると不満の残る内容なのではなかろうか。産経新聞の記事に書いてある「公明・民主」に配慮というのが真相であろう。草案段階なのだから、思想をはっきり主張してほしかった。なお、「公共の福祉」という文言 . . . 本文を読む

憲法前文私案

2005-10-09 16:55:45 | 憲法
昨日、自民党新憲法前文原案について批判的なコメントを書いたので、自分の案も披露しておくのが責任ある態度というものだろうと思い、披露させていただく。私が考える前文は、簡潔明瞭を第一に心がけ、美辞麗句はできるだけ抑えるものである。憲法典は、立憲主義に基づく自由主義を旨とすることが一番重要であると考える。別に手抜きでもなんでもなくて、削りに削ってたった一文である。「国体」は本文の法的内容からにじみ出てく . . . 本文を読む

自民党新憲法前文原案について

2005-10-08 20:30:56 | 憲法
 自民党が立党五十年記念大会で報告する新憲法草案の前文原案は以下の通り。 【自民党新憲法前文原案】  日本国民はアジアの東、太平洋と日本海の波洗う美しい島々に、天皇を国民統合の象徴として戴(いただ)き、和を尊び、多様な思想や生活信条をおおらかに認め合いつつ、独自の伝統と文化を作り伝え多くの試練を乗り越えて発展してきた。  日本国は国民が主権を持つ民主主義国家であり、国政は国民の信任に基づき国民の . . . 本文を読む