猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

地球温暖化対策:政府の最善は「何もしない」?

2006-06-30 18:00:28 | 環境・防災・エネルギー
 読売新聞6月29日付の「論点」に、地球温暖化に関して面白い論説が載っていたのでご紹介する。筆者は、東京大学生産技術研究所副所長の渡辺正氏である。氏は、地球温暖化説は科学的根拠に乏しいので政府が年間1兆円もの対策費を出すのは無駄であるが、省エネは結構なことであり、そんなことは民間が既にやっていることだから政府の最善の策は「何もしないこと」だと主張する。また、二酸化炭素削減に際しては経済活動を縮小せ . . . 本文を読む

ミサイル防衛、沖縄にPAC3配備方針、Xバンドレーダー試験運用開始

2006-06-29 02:32:44 | 日米同盟
 北朝鮮によって準備されているとされるミサイル発射実験に、関係あるといえばあり、ないといえばないとも言えるのだが、ミサイル防衛(MD)に関しての動きを二つご紹介する。一つは、先日ハワイで行われたミサイル防衛(MD)に関する日米事務レベル協議で、米側が地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)を、沖縄県の嘉手納基地(嘉手納町など)か嘉手納弾薬庫(沖縄市など)に年内に配備する方針を日本側に伝えて . . . 本文を読む

自民税調、消費税率の上げ幅や時期は秋以降に先送り

2006-06-28 08:14:20 | 財政・税制
 自民党税制調査会(柳沢伯夫会長)は27日、幹部会議を開き、政府がプライマリーバランス黒字化の目標年次とする2011年度以降の財政再建も視野に入れ、消費税率引き上げを含む増税に取り組むべきとの認識で一致した。町村信孝・前小委員長が5%増の10%、片山虎之助参議院幹事長が3%以上の税率アップなどを口にしているものの、具体的な消費税率の引き上げ幅や時期は、今年秋以降の税制論議に先送りすると見られている . . . 本文を読む

「日本論語研究会」で私が話します

2006-06-27 08:05:07 | 日本論語研究会・論語
 今日は、ちょっと宣伝を…。毎月1回慶応大学で行われている、田村重信・自民党政調部副部長主宰の「日本論語研究会」の第18回の研究会で、私が講師を務めます。「本立ちて道生ず」というタイトルです。論語の精読を通して思考方法を学ぼうということで、国防なども題材にしてお話したいと思っています。関心を持たれた方は是非聞きに来てください。 第18回予定 1、日 時 7月15日(土)16時30分~18時 2、 . . . 本文を読む

自民党の「国家の情報機能強化に関する検討チーム」が情報会議の設置などを提言

2006-06-24 02:34:30 | 安全保障・自衛隊
 我が国には対外情報(正確には’諜報’)を取り扱う機関が存在しない。しかし、情報の収集と分析、すなわち諜報の重要性は、有名な『孫子』にも「爵禄百金をおしんで敵の情を知らざるものは不仁の至りなり」とあるとおり、極めて重大なものである。最近やっとこの部門への関心が高まってきたことは、国民の安全にとってよい方向である。国際テロの脅威の高まりや、上海総領事館員の自殺事件を目の当たりにすれば、このような動き . . . 本文を読む

北朝鮮のテポドン発射実験に関する報道記事スクラップ―各国のスタンスを一瞥

2006-06-24 01:47:49 | 朝鮮半島
 北朝鮮の弾道ミサイル「テポドン」の発射実験準備に関連した、各国の動きなどについての各種報道記事を、ピックアップして並べておくので御参考にどうぞ。一応箇条書きでも、まとめておきますが、正直言って目新しい動きはありません。個人的には、日米のミサイル防衛の進捗具合に興味があります。また「ミサイルが発射されれば日米同盟が強化され韓国は孤立する」という、韓国の中央日報の分析記事も目を引きました。 【北朝 . . . 本文を読む

イラク撤収、課題と評価―読売新聞の特集から現場の声を抜粋

2006-06-23 02:26:12 | 安全保障・自衛隊
 ご承知の通り、イラクに駐留している陸自の復興支援部隊に撤収命令が20日に下され、約二年半にわたる支援活動に終止符を打つことになった。今回の復興支援活動について、専門家と現場司令官の声が読売新聞6月22日付けに『イラク撤収 評価と課題』というタイトルで特集されていた。ここでは、その中から二人の現場司令官の示唆に富んだ意見を紙面から引用して紹介したい。現場にとって武器使用に関する規定がいかに重要かよ . . . 本文を読む

CO2削減関連二題―CO2地中処分本格推進、バイオエタノール燃料普及実験

2006-06-23 00:09:37 | 環境・防災・エネルギー
 政府による二酸化炭素削減の取り組みに関して二つご紹介する。一つは、二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める技術(CCS)を用いた施設の整備を推進する方針。もうひとつは、バイオエタノール燃料の普及に向け、原料となるサトウキビ産地の沖縄県宮古島で2008年度から、自動車用ガソリンに混ぜて利用する大規模な実証事業に乗り出すというものである。  CCS(CO2Capture & Storage)は、工場や . . . 本文を読む

イラク・サマワの陸自撤収決定―空自は輸送業務拡大

2006-06-21 05:54:45 | 安全保障・自衛隊
 イラク特措法に基づきイラク復興のためサマワに派遣されていた陸上自衛隊を撤収することが正式決定した。サマワ周辺の治安権限が7月に多国籍軍から移譲されると発表したのを受け、米英両国やオーストラリアと協議したうえで「(日本として)一定の役割を果たしたと判断し、撤収を決定した」ということである。今後は、かねてから言われてきたように空自による輸送活動を拡大して国連や米国など多国籍軍の輸送支援を行うことや、 . . . 本文を読む

希少金属の代用品研究へ―資源小国の脆弱性軽減を目指して

2006-06-21 05:22:34 | 通商・産業
 我が国が頼みとするハイテク産業にとって、希少金属(レアメタル)という存在は死活的に重要な物質である。希少金属は、抽出が困難な31種類に金属の総称で、それらのトータルでの生産量が全金属の生産量の約1%にしか達しない。我が国では、ニッケル、コバルト、タングステンなどの7種類が国家備蓄の対象となっており、供給不足のときや価格の高騰時に放出することとなっている。石油の備蓄と同じことである。希少金属は、上 . . . 本文を読む

北朝鮮のテポドン発射準備情報に思う―短期的戦略と長期的戦略

2006-06-20 07:45:23 | 安全保障・自衛隊
 ご承知のように、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備を進めていることは、各種の状況証拠からほぼ明らかである。米当局者によれば、既に燃料の注入を完了しており、一旦燃料の注入を行ってしまえば戻すのは困難であるためそのまま発射に至る可能性が高いとの観測である。北朝鮮側は、例のごとく「人工衛星の発射実験」と主張する模様だ。日本政府は、小泉首相をはじめ安倍官房長官や麻生外務大臣が「仮に発射 . . . 本文を読む

通常国会閉幕、自民党総裁選事実上火ぶたを切る

2006-06-18 21:01:45 | 自由民主党
 通常国会が16日に閉会して、9月の自民党総裁選挙に向けて事実上選挙戦が始まった。私の個人的な印象では、政局関連は毎日新聞が強いというイメージがある(この認識は間違っているのかもしれないが…)。そういうわけで、毎日の長い記事を紹介しておきたいと思う。といっても、長文にも関わらず「よく分からない」というのが結論の報道記事である。誰が出るのかすら確定していないのだから、そうならざるを得ないところではあ . . . 本文を読む

黄砂に平均値の10倍以上の重金属―鳥取県の研究所で観測

2006-06-18 09:11:48 | 環境・防災・エネルギー
 今年は、黄砂の飛散が特に多く、大陸からの大気汚染物質がそれに付着して飛来する可能性があらためて指摘され懸念されている。例えば、黄砂にNOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)が付着していれば、酸性雨の原因になる。もっともこれに関しては、黄砂自体がアルカリ性であるために中和される可能性も指摘されており、さらなる研究が必要である。酸性物質のほかにも汚染物質はある。マンガンや砒素などの重金属もそうであ . . . 本文を読む

両陛下に「最も感銘」―タイ紙が王族特集

2006-06-17 02:34:12 | 皇位継承問題・皇室
 先日天皇皇后両陛下が東南アジアを歴訪された。とりわけメインの行事はタイのプミポン国王の在位60年記念祝賀行事へのご出席だったのだが、タイでの歓迎ぶりや、その後の「出席した25カ国の王族、皇族のうち"最も感銘を受け、最も洗練されていた"のは天皇、皇后両陛下だった」との現地紙の報道は、皇室外交という言葉がまさに相応しいものだと、改めて実感させられた。皇室が国政上の権能としての「外交」をすることは憲法 . . . 本文を読む

上海協力機構首脳会議―資源、安保での結束強化が謳われる

2006-06-17 01:49:33 | ロシア・中央アジア
 上海協力機構(SCO)は、中国、ロシアと中央アジア4か国(カザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギス)で構成される緩やかな協議体である。その設立5周年記念首脳会議が15日に上海で行われた。中露の狙いは、容易に察せられるとおり、米国による一極支配への反対と、米国のこの地域への浸透の防止である。先日も『日本も中央アジアのパワーゲームに積極参加すべきだ』の中で、中央アジアでのパワーゲームの重 . . . 本文を読む