猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

国連初の半年暫定予算―国連改革への道のりは遠い

2005-12-25 09:28:16 | 国連
 米国のボルトン国連大使の「国連の効率化という改革なくしては暫定予算しか認められぬ」という強硬な主張が通った形で、国連史上初の半年暫定予算が組まれることになった。  具体的には、二〇〇六-〇七年の国連通常予算において、半年分に相当する九億五千万ドル(約千百億円)の支出のみを事務局に認める予算決議を全会一致で採択した。事務局には一年分の分担金を加盟国から徴収し、うち半年分の九億五千万ドルまでの支出を . . . 本文を読む

2006年度予算復活折衝についてのコメント

2005-12-25 09:08:25 | 財政・税制
2006年度予算案については、防衛関係の当初予算案について『防衛予算、今年度当初比0.9%減』にてコメントした。本エントリーでは、防衛関係以外も含めて、22日に谷垣財務相と各閣僚の間で行われた復活折衝の注目点を挙げておきたい。なお、復活折衝は同日終了し、予算の政府案は24日に閣議決定される。以下、カッコ内は復活額である。 【国土交通省(海保)】1000トン級巡視船4隻とヘリコプター3機の購入 . . . 本文を読む

麻生外相、中国軍拡「かなり脅威」

2005-12-23 10:30:56 | 日中関係・米中関係
 民主党の前原代表に負けじと、というわけでもないのだろうが、麻生太郎外務大臣が、「隣国で十億の民、原爆を持って、軍事費が十七年連続で二けた伸びている。その内容は極めて不透明だ。かなり脅威になりつつある」と明確に中国脅威論を主張した。全く正しい認識であるとしか言いようがない。また「中国の軍事費の内容が外になかなか分かりにくく、不信感をあおることになる」と情報を公開し透明性を高めるよう強調した。これは . . . 本文を読む

NHK民営化、小泉首相が”抵抗勢力”

2005-12-23 10:04:25 | 通信・郵政・交通
 改革者である小泉首相を「抵抗勢力」呼ばわりするのも、大変気が引ける話だが、NHK民営化に否定的な見解を示したということで、悪意はまったくないのだが言葉のあやとして小泉流の表現を用いてみた。小泉首相は、政府が平成十三年十二月に閣議決定した特殊、認可法人の整理合理化計画で、NHKについては特殊法人の組織形態を維持するとしていたことを踏まえて、それを踏襲するべきだという考えのようだ。「民営化ではない、 . . . 本文を読む

防衛予算、今年度当初比0・9%減―財務当局は過剰介入を戒めよ

2005-12-23 02:32:26 | 安全保障・自衛隊
 総額80兆円未満国債発行額30兆円未満という比較的緊縮財政である2006年度予算の財務省原案において、防衛予算も今年度当初予算とくらべて0.9%ではあるが減額された。  防衛予算に関する議論としては、何といっても昨年の新防衛大綱策定をにらんだ、陸自編制定数(要するに陸自の兵員数)に関する財務省と防衛庁の綱引きが想起される。これは、冷戦期のような大規模な本土侵攻の可能性が低下したのだから陸自の編制 . . . 本文を読む

ODA改革は「二正面作戦」―外務省・財務省が抵抗

2005-12-21 02:09:35 | 外交・国際問題全般
 17日に、ODAについて議論する政府の有識者会議「海外経済協力に関する検討会」(座長・原田明夫前検事総長)が、初会合を開いた。政府系金融機関改革の過程において、国際協力銀行(JBIC)の円借款業務は「他の政策金融と別の機能として残す」とだけ方向性を示して、具体案は先送りしていたものを、この検討会で協議することになる。初回の合意点は「政府開発援助全般について、外交戦略上の位置付けなど機能面から幅広 . . . 本文を読む

女系天皇論議に関する続報―自民新人議員たちに期待

2005-12-20 01:48:26 | 皇位継承問題・皇室
 皇位継承問題に関する議論は、結局のところ、アクロバティックな策を用いてでも男系という伝統を守るべきか、目先の「安定性」を求めて伝統を破壊して女系を認めるかという点に行き着く。私は何度も主張している通り、前者を支持している。『皇位継承に関する私案』などを参照してくだされば幸いです。  有識者会議の女系容認を認めた答申により、流れは女系容認に傾いたかと危惧していたが、まだ必ずしもそうでもないようだ。 . . . 本文を読む

インフレ・ターゲット導入をめぐり、中川・竹中VS与謝野

2005-12-20 01:30:11 | 経済全般
 中央銀行の独立性を守りながら政府のマクロ経済政策目標を達成する手段として、物価目標の導入が有効であると思う。いわゆるインフレ・ターゲットである。これは、政府と中央銀行の協定により物価上昇率を一定の値に保つように日銀が金融政策を行うというものである。自民党の中川政調会長や竹中総務大臣は、インフレ・ターゲットを導入せよという議論を展開している。彼らの論拠は「日銀の独立性は、政策の手段に限定されるので . . . 本文を読む

民主党前原代表のチャレンジ―集団的自衛権、中国脅威論

2005-12-19 00:17:43 | 安全保障・自衛隊
 先の訪米・訪中を通じて、民主党の前原代表は、我が国のシーレーン防衛及び周辺事態における米軍との協力関係維持にとって集団的自衛権行使の容認が不可欠であること、又、中国が脅威であるという認識を強調してきた。その主張の正当性は、いちいち説明するまでもないぐらいに明々白々である。前原氏は、党大会において党内からのかなりの反発を受けたものの、それを撥ね返して今のところ持論を曲げずにいる。さらに、外交安全保 . . . 本文を読む

耐震偽造「姉歯」以外も

2005-12-18 23:22:13 | 社会問題全般
 姉歯・元1級建築士による構造計算書の偽造による耐震データ偽造問題は、当然姉歯氏一人の問題ではあるまいと思っていたが、やはりそのようである。経営コンサルタント「総合経営研究所(総研)」が指導したゼネコンが施工を担当していたビジネスホテル13棟の鉄筋量が著しく不足しているとの報道があった。次は「総研」が槍玉に挙げられるのだろう。それはそれで責任追及はせねばならないけれども、建築基準とその検査に関する . . . 本文を読む

イラク総選挙続報―米国の中東民主化構想第一歩

2005-12-17 08:38:52 | その他各地域情勢
 15日に行われたイラク国民議会選挙の続報をご紹介する。あわせて『イラク総選挙は高投票率―イラク情勢は少しずつ好転か』もご覧いただければ幸いである。この選挙で注目される点は、何といってもスンニ派の大変な高投票率である。スンニ派といえば、ご承知の通りサダム体制下での主流派であり、シーア派などの他の勢力を抑圧し、米軍の駐留に強行に反対するためにその一部はテロ支援すらして、1月の総選挙をボイコットするな . . . 本文を読む

法的措置かスクランブル化か―NHK受信料問題

2005-12-17 00:56:38 | 通信・郵政・交通
 NHKの受信料不払い問題は、受信料制度自体が内包する構造的な問題点であり、さらには公共放送の存在意義そのものに突きつけられた疑問であると解釈すべきである。これに対して「受信料を払った者だけが視聴できるシステムであるスクランブル化を導入する」というのが、規制改革会議の答申案である。規制改革会議の答申案では、公共放送の範囲は「真に必要なものに限定すべきだ」と指摘し、BSデジタル放送のみならず地上波デ . . . 本文を読む

イラク総選挙は高投票率―イラク情勢は少しずつ好転か

2005-12-16 02:09:37 | その他各地域情勢
 15日に投票が締め切られたイラクの連邦議会総選挙は、高い投票率に加えて、1月の国民議会選挙をボイコットしたスンニ派も参加するなど、なかなか順調な結果に終わりそうだ。懸念された、選挙を妨害するための大規模なテロも起きずに済み、イラクの民主化は足取りは遅いものの着実に成果を上げている。大規模な自爆テロが起きなかったのも当然のことではある。もはや「イラクのため、イスラムの大義のため」という彼らの言い分 . . . 本文を読む

東アジアサミット開催―東アジア共同体創設をめぐって

2005-12-15 00:04:09 | 外交・国際問題全般
 東アジアサミットが開催され、ASEAN加盟国に加えて、日・中・韓・豪・NZの合計16カ国が参加して、東アジア共同体について意見が交換された。結論から言ってしまえば、どうとでも受け取れる毒にも薬にもならない宣言が出されただけである。批判したいのではなくて、それでよかったと思っている。拙速に話を進めて中国の思う壺にはまるのではなく、日本の立場をある程度十分に取り入れさせることができたからである。   . . . 本文を読む