猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

自衛隊、統合幕僚監部を設置―本格的統合運用へ、統幕長は認証官にせよ

2006-03-31 01:08:23 | 安全保障・自衛隊
 自衛隊は、さる3月27日に、陸海空の3自衛隊を1人の指揮官が束ねて作戦行動を遂行する統合幕僚監部を設置した。この件につき、制度の概観と統合運用の必要性につき簡単にまとめておきたい。  まず、統合幕僚監部を設置することに伴う自衛隊の運用形態の変更。今までは、自衛隊の運用は、陸海空各自衛隊ごとの運用が基本であり、陸海空の各幕僚長が各自衛隊の運用に関して直接に長官を補佐していた。また、各自衛隊に対する . . . 本文を読む

高校教科書検定―領土問題、難易二極分化、私は検定不要論

2006-03-30 17:59:50 | 教育・教科書・学力
 文部科学省が二十九日に発表した、来春から使用される高校教科書の検定結果では、領土問題についての正確な記述を要求する方向で検定意見が付けられ、出版社側が修正した。ごくかいつまんで言えば、単に領土問題の存在を記述するだけではなく、我が国が実効支配していない北方領土と竹島に関しては「不法占拠されている」というニュアンスを出させ、尖閣諸島については我が国が実効支配しているので、「領土問題」ではなく「中国 . . . 本文を読む

中国研究者が論評―「歴史問題を日中関係の基礎にするな」

2006-03-29 23:47:27 | 日中関係・米中関係
 中国の政府系研究機関、中国社会科学院の日本研究所長を務めた国際問題研究家、何方氏が、中国の専門誌『社会科学論壇』(3月上期号)に、「歴史認識問題を両国関係の基礎にすべきではない」という趣旨の見解をインタビューに答える形で表明した。何氏の主張の要点は「歴史問題を国家関係の基礎とするのは非現実的で不適当である。歴史に決着をつけようとすれば、どんな国家と隣国の関係も大国同士の関係もうまくいかない」「日 . . . 本文を読む

子育て支援税制議論、政府・与党少子化協議会が初会合―N分N乗方式・税額控除方式などを検討

2006-03-29 01:40:21 | 財政・税制
 少子化対策の一環として税制を有効活用できることは、3月7日に『所得税、N分N乗方式導入のすすめ―少子化対策の一環として』という記事を書いて、所得を世帯の人数で頭割りして税額を算出することにより、大家族ほど税額が抑えられる「N分N乗方式」という制度について紹介した。  23日に初会合が開かれた政府与党の少子化対策に関する協議会では、N分N乗方式や、子供の人数に応じて一定額を差し引く「税額控除方式」 . . . 本文を読む

宇宙利用法案を次期国会に提出―自衛目的での宇宙空間利用を可能に

2006-03-29 00:58:15 | 安全保障・自衛隊
 これまで、日本政府は『月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約』(通称、宇宙条約)を解釈するに当たって、「宇宙空間の利用を非軍事に限る」という厳しい平和利用原則を課してきた。国会は1969年に「宇宙の平和利用決議」を決議しており、その内容にしたがっているわけである。その結果、自衛隊が自前の偵察衛星を開発できないなど、宇宙での活動が厳しく制限されてきた。9 . . . 本文を読む

アジア外交、日本の影響力は米の国益―マイケル・グリーン氏寄稿

2006-03-28 02:02:23 | 外交・国際問題全般
 ブッシュ政権での知日派といえば、いずれも政権から去ってしまったが、第一にアーミテージ氏であり、他には例えばマイケル・グリーン氏が有名なところである。アーミテージ氏は、現在のブッシュ政権の外交政策を「アジア戦略軽視である」と厳しく批判しており、4月末には『アーミテージ・レポート』の続編を公表する予定である。内容は、日本が米国の対等なパートナーとしてアジア太平洋地域の安定と平和に積極的に関与すること . . . 本文を読む

財政制度等審議会、長期試算を発表―消費税増税・歳出削減

2006-03-27 16:07:03 | 財政・税制
 財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、歳出・歳入一体改革の議論の前提となる一般会計の長期試算を公表した。これは、人件費改革、政府資産・債務改革、あるいは特別会計改革といったさまざまな改革の効果を反映した上で、我が国財政の中長期的な展望等にかかる試算を行ったものである。そして、その結果を踏まえて今後の検討の方向性及び歳出削減のみで財政収支の改善を図ることにした場合の仮定計算等をとりまとめている . . . 本文を読む

普天間移設問題で、政府が修正案提示

2006-03-26 21:16:48 | 日米同盟
 米海兵隊の普天間飛行場移設問題の続報。額賀防衛庁長官が25日夜に沖縄県名護市の島袋吉和市長と会談して提示した修正案によれば、〈1〉米軍機の予定飛行ルートの直下に住宅10戸があるため、滑走路の角度を若干変更〈2〉滑走路を沖合に移動ということである。図はその概略である(読売新聞3月26日付)。報道によれば、滑走路を沖合にずらす点については、50~200メートルの幅で調整されている模様だとされる。名護 . . . 本文を読む

日米豪、初の戦略対話―中国への懸念共有

2006-03-26 16:40:48 | 日米同盟
 さる18日に、オーストラリアのシドニー郊外にあるオーストラリア海軍基地で、麻生外務大臣、ライス米国務長官、ダウナー豪外相による初の日米豪閣僚級戦略対話が行われた。こういう対話が今まで行われなかったことの方が、驚くべきことである。この対話の持つ意義は、アジア太平洋地域の平和と安定のために日米豪を中核とする環太平洋の民主国家群による連携を密にしていく方向性が明確になった点である。参加国は、もちろん我 . . . 本文を読む

全国学力テスト、学校・市町村ごとの成績非公表に

2006-03-25 17:05:01 | 教育・教科書・学力
 2007年度から「全国学力テスト」が実施される。「義務教育における機会均等や全国的な教育水準の維持向上」を目的として、すべての児童生徒の学習到達度を把握した上で、結果を教育条件の整備や教育施策の見直しに結び付けるのが趣旨である。  「全国学力テスト」について、文部科学省の専門家会議が中間報告にまとめたところによれば、対象となるのは小6と中3の児童生徒で、科目は国語と算数・数学の2教科で実施するよ . . . 本文を読む

PSEなし中古家電販売を事実上容認へ―電気用品安全法移行措置終了問題

2006-03-25 15:40:43 | 社会問題全般
 電気用品安全法は、電気用品取締法を1999年に改正して、2001年から施行されているもので、同法に適合し安全が確認された電気用品にPSEマークを付けて製造・販売するように規定されている。この法律の目的は、言うまでもなく「電気用品による事故を防止するため」であり、概要と趣旨はは経産業省のHPに『電気用品安全法に基づいて、電気用品の製造事業者又は輸入事業者は、安全を確保するために必要な技術基準に適合 . . . 本文を読む

アザデガン油田開発 米、日本に凍結要請―イラン核阻止へ障害

2006-03-23 18:22:19 | 外交・国際問題全般
 イランによる核兵器開発の阻止に国際的に取り組む上で一つの大きな障害が、我が国のイランに対する原油依存である。とりわけ、アザデガン油田の共同開発は、米国が常に問題視してきたところである。米国政府関係筋は、ゼーリック国務副長官やジョゼフ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)らが、日本政府に非公式な形でアザデガン油田の開発を少なくとも中断するよう要請したことを明らかにした。米国議会でも同様の要請を行う . . . 本文を読む

国連分担金改革、日米の提案―P5に下限設定・購買力平価基準

2006-03-22 19:37:27 | 国連
 ここ約2週間のうちに、日米が相次いで提案した国連分担金の負担率見直しについて一瞥しておきたいと思う。  まず、日本の提案は、安保理常任理事国に対し、新たに「3%以上か5%以上」との下限を設定する案である。現行では、国連の分担金比率は基本的に国民総所得(GNI)に応じて決定される。この算定方法に基づき、安保理常任理事国5カ国の分担率は現在、米国22.0%、英国6.1%、フランス6.0%、中国2.1 . . . 本文を読む

量刑意識、国民にばらつき―裁判員制度をめぐり最高裁が意識調査

2006-03-22 17:56:16 | 訴訟・裁判・司法
 周知の通り、2009年から刑事裁判において、専門の裁判官とともに一般国民の中から事件ごとに選任された裁判員が合議して有罪無罪及び量刑を決める裁判員制度が導入される。英米などの陪審員制度は事件ごとに選任される点は我が国の制度と同じだが、量刑は専門の裁判官のみが決める点が異なる。また、独仏などの参審制度は、事件ごとではなくて数年の任期にわたって務める点が異なる。この場合、何件もの事件を担当することで . . . 本文を読む

李登輝氏のビザ免除、「一般旅行者と同じ」

2006-03-19 10:29:01 | 外交・国際問題全般
 政府は十七日、五月に観光目的で来日を計画している台湾の李登輝前総統に対し、ビザを発給せずに入国を認めることを決めた。昨年九月、台湾観光客の九十日間の査証免除措置を決めたのだから、総統を退いて一私人の立場にある李登輝氏に同じ扱いをするのは極めて当然である。それ以外の選択肢はありえない。麻生太郎外相が「別に問題視することではない」と述べ、杉浦正健法相が「(李氏は)もう一般の民間人であり、一般の旅行者 . . . 本文を読む