猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

自衛隊イラク派遣の国益―イラク外相訪日

2005-11-25 02:20:58 | 安全保障・自衛隊
 現在、イラクのゼバリ外相が来日している。ゼバリ外相は、安倍官房長官や麻生外務大臣と会談して、その中で「われわれは日本から受けている恩は決してわすれない」と謝意を表した。また、12月14日に期限切れとなる、イラクへの自衛隊派遣の延長も要請した。安倍官房長官の言うとおり、イラク側の一層の自助努力が求められるのは当然のこととして、復興した(まだ「しつつある」という段階だが)イラクにこれだけ感謝され、必要とされているということは、自衛隊派遣が日本の国益にかなったということを如実に証明している。
 イラクへの自衛隊派遣の意義は、第一に日米同盟の強化であるが、それだけでなく国際社会において国際貢献する日本の存在をアピールすること、復興後の新生イラクと良好な関係を築き安定的な原油の供給を受けられるようにすることである。日米同盟の強化に役立ったことは、ブッシュ大統領が折に触れて日本の支援に感謝を表明していることから明らかである。そして、イラクの外相が日本を訪れて感謝の意を表していることは、自衛隊派遣の残り二つの意義が達成されたことを証明している。自衛隊の撤退スケジュールもそろそろ俎上に上ってくる時機になったが、その後も外交努力や民間による支援などを通して、イラクとの良好な関係を発展させていかねばならない。ロシアのプーチン大統領訪日で明白になったとおり、ロシアにエネルギー資源を依存しすぎるのは非常に危険なことである。それよりは、イラクを当てにするほうが「共存共栄」ではるかに望ましいのである。
 自衛隊のイラク派遣には、色々と批判があったが、自衛隊の皆さんは、このように日本の国益のために命を賭して働いてくれている。感謝と敬意を忘れてはならない。


(参考記事1)
「われわれは日本から受けている恩は決して忘れない」
来日中のゼバリ・イラク外相は、24日午後、首相官邸で安倍晋三官房長官と会談し、自衛隊派遣などによる日本の復興支援に最大限の謝辞を贈った(時事通信社)22時00分更新

(参考記事2)
<イラク外相>自衛隊の派遣延長を要請 麻生外相らに
 初来日しているイラクのジバリ外相は24日、麻生外相、安倍官房長官らと相次いで会談した。ジバリ氏は両氏に対し、12月14日に期限切れを迎えるイラクへの自衛隊派遣の延長を要請。麻生氏は近く判断する考えを伝えた。安倍氏との会談でも、ジバリ氏は派遣延長を要請。安倍氏はイラク側に治安回復への努力を求めた。
(毎日新聞) - 11月24日23時16分更新


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
石油の利用方法には (Repunit)
2005-11-25 20:59:13
エネルギーと原材料の二つありますが、エネルギーとしては代替物を模索している(すべき)段階ですよね。

バーレーンと天然ガス開発したり魚群探知機でメタンハイドレート探ししたり色々しているようですがなかなかうまくはいかないみたいです。



イラクの閣僚がわざわざ来て感謝してくれて嬉しい限りです。これでアメリカのいいなりとか言ってる人達が少しは見方を変えてくれればいいのですが…
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Repunitさまへ (猫研究員。(高峰康修))
2005-11-26 02:04:14
もちろんエネルギー資源を石油ばかりに依存するのはそろそろ

脱却しなければなりません。メタンハイドレートは日本近海にもかなり埋まっているはずなのですが…。



>これでアメリカのいいなりとか言ってる人達が少しは見方を変えてくれればいいのですが…



それが、一番主張したかったことです。少しでもそう思って下さる人が増えてくれれば喜ばしいことです。でも批判したい人は「外交辞令だ」とか「日本の援助目当て」とか批判するんだろうなあ。
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