猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

『宇宙軍拡防止 ルール作りを』-英エコノミスト誌

2007-02-02 02:14:02 | 日中関係・米中関係
『宇宙軍拡防止 ルール作りを』(英エコノミスト誌1月27日~2月2日号より)  中国政府が、弾道ミサイルで上空800キロ以上の自国の人工衛星を破壊する実験を行なったと認めたのは、宇宙空間の支配権を誰にも渡さないという中国なりの意思表示だった。  不要となった人工衛星については寄り適切な処理方法がある。中国のやり方では、大小数千の破片が何年も弾丸のように軌道を周回することは確実だ。破片は他の人工衛星 . . . 本文を読む

日中首脳会談開催

2006-10-08 23:32:32 | 日中関係・米中関係
 安倍総理は、8日午後北京を訪れ、胡錦濤国家主席、温家宝首相らと会談した。中国側は日本の首相交代を契機に首脳会談を実施するというのが既定路線だったのだろうことは想像に難くない。日中関係が冷え込んでしまえば究極的には、より困るのは我が方よりもあちら側なのだから。歴史認識の問題や靖国問題では、悪く言えば「玉虫色」ということになるのだろうが、互いに深入りしなかったのは外交上の知恵というか、そんなことは首 . . . 本文を読む

台湾海峡でミサイル増強、米国防総省が中国軍事力報告

2006-05-24 06:48:52 | 日中関係・米中関係
 米国防総省が23日に議会に提出して公表した「中国の軍事力に関する年次報告書」によれば、台湾海峡に配備している短距離弾道ミサイルは710~790基に達し、昨年の報告書で指摘した「650~730」を大幅に上回っている。これは、当然台湾への威嚇であり、中国の軍事力拡大はすでに地域の軍事バランスを変えるほどになっているという指摘は全く正しい。  さらに、同報告書は、中国の軍拡が短期的には台湾海峡有事に照 . . . 本文を読む

中国は靖国問題を棚上げにした!?―ある中国人の日中問題研究家による分析

2006-04-25 07:56:45 | 日中関係・米中関係
 中国は靖国問題を棚上げにした。こういう説を聞いたら大方の読者はなかなか信用しないことと思うが、月刊誌『月刊日本』5月号に、日中問題研究家で中国出身の石平氏がそういう趣旨の論文を寄稿しており、首肯すべき点も大いにあるのではないかと思い、概要をご紹介したいと思う。  氏が注目しているのは、今年3月31日の「重要講和」と位置づけられる胡錦涛国家主席の談話である。これは、訪中した日中友好団体との会談にお . . . 本文を読む

中国の外貨準備高、3月末も世界一―米中首脳会談を目前にして

2006-04-18 13:58:16 | 日中関係・米中関係
 4月20日に行われるブッシュ・胡錦濤による米中首脳会談の最重要課題の一つに人民元の為替レート過小評価問題があるのは言うまでもないことである。また、この問題は、21日から予定されている先進7カ国財務相会議でも重要な議題となる。米中首脳会談を目前に控えて、人民元の問題に関して一瞥しておきたいと思う。  中国の中央銀行である中国人民銀行が発表したところによれば、2月末時点で8537億ドル、3月末の外貨 . . . 本文を読む

上海領事館員自殺事件で遺書明らかに―中国の横暴を肝に銘じるべきだ

2006-04-04 07:20:26 | 日中関係・米中関係
 2004年5月に在上海日本総領事館の館員(通信を担当する電信官)が自殺した問題に関して、同館員が中国の情報当局から外交機密などの提供を強要されていたのではないかという疑惑が浮上し、日中間の重大な外交問題になったのが昨年末のことである。この件は、我が国の外交に関する情報の安全が著しい脆弱性を孕んだものであることを如実に示した。同時に、中国という国家の遵法精神の欠如が白日の下に晒された。  さて、こ . . . 本文を読む

中国研究者が論評―「歴史問題を日中関係の基礎にするな」

2006-03-29 23:47:27 | 日中関係・米中関係
 中国の政府系研究機関、中国社会科学院の日本研究所長を務めた国際問題研究家、何方氏が、中国の専門誌『社会科学論壇』(3月上期号)に、「歴史認識問題を両国関係の基礎にすべきではない」という趣旨の見解をインタビューに答える形で表明した。何氏の主張の要点は「歴史問題を国家関係の基礎とするのは非現実的で不適当である。歴史に決着をつけようとすれば、どんな国家と隣国の関係も大国同士の関係もうまくいかない」「日 . . . 本文を読む

麻生外相「中国側が暗号表の譲渡強要」-在上海総領事館館員の死亡について

2006-02-21 00:25:32 | 日中関係・米中関係
 日中関係に刺さったとげの一つに、ご承知の通り、一昨年五月に在上海日本総領事館員が自殺した問題がある。日本政府の立場は「現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があった」というものである。具体的には、中国側の公安当局関係者から不法な情報提供を強要され、それを苦にして領事館員が自殺したのではないかという疑惑である。領事関係に関するウィーン条約上 . . . 本文を読む

「米政権『靖国』に懸念 アジア戦略『日本に見直し要求』」という記事

2006-01-07 04:14:47 | 日中関係・米中関係
 少々前のことになるが、1月1日付けの「米政権『靖国』に懸念 アジア戦略『日本に見直し要求』」という見出しの、毎日新聞の記事(電子版)が載った。全文は下に引用しておくが、その概要は「11月に、米政権が日本と中国に対して靖国をめぐる問題を引き合いに出して、日中関係の悪化に釘を刺していたた」ということと「日本はアジア外交に関して戦略を持て」と注文をつけていたということである。毎日新聞の論調は、率直に言 . . . 本文を読む

麻生外相、中国軍拡「かなり脅威」

2005-12-23 10:30:56 | 日中関係・米中関係
 民主党の前原代表に負けじと、というわけでもないのだろうが、麻生太郎外務大臣が、「隣国で十億の民、原爆を持って、軍事費が十七年連続で二けた伸びている。その内容は極めて不透明だ。かなり脅威になりつつある」と明確に中国脅威論を主張した。全く正しい認識であるとしか言いようがない。また「中国の軍事費の内容が外になかなか分かりにくく、不信感をあおることになる」と情報を公開し透明性を高めるよう強調した。これは . . . 本文を読む

「日中関係悪化は靖国問題と区別すべき」-ブッシュ大統領発言

2005-11-11 15:59:59 | 日中関係・米中関係
 「日中関係は単なる神社への参拝(についての議論)よりもずっと複雑だと思う」「日本の多額の対中投資も両国関係の一面であり、もちろんいま緊迫している政治的な側面もある」これは米国のブッシュ大統領が悪化する日中関係について、マスコミに答えた見解である。実は「日中関係は小泉首相の靖国神社参拝のために悪化しているが、この参拝をどうみるか」と質問したのはNHKである。ブッシュ大統領の総合的な見地に立った日中 . . . 本文を読む

「米中が戦争すれば中国が勝つ」と石原都知事が米で講演

2005-11-05 00:11:22 | 日中関係・米中関係
 石原慎太郎都知事が、ワシントンにあるシンクタンク「戦略問題研究所(CSIS)」で講演をして、米中関係を中心とする世界戦略について言及した。中国による6月の新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験の成功の持つ戦略的重大性や、沖ノ鳥島周辺での中国艦船による海洋調査は潜水艦の航路のテストであるとの正確な分析を披露した。さらに、石原氏はこの講演の中で、人命を尊重せざるを得ない米国は独裁で人命軽視の . . . 本文を読む

靖国参拝に対する「文化面での報復」!?

2005-10-29 02:02:51 | 日中関係・米中関係
 防衛庁の行事に参加を予定していた中国人民解放軍軍楽団が「日中関係の現状にかんがみ、参加しない」と防衛庁に伝えてきたそうだ。中国は小泉首相の靖国参拝に対して「文化面で報復する」などと言っていたので、どうもその一環らしい。余りにもバカバカしい話なのでコメントするにも値しないとも思ったが、一応紹介しておきたいと思う。中国は「白髪三千丈」の国であり、中国人は大袈裟なことを言うには言うが、たいていは真に受 . . . 本文を読む

ラムズフェルド米国防長官訪中

2005-10-21 23:35:59 | 日中関係・米中関係
 米国のラムズフェルド国防長官は、中国を訪問し、中国のミサイル戦力を中心とする軍事力増強に強い懸念を表明するとともに、中国の軍事力に関する透明性の向上を重ねて求めた。これで、米国の対中戦略が一層明らかになった。冷戦下では、米ソが互いに軍事力に関する透明性を保ちながら、相互に核で抑止し合った。もちろん、中国はソ連のような世界超大国ではないが、地域大国と認め冷戦下におけるのと同様の戦略をもってこれを封 . . . 本文を読む

続・小泉首相靖国参拝

2005-10-19 16:57:34 | 日中関係・米中関係
 前回の記事では、いささか興奮しすぎて「研究」からは程遠いものになってしまったので、今日は多少冷静に見つめてみたいと思う。  中国は、17日の小泉首相靖国参拝を受けて、正式に町村外相の訪中を拒否した。望むところである。というのは、とりたてて喧嘩すべしというのではなく、外相会談を行っても最大の懸案である東シナ海のガス田問題が進展するとも思えないからである。中国は外相会談などやりたくなくて仕方なかった . . . 本文を読む