猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

中国発のスパイ情報網が発覚―カナダ・トロント大とケンブリッジ大の専門家チームが報告書

2009-04-01 06:19:14 | 外交・国際問題全般
 米国防総省により25日に米国議会に提出された、2009年版の中国の軍事力に関する年次報告書は、中国軍が、核や宇宙兵器の開発、サイバー戦の能力を持つことで、地域の軍事的均衡を変え、アジア・太平洋地域を越えて影響を及ぼす恐れがあると警告している。すなわち、中国はこれまで米国が圧倒的優位を誇ってきた宇宙空間やサイバースペースにおいて「戦闘」を行う能力を持つことを意図しており、これは米国の覇権とそれによ . . . 本文を読む

中国資源外交―アフリカからも噴き出す警戒論(読売社説)

2007-02-19 16:12:44 | 外交・国際問題全般
 中国のなりふり構わぬ「資源外交」は、エゴイズム丸出しの前近代的スタイルである。中国は最近資源獲得のためにアフリカ重視の方針を明確にしているが、そのやり方には援助の被供与国であるアフリカの国々からも警戒を招くようになった。当然のことである。詳細は、読売社説に詳しいので参照されたい。  ODAは国益を考えて行なうべきだといっても、なにがしかの倫理的な理念がなければならない。我が国の対外開発戦略におい . . . 本文を読む

『中東和平へ”MATO”創設を』―米タイムス誌

2007-02-09 01:00:55 | 外交・国際問題全般
 読売新聞2月8日付「世界の論調」欄に掲載された『中東和平へ”MATO”創設を』という米タイムス誌の論説が興味深いのでご紹介したい。 『中東和平へ”MATO”創設を』  60年前、ソ連の共産主義拡大という地球規模の脅威を前に、米国の指導者は驚くべき創造力を発揮した。世界銀行やマーシャルプランなどが創設された中で、最も重要なのはNATO(北大西洋条約機構)だった。  イスラム過激派という新たな脅威 . . . 本文を読む

「自民党総裁選と靖国問題―政争の具にするな」…岡崎久彦氏論説

2006-09-06 02:20:04 | 外交・国際問題全般
 一つ前の記事 『自由民主党九州ブロック大会に参加』や8月15日の『小泉総理の8月15日靖国参拝の公約実行を支持する』でもほんの少しだけ触れたように、自民党総裁選では靖国参拝を争点化すべきではなく、そんなことをすれば中国の思う壺である。この点につき、9月3日付の読売新聞に掲載された『自民党総裁選と靖国問題―政争の具にするな』という岡崎久彦氏の論説が格調高く分かりやすいのでご紹介する。岡崎氏によれば . . . 本文を読む

国連安保理決議二題:イラン核開発、北朝鮮ミサイル発射

2006-07-14 03:05:46 | 外交・国際問題全般
 国連安保理で制裁を含む決議が取りざたされているのは、現在日本国民の耳目を釘付けにしている北朝鮮ミサイル発射実験問題のほかに、忘れてならないのがイランによる核開発に対処する件である。この問題について、国連安保理常任理事国5カ国及びドイツの6カ国は、12日にパリで開いた外相会議で、イランによる核開発問題に関する安保理での協議を再開させ、ウラン濃縮・再処理関連活動の全面停止を義務づける決議を採択するこ . . . 本文を読む

安倍氏が外交理念発表へ―自由・民主をアジアに拡大

2006-07-13 00:01:24 | 外交・国際問題全般
 安倍晋三官房長官が、政権構想としてまとめた外交に関する論文を、米国の外交雑誌などに発表する。その概要は以下の通りである。 ・外交哲学:自由、民主主義、人権、法の支配という四つの普遍的価値観をアジアや世界に広める ・同盟関係:自由や民主主義などの普遍的価値観を共有できる米豪印3か国などと連携、日米同盟を強化 ・国際貢献:自衛隊派遣を含む国際平和活動に積極的に参加 ・中国:人権状況について「宗教の . . . 本文を読む

ブレア英首相の国際援助論―「債務免除が最良の支援」:読売新聞特別寄稿

2006-07-08 04:55:12 | 外交・国際問題全般
 世の中、北朝鮮によるミサイル発射実験一色の観があるが、外交問題は何も北朝鮮だけではないわけで、そっちは一旦おくとして、7月5日付けの読売新聞に掲載されたブレア英首相の国際援助に関する特別寄稿が興味深く思われたのでご紹介したい。政府系金融機関の統廃合問題に関連して少し前に話題になったODA改革問題で、英国の国際援助のあり方は、国際社会における我が国の国家イメージとして大いに参考になると書いたことが . . . 本文を読む

米の先制戦略、秩序維持の例外策―キッシンジャー氏論説

2006-05-11 01:08:47 | 外交・国際問題全般
 米国が9・11後に、怒りの余り突如として持ち出してきたと思われがちな「先制攻撃ドクトリン」であるが、そう簡単に言い切ることはできない。  2001年に発表されたQDR(4年ごとの国防計画見直し)の中で謳われている、テロ組織や大量破壊兵器を保有する敵対国家への先制攻撃の容認がいわゆる先制攻撃ドクトリンである。細かく見るとこのドクトリンは「先制攻撃」と「予防的軍事介入」を含んでいる。前者は、自国に急 . . . 本文を読む

小泉総理、アフリカに関する「政策演説」

2006-05-02 23:30:37 | 外交・国際問題全般
 アフリカ歴訪中の小泉首相は、スーダン紛争解決へ1870万ドル拠出すること、アフリカの経済成長を加速させるための貿易・投資の促進や社会基盤の整備に協力すること、対アフリカ感染症行動計画を策定することなど、人道面を中心にアフリカに積極的に関与することを表明した。そして、1日午前(日本時間同日夕)には、アディスアベバのアフリカ連合(AU)本部でアフリカ政策演説を行い、アフリカ諸国と協力して国連常任理事 . . . 本文を読む

中国、東シナ海で韓国の強硬姿勢を手本に―竹島近海測量撤回の悪影響

2006-04-30 22:38:19 | 外交・国際問題全般
 日本が、竹島近海の海洋測量調査を行うと発表して、それをあっさりと引っ込めてしまったのは何とも拙劣な策であった。日本外務省の発表では「韓国が竹島周辺の海底地形の韓国名への変更を国際機関に提案しないことを条件に測量を中止する」ということだが、韓国側は「そんな約束はしていない。韓国名を提案することは可能だ」と主張している。このやりとりは、日韓のみの問題にとどまらず、日本との間で領土問題を抱えている国が . . . 本文を読む

2006年版外交青書のツボ(というほどのものでもないが…)

2006-04-16 04:29:44 | 外交・国際問題全般
 14日の閣議に、麻生太郎外相から2006年版外交青書が報告され、同日、外務省はこれを発表した。外交青書とは、いうまでもなく前年一年間の外交活動を総括した外務省の定期刊行物である。他の役所では「白書」なのだが、外務省だけは「青書」である。  こういう文書は直接自分で目を通すのが一番よいのだが、取り急ぎ各種報道からそのごく一部を、日米関係・北東アジア関連に絞ってまとめておきたい。内容は、政府の活動報 . . . 本文を読む

日本と東南アジア―中国しのぐ役割を(アーミテージ氏論説)

2006-04-11 02:10:36 | 外交・国際問題全般
 日本にとって、東南アジアは経済的にも心情的にも強い絆で結びついてきた。これは、ODAをこの地域に集中的に供与してきたことをはじめとして、東南アジア重視を明確に打ち出した福田ドクトリン(その萌芽は岸政権に遡るが)の結実したものである。97年のアジア通貨危機を巡っての日本への期待と、最終的には完璧とはいかなかったものの日本の対応への東南アジア諸国の感謝は記憶に新しいところである。  しかし、それ以後 . . . 本文を読む

アジア外交、日本の影響力は米の国益―マイケル・グリーン氏寄稿

2006-03-28 02:02:23 | 外交・国際問題全般
 ブッシュ政権での知日派といえば、いずれも政権から去ってしまったが、第一にアーミテージ氏であり、他には例えばマイケル・グリーン氏が有名なところである。アーミテージ氏は、現在のブッシュ政権の外交政策を「アジア戦略軽視である」と厳しく批判しており、4月末には『アーミテージ・レポート』の続編を公表する予定である。内容は、日本が米国の対等なパートナーとしてアジア太平洋地域の安定と平和に積極的に関与すること . . . 本文を読む

アザデガン油田開発 米、日本に凍結要請―イラン核阻止へ障害

2006-03-23 18:22:19 | 外交・国際問題全般
 イランによる核兵器開発の阻止に国際的に取り組む上で一つの大きな障害が、我が国のイランに対する原油依存である。とりわけ、アザデガン油田の共同開発は、米国が常に問題視してきたところである。米国政府関係筋は、ゼーリック国務副長官やジョゼフ国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)らが、日本政府に非公式な形でアザデガン油田の開発を少なくとも中断するよう要請したことを明らかにした。米国議会でも同様の要請を行う . . . 本文を読む

李登輝氏のビザ免除、「一般旅行者と同じ」

2006-03-19 10:29:01 | 外交・国際問題全般
 政府は十七日、五月に観光目的で来日を計画している台湾の李登輝前総統に対し、ビザを発給せずに入国を認めることを決めた。昨年九月、台湾観光客の九十日間の査証免除措置を決めたのだから、総統を退いて一私人の立場にある李登輝氏に同じ扱いをするのは極めて当然である。それ以外の選択肢はありえない。麻生太郎外相が「別に問題視することではない」と述べ、杉浦正健法相が「(李氏は)もう一般の民間人であり、一般の旅行者 . . . 本文を読む