ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

人が信じられない、ワーナー君

2011年06月30日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら


事故で足を怪我し、傷が悪化して臭っていたワーナー(仮名)。スタッフの保健師マデットが、治療を始めました。

しかし、マデットが話しをしようとしても、体育座りをしたままで、上を向こうとしません。

マデット「あなたの足は、木が腐ってしまったような状態になってるの。そのまま放置しておけば、歩けなくなってしまうわ。まず、私の顔を見てごらん。あなたを騙そうとしてると思う?もし、そう思うのだったら、一緒に病院に来なくていい。でも、そうじゃないって思ってくれるんだったら、一緒に病院に行きましょう。」



病院に着いても、いつも角や隅っこに座ろうとします。近づいてくる人、誰もが自分を騙そうとしてるんじゃないかと思ってしまうのです。

また、一緒にお昼を食べようと、ファーストフード店に入ろうとしても、嫌がります。追い出されると思ってしまうのです。

母親は、昨年結核で亡くなり、父親は無関心、祖母もほとんど相手をしてくれません。そんな環境の中、路上で子どもたちと物乞いや靴磨きの仕事をしながら生活をしています。近づいてくる人は、誰もが悪い人だと言うのです。その言葉の背景に、どんな経験を、どんな辛い思いをして来たのか想像を絶します。

寝る場所もさまざまです。路上の端っこ、廃車になったジープニーの中。そのため、昼から病院に行くとすると、看護師のマデットは、朝からどこにいるか探しに行きます。それから、シャワーを浴びさせ、服を着替えさせ、漸く病院に行く準備が完了します。


【薬の服用方法をワーナーの祖母に説明するマデットさん】

また、治療も大変です。定期的に薬を飲む必要があるとしても、食事も定期的に取らず、祖母のいる家にもたまにしか帰りません。しかし、マデットは、ワーナーのいる路上に通い、傷をいつもきれいにし続けました。それでも、毎回、最初はやはり顔を上げようとしないのです。


【路上で、傷の手当てをするマデットと手当てを受けるワーナー】

漸く足の傷は、完治に近づきました。次は、彼の心の傷に向き合って行かなければなりません。

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