ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

路上の子どもたち 朝4時の出来事

2009年08月10日 | 路上の子どもたち
さえ@まにら


「ネルソン君(仮名)が木から落ちて、病院に運ばれた。」という情報が彼の路上の仲間から、朝一番にソーシャルワーカーのメアンに入りました。

ネルソン君は、朝の4時に木登りをして遊んでいて、木から落ちたとのこと。スタッフが病院に駆けつけた時には、ベッドに寝かされ治療を待っていました。フィリピンでは、お金を払うまで治療は始められません。

ネルソン君の母親に連絡を取り、まず息子が病院にいることを伝え、治療費について相談をしました。アイキャンでは、路上の子どもたちへの緊急医療支援をしており、家族が治療費を賄えない場合や、身寄りがいない場合、アイキャンが必要に応じて医療費を負担します。

スタッフがネルソン君の事故について伝えると、母親から「もっと高い木から落ちて、死ねばよかったのに」という言葉が発せられました。

母親は再婚し、ネルソン君は、祖母といとこたちと生活しています。生計は苦しく、ネルソン君はいとこたちとサンパギータ(白いお花を編んだ飾り)を夜中の1時2時までフィルコアで売り歩いています。祖母と暮す家はフィルコアから1時間ほどと遠く、仕事の後はそのままフィルコアの裏にある広場で仲間と寝てしまいます。
その広場で起きた事故でした。

母親は子どもの治療中、痛々しくて見ていられないと子どもに近づいてきませんでした。ソーシャルワーカーのメアンが、「死ねばよかった」なんて言わないでと話をすると、彼女はとても自分を恥じていました。その「死ねばよかったのに」という言葉の奥には、自分の子どもがケガをしても病気になってもお金がなく、何もしてあげることができないという現実に対する悲鳴のように、私には聞こえました。



【ギブスをつけて、セッションに参加するネルソン君】

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