ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ICANを指示?支持?するコミュニティの人々

2008年03月19日 | ごみ処分場の子どもたち
ゆきも@まにら

地区巡回診療や、マッピング(医療地図作り)などでスタッフとCHV(コミュニティ・ヘルスボランティア)が地域を廻っていると、顔見知りの住民や、ケアセンターで治療を受ける患者さん、子どもと栄養改善活動に参加する人など、たくさんの人が声をかけてくれます。「Suki ako ng ICAN (わたしは、ICANの常連なのよ)」とか「Gumaling ako sa ICAN(わたしはICANで病気を治したわ)」などなど。

この時、「ICAN」が指すものは、様々です。ICANという「団体」、コミュニティケアセンターという「場所」、ICANの「活動」、ICANで働く「スタッフ」、「CHVたち」、サバイタヨの「子どもたち」、パヤタスの外にあるICANの「事務所」などなど。CHVやフィーディングマザー、サバイタヨキッズなどは、時に、「ICAN kami(わたしたちはICANよ。)」と言うこともあります。

ケアセンターには、ICANの名前は書かれていません。なのに「ICAN」が地域で広く知れ渡っているということは、ICANのサービスが多くの人に認識され、その活動が住民の生活に溶け込める趣旨のものであった、(と主観的ですが)自己評価することができます。

これを、「ICANの活動はコミュニティで大きな支持を得ている」とさらっと言いたいところですが、「支持を得ている」というよりも「指示を得ている」と言い換えた方が適切な場合も実はかなり多いのです。

例えば、ある日、体重計とミルクを提げてコミュニティを廻りながらの体重測定(オペレーション・ティンバン)の時、子どもを体重計に乗せたお母さんが、「この子、食べさせても大きくならないのよ。寄生虫駆除またやってちょうだいよ」と看護師のマデットにリクエストしていました。その他、「もっと診療の待ち時間が短くなるようにできないのかしら。」と「卵管結さつ(Ligation避妊法のひとつ)の手術はいつから受けられるようになるの?」などサービス向上に関してのほか、CHVメンバーの仕事中の評価にまでコメントが及びます。リクエスト程度ならまだまだ序の口です。中には、すごい剣幕でCHVに指示をくだす患者さんもいます。

う~ん、「支持」か「指示」か。。。。。。

住民は、ボランティアという立場ではなくても、CHVを通して事業への提案・評価をしながら、間接的に、ケアセンターの運営に係わっているとも言えます。今後、住民の住民による住民のためのケアセンターとして、事業が引き継ぐことを考えると、住民からのコメントは、どれも貴重なものです。が、スタッフも厳しい目で観察されていると、ちょっと身が引き締まる思いがします。

「参加型開発事業」とは、事業ありきの参加のレベルであっても、外部者があらかじめ用意した枠組みに「住民を参加」させ続けるのではなく、住民からの「支持」や「指示」を通して、その枠組みに住民が調整を加えていき、外部者が「お払い箱」(前向きな意味で 笑)になるのが理想です。

今の「ICAN」は住民にとって「お払い箱にしたくてもできない権威者」の座に君臨している訳ではないようです。しばらくは「指示」を受けながら住民とともに活動を続けます。

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2 コメント

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いえ、 (yukiyo)
2008-03-21 08:10:49
漢字の間違えだったのだけど、結局どっちでもあるという話しになり。。。
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Unknown (日本事務局)
2008-03-20 17:40:59
事業報告書に「住民の『指示』を受け、、、。」と書いていたのは、わざとだったんだね。

「支持」と間違えているのかと思ったよ。

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