ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

答えは西洋医学を持ち込まないこと。

2011年02月01日 | 先住民ブラアンの子どもたち
たくや@ミンダナオ

ジョセフィンさんは先住民族ブラアンの村ダタールサルバンの「ヒロット」です。ヒロットとは怪我や病気を予防・改善するための療法、又はその療法士のことを指します。その方法は地域によって異なりますが、ジョセフィンさんはココヤシから取った油を手に塗り、十指を使って圧を加えながら、頭から足の指先までを揉みほぐします。産婆としての役割を果たすヒロットもいますが、ジョセフィンさんは病気や体の痛み、疲労を取り除く療法を主としています。診療所はもちろんのこと薬局すらない山奥に位置するダタールサルバン住民にとって、ジョセフィンさんのようなヒロットの存在は欠かせません。


【ヒロットを施すジョセフィンさん】

それまでジョセフィンさんは経験のみを基にヒロットを実施していましたが、数年前に教会主催のマッサージセミナーに参加したのを期に、ジョセフィンさんをはじめ多くのヒロットたちが経験だけでは得ることの出来ない手法や身体の仕組みについて勉強したいと思うようになりました。

そこでアイキャンは先日、ブラアンのお母さんたちと一緒に「指圧療法」の研修を開きました。この研修はフィリピンの農村が抱える医療事情を踏まえた上、ヒロットや指圧などの伝統療法が病気を未然に防ぎ、高価な西洋医学や西洋医薬に頼らずに済む方法の一つとして実施しました。


【講師は鍼灸師でもあるアイキャンスタッフのナプサ(右)】


【頭のツボを確認しあうお母さんたち】


【実技トレーニングの様子】

ジョセフィンさん:
「指圧の研修は大きな学びでした!身体のツボを知る事により、より効果的なヒロットを施すことができるようになりました。また、ヒロットのような伝統療法が価値あるものである事に改めて気がつくことができました。これからはヒロットであることを誇りに思えます。」

身近で当たり前なモノほど、その価値を見落としてしまうことがあります。先住民族の素晴らしさを彼女たちと共に気づき合うことは、外からの視点を持つアイキャンの役割の一つなのかもしれません。

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