ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

演劇発表会「ジェネラルサントスの共生」

2009年11月20日 | ジェネラルサントスの子どもたち
たくや@ミンダナオ

アイキャンのミンダナオ第一事務所があるジェネラルサントス市は、フィリピンの地域語であるビサヤ語を母語とする住民、公用語であるタガログ語を母語とする住民、ブラアン語を母語とする先住民族など、異なる民族、宗教、文化を持つ人々が共存しています。それにもかかわらず、相互理解を促進する取り組みは限られており、子どもも大人も、差別や偏見、誤解を生じやすい環境に置かれてきました。

この状況に対して、アイキャンは昨年度、お互いのいいところを認め合う連続ワークショップを、子どもたちとともに行いました。

更に今年は、相互理解の経験をさらに多くの子どもたちと共有するため、子どもたちが「ジェネラルサントスの共生」をテーマに演劇を作るワークショップを行っています。

<リンク:演劇ワークショップ>
http://blog.goo.ne.jp/icanmanilaoffice/e/20dbc1b2a5c11c8b24ff85a8bf972b15

このワークショップを経て、子どもたちは演劇の発表会をジェネラルサントス内の学校で行っています。


導入のブラアン伝統ダンス。「海で泳ぐ人」を表現。

その内容は、タガログ・ビサヤ・ブラアンと異なる背景を持つ3人の女の子が、それぞれが抱える事情からジェネラルサントス市内に引越してき、その学校初日の様子です。それぞれが差別や誤解からクラスメイトと喧嘩してしまい、その相手とともに校長室に呼ばれてしまいます。しかしそこでの話し合いから、お互いの違いを認め合う大切さに気がつき、仲直りします。


主人公の一人である先住民ブラアン出身の女の子。山での生活が厳しさを増し、ジェネラルサントス市内に引越すことになり、悲しみに浸ります。


途中、事前に撮影した映像の上映。よくある差別や誤解から生じる口論の様子を描く。


校長室内で口論を続けるビサヤの女の子。


仲直りの様子を真剣な眼差しで見守る子どもたち


最後は自分たちが作詞した詩の朗読やダンスで劇は終了します。


「たとえ違いはあっても、みんな友達であるべき。だって私たちは皆同じフィリピン人。私たちは一つです。」と感想を述べてくれたシャイラちゃんは小学校6年生です。こうして劇を鑑賞してくれている子ども達の意識を変えていきます。


『サインを求められるなんて初めて!自分に自信を持つことができました。』と述べる役者の一人のベイブちゃん。鑑賞側だけでなく、演じる側にも大きな学びとなったようです。

ジェネラルサントスの人々がともに平和に生きていく重要性を訴える子どもたちによるこの劇は映像記録され、市内の多くの子どもたちが「共に生きる」重要性を学ぶことができる学校教材となります。

奨学生たちが団結して、地域の課題を解決するために、学校を巻き込んでがんばっています。

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