ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

ミンダナオの山奥、給食校への道のり

2009年06月23日 | 先住民ブラアンの子どもたち
たくや@ミンダナオ

ICANは1996年よりミンダナオ島ジェネラルサントス市郊外の先住民族の子どもたちが住む小学校で、学校給食の事業をおこなっています。

今年からは5校に拡大して事業をおこなっているのですが、この日は、ICANのミンダナオ・ジェネラルサントス事務所から、私とシーナの2名が新規校の1つであるバゴンシラン小学校へ向かいました。ここは、ジェネラルサントス市中心部から最も山奥に位置し、ICANの給食事業校の中でも、一番アクセスが困難と言われている学校です。もちろん電気はありません。



(上の表札の右下に書かれているのがバゴンシラン小学校。ここからでも30キロ、片道3時間以上の道のりです。)

校長先生と一緒に市内を早朝に出発し、舗装された道路を走るのもつかの間、バナナのプランテーションが見えてきます。この砂利とバナナと青空しか見えない道をひたすら走り、山のでこぼこ道に入ってきます。橋のない川を渡り、急斜面をバイクを押して歩くことを繰り返すうちに、途中馬に乗ったバゴンシラン村長とも会いました。













(上の写真で、真ん中の青い服を着ているのがICANスタッフシーナ、周りは先生や村の方々です。)

そして、ようやく4つ目の川と5つ目の丘を越えたところで、バゴンシラン小学校に到着です。町の人がこの村を訪れることはほとんどなく、村のみんなも歓迎してくれました。



このバゴンシラン小学校に通うのは主にブラアンと呼ばれる先住民族出身の子ども達で、そのほとんどの家庭が厳しい状態に置かれています。子どもたちは、朝ごはんに「キャッサバ」と呼ばれるお芋を食べ、1時間以上歩いて谷を越え、学校に通ってきます。家から昼食として持ってこれる食べ物がない日は、ひたすら空腹を我慢して授業を受けることになります。そのため、子どもたちは学校に通う意欲が保てず、休みがちになってしまったり、さらに幼い子どもは空腹に耐えることができないので、入学自体を断念してしまいます。



教育を受けることができないと、将来さらに生活は困難な状況になり、空腹は続きます。この負の連鎖を断ち切るために、この日は1学期から始まる学校給食活動の計画の確認と、同時に開始する収入向上の活動について、地域の母親たちとミーティングを行いました。また、子どもたちからもいろいろなお話を聞かせてもらいました。



(村のこども(左)とわたし(右))

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ミンダナオ島の子どもが幸せになれるように、ICANでは3つの事業を行っています。会員になっていただける方、ご寄附をしてくださる方を募集しています。

1、ブラアン族の子どもたち(特に募集中!)
http://www.ican.or.jp/gensan_feeding.html
2、紛争地の子どもたち(特に募集中!)
http://www.ican.or.jp/pikit.html
3、ジェネラルサントス市内の子どもたち
http://www.ican.or.jp/gensan.html

子どもたちの教育環境を向上させる「書き損じはがき」も募集中です。
http://www.ican.or.jp/kakisonji.html