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赤福:名古屋の直営2店、12日に営業再開 

2008-02-11 18:28:53 | Weblog
赤福:名古屋の直営2店、12日に営業再開 2008年2月10日 毎日
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080210k0000m040120000c.html
 消費期限偽装問題で営業禁止となり、6日に営業を再開した和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)は9日、名古屋市内の直営2店で12日から営業を再開すると発表した。これで直営20店舗中5店舗が再開することになる。
 営業を再開するのは、ジェイアール名古屋タカシマヤ(名古屋市中村区)と松坂屋本店(同市中区)にある直営店「赤福茶屋」。両店舗とも店内での食事がメーンだが、混雑を避けるために持ち帰り用の2個入り商品(購入は1人3箱限り)を販売する。
 赤福は名古屋市内での営業再開に当たり、三重県の伊勢保健所と名古屋市の中川保健所に集配業務の再開予定の報告書を提出し、受理された。残る直営15店舗の再開について赤福は「現在行っている直営店の入居先などとの話がまとまれば、供給能力と相談しながら順次再開したい」としている。
 赤福の名古屋営業所は1月28日、菓子製造業の廃業届を中川保健所に提出。営業再開後は配送拠点となる。


 地元3店体制で、販売を再開した赤福ですが、12日から新たに名古屋市内の百貨店に入っているテナント2箇所で営業を再開するようです。
 もっとも6日の販売再開直後に、ヤフーのインターネットオークションに700円の品物が2000円で出展される騒ぎがあったせいか、購入は1人3箱限りという制限がつくようで…。
 まあ、地元の店舗ならば、在庫と相談しながら車ですぐに供給することもできますが、さすがに名古屋となると届けるまで時間もかかりますし、便乗犯が出ることを恐れたのだとは思いますが、ただ個人レベルでも本当に赤福餅が好きな方にとっては、家族の分も含めて3箱というのは、少し制限が厳しすぎる気もしなくもありません。(個人的には制限をかけるなら5箱くらいかな…と思っていました)
 いずれは近鉄沿線各駅や他の主要な販売所でも購入できるようになると思いますが、それまでは、この購入制限は続きそうですね。

「18歳で成人」の是非検討、鳩山法相が法制審に諮問へ

2008-02-11 18:26:32 | Weblog
「18歳で成人」の是非検討、鳩山法相が法制審に諮問へ 2008年2月5日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080205AT3S0500805022008.html
 鳩山邦夫法相は、民法で「20歳以上」となっている成人年齢を「18歳以上」に引き下げるべきかどうかの検討を13日の法制審議会に諮問する方針だ。2009年をめどに結論を出す。結婚、飲酒・喫煙など社会生活のみならず、さまざまな商取引のあり方にも影響する問題だけに賛否が分かれている。
 昨年5月に成立した国民投票法(憲法改正手続き法)が投票年齢を「原則18歳以上」と規定。付則で公職選挙法や民法などについて「(2010年5月の法施行までに)検討を加え、必要な措置を講じる」と明記していた。


 犯罪が低年齢化する中、成人年齢を再検討することは一理あるとは思いますが、問題は成人とみなされると、法契約まで一人前扱いされて、取り消しが効かなくなることでしょうね。
 詐欺商法で食べている人にとって、親から離れて生活することで浮かれている新入生程騙しやすい人間はいませんし、『未成年』という区切りは、そういった大学1年生にとって最後の砦的存在だったと思うのですが、もしこの議論を進めるならば、『自分の身は自分で守る』という大人の社会では当たり前のことを、どう学校教育の中に導入していくかが、重要な課題になると思います。
 鳩山弟に果たしてそこまでの覚悟はあるのでしょうか???

ハナマサ、スーパー半数一斉閉鎖・支援企業探し急ぐ

2008-02-11 18:24:00 | Weblog
ハナマサ、スーパー半数一斉閉鎖・支援企業探し急ぐ 2008年2月6日 
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080206AT1D0504O05022008.html
夕刊フジ http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_supermarket__20080206_2/story/06fuji320080206015/
 業務用スーパー「肉のハナマサ」を展開するハナマサ(東京・港)は、全102店のほぼ半数にあたる47店を今月12日に閉鎖する方針を固めた。同社は過去4年に約40店を出す拡大路線を取り、売上高は年1、2割ペースで伸びてきた。ただ過去5年で二度の最終赤字となるなど利益面では厳しい状況だった。月内にも資金、経営の両面での支援企業を探し、経営再建をめざす。
 チェーン店が一斉に大量閉店するのは異例。閉鎖店舗は東京・多摩地域を中心に首都圏の一都四県(茨城県を含む)にある。飲食店など業務用の買い物客が多い都心部の店舗と違い、一般客がほとんどで売り上げが伸びなかった。


 このハナマサなるお店ですが、一応業務用スーパーを名乗ってはいるものの、店頭の品揃えは業務用から家庭用を想定したものまで、 よく言えば品揃えを充実、言葉を飾らずに言えば、どの顧客層を狙うのかよくわからない商品構成 にしてしまった結果、『業務用スーパーを名乗る割には安くない』という致命的な悪循環に陥ってしまったことに加え、昨年春ごろから強まった中国産食品への消費者の買い控えの影響で中国産食品の入れ替えをしたことで仕入れコスト上昇を招き、加えて原油高に伴う原材料費の上昇するなど経営が急速に悪化。結局チェーン店の半数近い47店を閉店することで、支援企業を探しながら経営再建を図るようです。
 もっとも、会社のHP(http://www.hanamasa.co.jp/)を見ると、未だにFC加盟募集の広告を出している(11日現在)など、ちぐはぐさも目立ち、どこまで本気で経営を建て直す気があるのか、傍から見ていてかなり疑わしいものがありますし、これでは支援を要請された側も不安で、余程の事情がなければ引き受けることは難しいのではないでしょうか。
 小野社長は、『都心の店は黒字ですからね。いろんなところから声もかけてもらえるだろう(フジ記事)』と随分楽観視しているようですが、こんな時だからこそ、ネットの世界での顔でもある会社のHPの更新は大事にしたいところですし、もし私が支援候補先の担当者の立場ならば、こういう細かなところに気を配っているかどうかも支援するかどうかの判断材料の一つにしますけどね…。

米系投資ファンドのスティール、アデランス経営陣退陣迫る

2008-02-11 18:18:33 | Weblog
米系投資ファンドのスティール、アデランス経営陣退陣迫る 2008年2月8日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080208-OYT1T00366.htm
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080208/biz0802081151005-n1.htm
毎日夕刊 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080208k0000e020048000c.html
 米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンは8日、かつら最大手アデランスホールディングスに、岡本孝善社長など現経営陣の退陣を求める書簡を送ったと発表した。スティールは発行済み株式の約23・7%を保有する筆頭株主。
 スティールは株式非公開化による経営再建や役員派遣などを提案した。アデランス側が提案を拒否しながら業績低迷が続いていることなどを理由に挙げ、「効率的な経営を行う能力があると信じることができない」などと主張している。
 07年5月に行われたアデランスの株主総会で、スティールは会社側提案の買収防衛策導入に反対したが、賛成が54・7%と過半数を獲得し、小差ながら導入が決まった経緯がある。
 取締役選任は総会出席株主の過半数の賛成(議決権ベース)で可決できるため、スティールが今年の総会で、自ら選んだ候補者を取締役に送り込むための株主提案をする可能性もある。

米スティール、総会へ揺さぶり・アデランス経営陣の退陣要求 2008年2月9日
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080208AT1D0809V08022008.html
 米投資ファンドのスティール・パートナーズと、同ファンドが約25%の株式を保有するアデランスホールディングスとの対立が再燃してきた。同ファンドは8日、アデランスに対して抜本的な経営改善と岡本孝善社長をはじめとする経営陣の退陣を求める書簡を送付。5月の株主総会をにらんで両社の攻防が今後、激しくなりそうだ。
 同ファンドが問題視するのが業績の急激な悪化。2008年2月期のアデランスの連結営業利益は前期比57%減の35億円と2期連続の減益となりそう。トップシェアの国内かつら事業が最大の収益源だったが、同2位のアートネイチャーの攻勢で苦戦。テレビ広告の強化や新商品投入も新規顧客の獲得につながらず、経費の負担増が収益を圧迫している。
 スティールはこれまでも株式の非公開化やスティール代表を社外役員として迎え入れるよう求めたが、すべて拒否されたと主張。同業他社との経営統合や、現経営陣の退陣を検討すべきだとした。スティールが投資先の経営陣の退陣を求めるのは初めて。(08日 23:00)



 大株主が経営陣に退陣を迫っている事例としては、市場の株を買い集めて筆頭株主(13.10%)になったイー・アクセスが、その翌日! にアッカ・ネットワークスに対して、木村正治社長など常勤取締役3人全員を退任させ、イー・アクセスから取締役の過半数を占める4人の選任を求めることを求めています(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/bbf8e2c7cedf764517c5f56f3d3dc5be)が、スティールパートナーズもとうとう強行手段をとってきましたね。
 まあ、同じスティール関連銘柄と言っても、業績好調な日清食品や天竜製鋸などと、アデランスを単純比較するわけにもいきませんし、確かにアデランスの業績は悪く改善の見込みも薄いのですが、スティールの場合、具体的に企業業績を改善させた実績が(少なくとも日本では)ありませんし、今度は主要株主はどう判断するのでしょうか。
 企業の買収防衛騒動の時もかなりの接戦でしたし、一歩間違えば、業績や経営陣に不満を持つ株主の一部がスティール側につく可能性も決して否定できないだけに、目が離せなくなりそうです。

ヤフー、マイクロソフトの買収提案拒否へ・米で報道

2008-02-11 18:16:06 | Weblog
ヤフー、マイクロソフトの買収提案拒否へ・米で報道 2008年2月11日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080210AT1D1000910022008.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080210-OYT1T00379.htm?from=top
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080210/biz0802101754002-n1.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/biz/news/20080211k0000m020037000c.html
朝日 http://www.asahi.com/business/update/0210/TKY200802100001.html
 米ヤフーがマイクロソフト(MS)からの買収提案を拒否する見通しであることが9日明らかになった。複数の米メディアが報じた。1株31ドルの買収価格が不当に低いとして、11日にMSに提案拒否を通知するという。MSはインターネット事業でのグーグル追撃にはヤフー買収が不可欠とみており、買収価格引き上げなどで対応する可能性がある。
 報道によると、ヤフー取締役会はMSの買収提案について「ヤフーを著しく過小評価している」と判断。最近の株価低迷を利用した低価格の提案だとして拒否する意向だ。詳細はMSへの回答書で示すが、1株40ドル以下では交渉に応じない考えという。日本経済新聞の取材に対し、ヤフーは「取締役会の動きは話せない。憶測にはコメントしない」としている。


 マイクロソフトが米ヤフーに買収提案していた一件ですが、米ヤフーは買収提案を拒否するようです。
 もっとも拒否の理由がいかにもアメリカらしく、買収金額が低すぎるからだとか…。マイクロソフトとしては、ここまで買収話が世間に知れ渡ってしまった以上、(グーグルに追いつくためにも)どうしても米ヤフーを欲しいでしょうし、敵対的TOBの可能性と共に、買収金額を引き上げてくる可能性もありますが、もし米ヤフー側が希望する金額を出してきたら、米ヤフーは会社を売却するつもりなのでしょうか???
 ごくごく個人的な印象では、中央集権的なマイクロソフトと自由闊達な米ヤフーとでは社風が合わず、強引に買収しても肝心の人材が離脱してしまい、技術は残ってもその技術を使いこなせる人材がいなくなってしまうということにもなりかねないと思うのですが、マイクロソフト側が次にどのような手を打ってくるか要注目です。

ああ、役所の無駄遣い ニュース2本

2008-02-11 18:13:29 | Weblog
サボテン、高級自転車…唖然、大阪市裏金の使い道 2008年2月5日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080205/crm0802051116017-n2.htm
 大阪市の裏金問題で、同市東住吉区の歴代の選挙担当者が公費から捻出(ねんしゅつ)した裏金5110万円の使い道を示した「差引簿」のなかには、サボテン(平成6年6月、1000円)、高級自転車(6年3月、4万1000円)、ビタミン剤(7年3月、2600円)など、公費として認められがたい項目が多数記載されていることが分かった。
 同区役所の裏金の支出を記載していた「差引簿」によると、支出が明らかに不適当とみられる項目は、裏金作りが始まったとされる3年から支出のピークだった7年前後にかけてが多い。工業調査員(犬かまれ)見舞い(3年4月、2200円)、盆栽植木(5年6月、7380円)、観葉サボテン台(5年10月、4510円)、ボウリング宴会(6年2月、4万7500円)、ボウリング帰りのタクシー代(6年3月、3103円)、野球場借上賃(6年6月、3000円)-なども支出項目として明記されていた。
その後、同区役所では、14年度に223万円だった支出が15年度には24万円まで激減したうえ、支出項目も地域振興会助成金(15年9月、50000円)、委員会お茶代(15年8月、26720円)など公費での支出にかなうような項目が目立つようになり、組織的に裏金の支出に一定のブレーキが働いたことをうかがわせる。しかし選挙うちあげ(12年12月、12万4453円)などには、相変わらず支出されていたようだ。
 18年3月には、通帳自体が解約され、現金は区役所の金庫に保管されており、不適切なプール金との認識は強まっていたとみられる。
 一方、差引簿では計5110万円の裏金のほぼ全額が公金から捻出されたことになっていたが、捻出手法は、架空や水増しされたとみられる消耗品費、食糧費2200万円、アルバイト賃金1370万円、統計調査員手当や統計調査関係費など1270万円-などとなっていた。
 市幹部は「現在の公金支出の感覚から言えば、恥ずかしい項目が並んでいるが、当時としては罪悪感はそれほどなかったのではないか」と話している。

平成元年からマッサージチェア23台購入 道路特定財源で国交省 2008年2月5日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080205/plc0802051433005-n1.htm
 冬柴鉄三国土交通相は5日の記者会見で、国交省職員が使用するマッサージチェアやカラオケセットを、揮発油税などを原資とする道路特定財源を使って少なくとも平成元年度ごろから購入していたことを明らかにした。14年度以降の購入実績はないが、冬柴国交相は「国民から不適当と評価を受けるようなものはやめる」と改めて強調した。
 国交省によると、マッサージチェアは元年度ごろから13年度までの間に、災害対応時の職員の疲労回復名目などで計23台(1台20万円)を購入していた。カラオケセットは9年度に1台買い、いずれも地方の国道事務所で使用していた。
 17年度に通達で特定の個人が使用するものは買わないよう徹底したという。
 道路特定財源をめぐっては、スポーツ用具などを19年度まで購入していたことが判明。国交省はこうした経費への支出中止を既に決めているが、冬柴国交相は1月25日の記者会見で「電動マッサージ器のような過大なものはどうかと思うが、保険料などでぜいたくな物を買った社会保険庁とは全然違う」と述べていた。



 はぁ…。税務署は企業の損金算入を容赦なく税務否認する(損金参入を認めない)のに、同じ公務員グループの大阪市や国土交通省は、サボテンや高級自転車・ボーリング宴会や帰りのタクシー代など(大阪市)や、マッサージチェアやカラオケセット(国土交通省)を 人の税金使って購入ですか…(呆れ
 「現在の公金支出の感覚から言えば、恥ずかしい項目が並んでいるが、当時としては罪悪感はそれほどなかったのではないか(大阪市)」「電動マッサージ器のような過大なものはどうかと思うが、保険料などでぜいたくな物を買った社会保険庁とは全然違う(国土交通省)」といった言い訳が出てきているようですが、常識的に考えてもおかしいと受け止めるべきでしょうし、もしそう思えないのならば、金銭感覚が相当おかしくなっていると一喝されても文句は言えないのではないでしょうか。
 大阪市などはそれでなくても財政難で苦しいのに、こんなところからお金が漏れていては、いくらお金があっても足りないのは当たり前のこと。大阪市の平松新市長には、この手の無駄を徹底的に洗い出して欲しいと心から願います、

岩国市長選 米軍機容認の福田氏初当選 反対の前職破る

2008-02-11 18:09:18 | Weblog
岩国市長選 米軍機容認の福田氏初当選 反対の前職破る 2008年02月11日
朝日 http://www.asahi.com/politics/update/0210/SEB200802100009.html
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080210AT3S0901210022008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080210/plc0802102319007-n1.htm
読売 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20080210-OYT1T00614.htm
毎日 http://mainichi.jp/select/today/news/20080211k0000m010087000c.html
 在日米軍の再編に伴う厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)への空母艦載機部隊移転の是非が争点となった山口県岩国市の出直し市長選が10日投開票され、移転容認派が擁立した前自民党衆院議員の新顔福田良彦氏(37)が接戦の末、移転に反対する前市長、井原勝介氏(57)を破り、初当選した。これで05年秋以降膠着(こうちゃく)していた移転計画が進むのは確実で、当初の国の予定通り14年までに完了する可能性が高まった。当日有権者数は12万1717人、投票率は76.26%(前回65.09%)。
 艦載機移転は05年10月に日米両政府がまとめた米軍再編の中間報告に盛り込まれたが、井原氏は「住民生活に大きな影響を与える。容認できない」と反対を表明。その後、06年3月の住民投票でも反対が87%に上り、周辺町村と合併後の同年4月の市長選でも井原氏が自民党推薦候補らに圧勝した。出直し選は、圧倒的な勝利で移転容認派が多数の市議会をねじ伏せることを狙った井原氏が仕掛けた。移転問題で3度目の民意を問う機会となった。
 選挙戦で井原氏は移転問題に焦点を絞り、06年市長選の再現をめざした。だが、市庁舎建設補助金35億円を国からカットされ、市議会との対立も深まる中、市政の混乱を嫌う市民に背を向けられた。
 一方、福田氏は地元商工会議所会頭を含む経済界や移転容認派市議らの要請を受け、出馬。「国とのパイプ」を強調し、10年間で134億円に上る米軍再編交付金の活用や、基地の軍民共用化の実現を訴えた。
 政党の推薦は受けなかったが、自民党が全面的に支援。06年市長選では、移転に反対していたため自主投票だった公明党県本部が、今回は福田氏を支援。市を真っ二つに割った接戦を制した。
 福田氏は当選確定後、「相手陣営の意見にも耳を傾け、市民の心を一つにしていかなければならない」と語った。
 岩国市の将来を決める重要な選挙となった上に、99年以来3度の市長選で負け知らずの井原氏と、市議選、県議選、衆院選とこちらも99年以降不敗の福田氏のともに知名度の高い候補者の一騎打ちとなったため、市民の関心は高まった。投票率は、期日前投票が前回より約2倍に増えたこともあり、11.17ポイントも伸びた。

福田氏勝利で米軍再編に弾み 岩国市長選 2008年2月11日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080211/stt0802110028001-n1.htm
 米空母艦載機移転の是非を問う山口県岩国市長選で、前自民党衆院議員、福田良彦氏が移転反対派の井原勝介前市長の再選を阻んだことにより、3年余り膠着(こうちやく)状態だった米軍再編に弾みがつくことは確実だ。政府・与党には追い風となったが、福田氏辞職に伴う4月の衆院補選(山口2区)は福田康夫首相の半年間の政治手腕を問う中間選挙的な色彩を帯びることになりそうだ。(加納宏幸)
 自民党の伊吹文明幹事長は10日夜、「わが国の安全保障と日米関係の重要性に照らしても選挙結果が持つ意味は大きい」とコメントした。
 福田氏の当選により、艦載機移転問題が動き出すことは確実だ。平成17年秋の米軍再編に関する中間報告では、岩国飛行場に米軍厚木基地の艦載機59機を移し、沖縄・米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の空中給油機(KC130)12機を移す計画となっており、この移転問題が決着すれば、「普天間飛行場移設問題などがドミノ現象で動き出す可能性もある」(防衛省筋)とされる。
 福田氏が福田首相と同じ町村派に所属し、国と市のパイプが太くなることも移転問題には好影響となりそうだ。
 安倍晋三前首相ら山口県選出国会議員は1月中旬、党本部に集まり、艦載機移転問題を争点にしないため、国会議員は表に出ない方針を確認。合わせて水面下で地元財界への強力に働きかけを続け、告示前圧倒的に優勢だった井原陣営の切り崩しに成功したようだ。
 一方、福田首相にとって初の国政選挙となる衆院山口2区補選は、20年度予算案をめぐる与野党攻防の影響を色濃く映す選挙戦となりそうだ。加えて山口県は安倍氏や高村正彦外相ら大物議員がひしめくだけに候補者選考は難航も予想される。
 最有力は林芳正参院議員(47)=山口選挙区=のくら替えだ。ただ、林氏の地盤は安倍氏と同じ山口県西部であり、東部の山口2区とは地縁が薄い。
 一方、岩国周辺は岸信介元首相の地盤。岸氏の孫であり、安倍氏の実弟の岸信夫参院議員(48)=同=の出馬を求める声も地元では根強い。林、岸両氏が公認を争う事態になれば、安倍氏らは板挟みとなり、思わぬ政局に発展しかねない。
 また、3月15日までに林氏か岸氏が議員辞職すると衆参ダブル補選となる。16日以降に辞職すると秋の参院補選となるが、党執行部はどちらが有利か、厳しい判断を迫られることになる。
 一方、民主党は前回衆院選で福田氏に敗れ、比例復活した平岡秀夫衆院議員(54)がすでに補選出馬を表明。平岡氏は過去2回自民候補を破るなど強固な地盤を持ち、艦載機移転問題が補選でも再び争点となる可能性は高い。

基地問題抱える街に波紋 岩国市長選は容認派が勝利 2008年2月11日 産経
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080211/plc0802110006000-n1.htm
 山口県岩国市長選で10日、米空母艦載機移転に賛成の福田良彦氏の当選が決まったことは、同様に在日米軍再編問題を抱える沖縄県名護市や神奈川県座間市の関係者に波紋を広げた。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、キャンプ・シュワブを抱える名護市。反対派のヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は「国には盾突けないという影響が全国に波及しないか」と心配する。
 政府案より滑走路位置を沖合に修正するよう求めている島袋吉和市長は「われわれは国と移設受け入れの基本合意を交わしている。(岩国市とは)立場が根本的に違い、影響はない」と強調。
 市幹部や保守系市議も「交付金目当てに名護市が沖合修正という要求を引っ込めることはない」と口をそろえた。
 キャンプ座間への米陸軍第1軍団の新司令部移転に反対する座間市の星野勝司市長は「他の市長選の結果で座間市の基本姿勢は何も変わらない」と静観の構え。
 だが米陸軍は昨年末、地元自治体の反対を押し切り新司令部を発足させるなど計画を着々と進めている。一部の市民からは国との条件闘争を求める意見も。
 市民団体「キャンプ座間への米陸軍第1軍団の移駐を歓迎しない会」の金子豊貴男事務局長は「反対運動はこれからで、一喜一憂せずに問題に取り組んでいくことが大事だ」と主張している。




 岩国市長選といえば、井原市長派が米軍基地の移転に反対した影響で、国から新市庁舎の建設補助金の約35億円の支給を凍結され、市長側が合併特例債で穴埋めする予算案が4度に渡り否決。市長選で基地受け入れの是非を問う形になりましたが、結局受け入れ容認派で、事実上自民党や公明党の支持も受けていた福田氏が47081票を獲得し、接戦の末、現市長の井原氏(45299票)を破りました。
 とはいえ、この選挙戦は35億円に上る建設補助金35億円を盾に国側が住民側に『基地を選ぶかそれとも借金を選ぶか』と圧力をかけたようなものですし、この補助金の凍結がなかったら結果はどうなっていたか…。
 そういう意味では、福田氏はいくら当選したとはいえ、完全に市民の気持ちを掴んでいるとまでは言えないでしょうし、この問題一つとっても、あまり強引なやり方を押し通せば反発を買うことは間逃れないものと思いますし、「相手陣営の意見にも耳を傾け、市民の心を一つにしていかなければならない」と福田氏の発言内容が慎重になったのも無理のないことではないでしょうか。
 それにしても投票率は76.26%ですか…(吃驚 与野党相乗りが崩れ、何かと話題になった先日の大阪府知事選でも得票率は48.95%ですから、今時投票率が50%を超えるというのも驚異的な数値ですが、ごくごく普通に行われている衆議院選挙や都道府県知事選挙でもこのくらいの投票率になるほど、地元の方が政治に関心を持つようになれば、お役所の無駄遣いもかなりなくなるのでは…といったことをついつい考えてしまいました。