小麦、4月から30%値上げ 農水省正式発表 2008年2月16日
朝日 http://www.asahi.com/life/update/0215/TKY200802150319.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080215/biz0802151648007-n1.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080215AT3S1501X15022008.html
農水省は15日、輸入小麦の製粉会社への政府売り渡し価格を、4月から30%引き上げる、と正式発表した。1トンあたり6万9120円にする。国際価格の高騰に伴う措置で、昨年10月の10%の引き上げに続く。上げ幅は第1次石油危機時の73年12月の35%に次ぐ。パンや菓子類、めん類がさらに値上がりする可能性が高く、農水省は1世帯あたり月に72円程度の支出増になり、消費者物価指数を0.03%分上げる影響があると試算している。
今度の4月の価格改定では、昨年6月から今年1月までの8カ月間の入札価格が反映されるが、輸出国の豪州が2年連続の大干ばつに見舞われたことなどから急上昇していた。
この結果、この間の平均価格に補助金分などを上乗せした価格は、1トンあたり7万3690円にまで上昇。昨年10月の改定時(5万3270円)に比べて38%の高騰になるが、国民生活への影響が大きいことから、8%分は政府が負担することにした。
日本で消費される小麦の9割弱は輸入。ほぼ全量を政府がいったん買い入れ、国内農家への補助金分などを上乗せして企業に売る仕組みで、価格改定は4月、10月の年2回ある。
パン、めん業界、再値上げ必至 小麦価格30%引き上げ 2008年2月15日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080215/biz0802151953012-n1.htm
4月からの輸入小麦価格の引き上げを受け、小麦粉を主な原料に使うパンやめん類などのメーカー各社は製品値上げに踏み切る公算が大きい。すでに昨年の2度にわたる小麦価格の引き上げによって、昨年末から今年にかけて多くの食品メーカーが製品値上げに動いており、再値上げが行われれば、家計や消費など広い範囲で影響が出ることは避けられない。
昨年の引き上げ幅に比べ、今回は30%と大幅。仮にすべてを製品価格に転嫁した場合、店頭価格が190円の食パンは、210円程度に値上げされることになる。
すでに食品メーカーは製品値上げの検討に着手していることを隠さない。日清食品は1月に主要商品の「カップヌードル」などの即席めんを値上げしたばかりだが、安藤宏基社長は今月1日の記者会見で「小麦が値上がりすると、再値上げせざるを得ない」と明言。製パン最大手の山崎製パン、飯島延浩社長も14日の会見で「年間8億円のコスト増になる」と説明し、昨年12月に続き、再値上げを検討していることを打ち明けた。
製パン2位の敷島製パンは「30%の値上げは影響が大き過ぎる」として対応を検討中。ただ、商品を扱うコンビニエンスストアからは「業界トップが値上げを表明すれば、他のメーカーも追随して値上げするのでは」と、値上げを懸念する声があがっている。
イオンやイトーヨーカ堂などの流通大手は、低価格を売り物に、自らが企画したプライベートブランド(PB)商品の品ぞろえを拡充している。イオンは昨年11月にPB商品で値下げに踏み切ったが、食パンの売れ行きは前年同期比3倍以上となっている。相次ぐ食品値上げで、消費者の生活防衛意識は一段と強まるばかり。再値上げは「消費者がPB商品に流れる」(即席めん大手)きっかけとなり、売り上げにも影響しかねず、食品メーカーの悩みは深い。
山崎製パン社長、再値上げ「実施せざるをえない」 2008年2月15日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080214AT1D1408Z14022008.html
食パン最大手、山崎製パンの飯島延浩社長は14日、昨年12月に続くパン商品の再値上げについて「実施せざるをえない」との見方を明らかにした。時期や値上げ率は未定だが、主原料の小麦で国際価格高騰の影響が避けられないとしている。食パン市場で3割強のシェアを持つ同社が再値上げすれば、敷島製パンなど各社も追随する公算が大きい。
政府は15日にも製粉会社への小麦売り渡し価格引き上げを公表する見通し。製粉・パンなど関連業界は30%前後の引き上げを予想している。山崎製パンでは毎月8億円ほどのコスト増につながるため「放置できない」(飯島社長)とした。
輸入小麦:価格30%上げ 高騰は構造的、食品業「存亡の機」 2008年2月16日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080216ddm002020152000c.html
農林水産省が15日決めた輸入小麦売り渡し価格の30%引き上げは、多くの食品の値上げにつながり家計を直撃するのが確実だ。小麦の国際価格は高水準が続く見通しで、10月に売り渡し価格の再引き上げも予想される。そんな中で食品メーカーはどこまで製品価格に転嫁できるのか頭を悩ませている。
「穀物相場の高騰は一過性のものではない」--。村上一平・日清製粉グループ本社社長は、小麦の国際価格が当面、高止まりすると見ており、製品価格への上乗せは不可避だと言う。バイオ燃料用の需要拡大や中国などの経済成長、地球温暖化が背景と見られる干ばつなど、高騰の背景にある要因はどれを見ても構造的なものばかりだからだ。
政府売り渡し価格は改定3カ月前までの8カ月間の平均輸入価格を基準に決める。今回の改定は昨年6月~今年1月の平均を基準にしているが、この間に相場は急騰しており、仮にこれ以上の上昇がなくても今の相場水準が持続するだけで、次の改定時である10月時点の基準平均価格は、今回分より高くなる。20%以上の追加引き上げも必要になりそうな状況だ。
「一企業の努力ではどうにもならない。再値上げを検討せざるを得ない」(安藤宏基・日清食品社長)。今回の価格改定を受け、各社がさらなる値上げに踏み切るのは時間の問題だ。小麦粉などが主力の日清製粉では、原料の仕入れ価格が年間で約300億円増加する。小麦粉を主原料とする即席めん、パンなどのメーカーからも「値上げなしでは企業の存亡にかかわる」との悲痛な声が漏れる。
ただ各社は、昨年10月に小麦価格が改定された際、すでに十数年ぶりの値上げを実施済みで「ようやく新価格が消費者に浸透しつつあるところに、再値上げは強い抵抗を受ける恐れがある」(食品大手)と心配顔だ。山崎製パンの飯島延浩社長は「知恵を出さないと理解を得られない」と、値上げに合わせ、商品内容の見直しなどを検討する意向だ。
小麦が30%程度値上げになるのでは? という話はかなり前から伝わってはきていましたし、パスタ業界では既に大幅な値上げや分量を減らす動きが見られましたが、実際に農水省から正式発表があると、やはりショッキングですね。
で、仮にすべてを製品価格に転嫁した場合、店頭価格が190円の食パンは、210円程度に値上げされてしまうのですが、さすがにここまで価格が上がると大手スーパーのPBや100円ショップの安い食パンにお客さんが流れてしまう可能性もかなり現実的な問題として意識せざるを得ないのではないでしょうか。
まさか、1斤のサイズを小さくするわけにもいかないでしょうし、ハーフサイズなどを積極的に販売するなり大手ブランドも工夫はしてくるとは思いますが、パン専門店以外の食パンでも価格帯が2つに分かれる時代がそう遠くない日に訪れるのかもしれませんね。
朝日 http://www.asahi.com/life/update/0215/TKY200802150319.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080215/biz0802151648007-n1.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080215AT3S1501X15022008.html
農水省は15日、輸入小麦の製粉会社への政府売り渡し価格を、4月から30%引き上げる、と正式発表した。1トンあたり6万9120円にする。国際価格の高騰に伴う措置で、昨年10月の10%の引き上げに続く。上げ幅は第1次石油危機時の73年12月の35%に次ぐ。パンや菓子類、めん類がさらに値上がりする可能性が高く、農水省は1世帯あたり月に72円程度の支出増になり、消費者物価指数を0.03%分上げる影響があると試算している。
今度の4月の価格改定では、昨年6月から今年1月までの8カ月間の入札価格が反映されるが、輸出国の豪州が2年連続の大干ばつに見舞われたことなどから急上昇していた。
この結果、この間の平均価格に補助金分などを上乗せした価格は、1トンあたり7万3690円にまで上昇。昨年10月の改定時(5万3270円)に比べて38%の高騰になるが、国民生活への影響が大きいことから、8%分は政府が負担することにした。
日本で消費される小麦の9割弱は輸入。ほぼ全量を政府がいったん買い入れ、国内農家への補助金分などを上乗せして企業に売る仕組みで、価格改定は4月、10月の年2回ある。
パン、めん業界、再値上げ必至 小麦価格30%引き上げ 2008年2月15日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080215/biz0802151953012-n1.htm
4月からの輸入小麦価格の引き上げを受け、小麦粉を主な原料に使うパンやめん類などのメーカー各社は製品値上げに踏み切る公算が大きい。すでに昨年の2度にわたる小麦価格の引き上げによって、昨年末から今年にかけて多くの食品メーカーが製品値上げに動いており、再値上げが行われれば、家計や消費など広い範囲で影響が出ることは避けられない。
昨年の引き上げ幅に比べ、今回は30%と大幅。仮にすべてを製品価格に転嫁した場合、店頭価格が190円の食パンは、210円程度に値上げされることになる。
すでに食品メーカーは製品値上げの検討に着手していることを隠さない。日清食品は1月に主要商品の「カップヌードル」などの即席めんを値上げしたばかりだが、安藤宏基社長は今月1日の記者会見で「小麦が値上がりすると、再値上げせざるを得ない」と明言。製パン最大手の山崎製パン、飯島延浩社長も14日の会見で「年間8億円のコスト増になる」と説明し、昨年12月に続き、再値上げを検討していることを打ち明けた。
製パン2位の敷島製パンは「30%の値上げは影響が大き過ぎる」として対応を検討中。ただ、商品を扱うコンビニエンスストアからは「業界トップが値上げを表明すれば、他のメーカーも追随して値上げするのでは」と、値上げを懸念する声があがっている。
イオンやイトーヨーカ堂などの流通大手は、低価格を売り物に、自らが企画したプライベートブランド(PB)商品の品ぞろえを拡充している。イオンは昨年11月にPB商品で値下げに踏み切ったが、食パンの売れ行きは前年同期比3倍以上となっている。相次ぐ食品値上げで、消費者の生活防衛意識は一段と強まるばかり。再値上げは「消費者がPB商品に流れる」(即席めん大手)きっかけとなり、売り上げにも影響しかねず、食品メーカーの悩みは深い。
山崎製パン社長、再値上げ「実施せざるをえない」 2008年2月15日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080214AT1D1408Z14022008.html
食パン最大手、山崎製パンの飯島延浩社長は14日、昨年12月に続くパン商品の再値上げについて「実施せざるをえない」との見方を明らかにした。時期や値上げ率は未定だが、主原料の小麦で国際価格高騰の影響が避けられないとしている。食パン市場で3割強のシェアを持つ同社が再値上げすれば、敷島製パンなど各社も追随する公算が大きい。
政府は15日にも製粉会社への小麦売り渡し価格引き上げを公表する見通し。製粉・パンなど関連業界は30%前後の引き上げを予想している。山崎製パンでは毎月8億円ほどのコスト増につながるため「放置できない」(飯島社長)とした。
輸入小麦:価格30%上げ 高騰は構造的、食品業「存亡の機」 2008年2月16日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080216ddm002020152000c.html
農林水産省が15日決めた輸入小麦売り渡し価格の30%引き上げは、多くの食品の値上げにつながり家計を直撃するのが確実だ。小麦の国際価格は高水準が続く見通しで、10月に売り渡し価格の再引き上げも予想される。そんな中で食品メーカーはどこまで製品価格に転嫁できるのか頭を悩ませている。
「穀物相場の高騰は一過性のものではない」--。村上一平・日清製粉グループ本社社長は、小麦の国際価格が当面、高止まりすると見ており、製品価格への上乗せは不可避だと言う。バイオ燃料用の需要拡大や中国などの経済成長、地球温暖化が背景と見られる干ばつなど、高騰の背景にある要因はどれを見ても構造的なものばかりだからだ。
政府売り渡し価格は改定3カ月前までの8カ月間の平均輸入価格を基準に決める。今回の改定は昨年6月~今年1月の平均を基準にしているが、この間に相場は急騰しており、仮にこれ以上の上昇がなくても今の相場水準が持続するだけで、次の改定時である10月時点の基準平均価格は、今回分より高くなる。20%以上の追加引き上げも必要になりそうな状況だ。
「一企業の努力ではどうにもならない。再値上げを検討せざるを得ない」(安藤宏基・日清食品社長)。今回の価格改定を受け、各社がさらなる値上げに踏み切るのは時間の問題だ。小麦粉などが主力の日清製粉では、原料の仕入れ価格が年間で約300億円増加する。小麦粉を主原料とする即席めん、パンなどのメーカーからも「値上げなしでは企業の存亡にかかわる」との悲痛な声が漏れる。
ただ各社は、昨年10月に小麦価格が改定された際、すでに十数年ぶりの値上げを実施済みで「ようやく新価格が消費者に浸透しつつあるところに、再値上げは強い抵抗を受ける恐れがある」(食品大手)と心配顔だ。山崎製パンの飯島延浩社長は「知恵を出さないと理解を得られない」と、値上げに合わせ、商品内容の見直しなどを検討する意向だ。
小麦が30%程度値上げになるのでは? という話はかなり前から伝わってはきていましたし、パスタ業界では既に大幅な値上げや分量を減らす動きが見られましたが、実際に農水省から正式発表があると、やはりショッキングですね。
で、仮にすべてを製品価格に転嫁した場合、店頭価格が190円の食パンは、210円程度に値上げされてしまうのですが、さすがにここまで価格が上がると大手スーパーのPBや100円ショップの安い食パンにお客さんが流れてしまう可能性もかなり現実的な問題として意識せざるを得ないのではないでしょうか。
まさか、1斤のサイズを小さくするわけにもいかないでしょうし、ハーフサイズなどを積極的に販売するなり大手ブランドも工夫はしてくるとは思いますが、パン専門店以外の食パンでも価格帯が2つに分かれる時代がそう遠くない日に訪れるのかもしれませんね。