学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

夏の一日

2008-07-19 20:06:05 | 仕事
近頃、暑い暑いとばかり書いて、一向にブログの話題にはならないですね。しかし、実際にこう暑いと頭の中で文章がまとらまなくて、何を書いたらいいのかわからなくなってくる始末。

世間では3連休ですが、美術館は関係なし。昨日から学生たちが休みになったこともあって、戸外からはにぎやかな子供たちの声が聞こえてきます。子供は元気だな、と思ってみたり。

今日は暑いところ、以前美術館へ作品を寄贈してくださった方がご夫婦でお見えになりました。近頃体を悪くされており、なかなか外出することができなくなってしまったとのこと。私が館内をご案内しますと、奥様が夕暮れ時の風景が描かれている絵の前で目をつぶっていらっしゃいます。私がそばに行きますと、「私は夕日、落日がとても好きなんです。」とだけ、おっしゃって、その目は絵ではなく、どこか遠くを見ているようでした。

その方はどこを見ていたんでしょう。夕日は一日の終わりであり、どこか郷愁の念を誘うものです。昔の思い出を懐かしんでいたのでしょうか。それは私には到底わからないことです。

「また、まいりますから」と言って、ご夫婦はお帰りになりました。夏の一日。またどうぞいらして下さい、と私は心から思うのでした。
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