学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

ブリヂストン美術館『読むブリヂストン美術館』

2009-11-14 18:39:29 | 読書感想
『読むブリヂストン美術館』は、東京都京橋にあるブリヂストン美術館のカタログです。カタログといっても、展覧会のカタログではなく、自館の所蔵作品を紹介する内容になっています。

古代オリエントとギリシア・ローマから始まり、フランス近代絵画、版画、ピカソやブラックら20世紀美術、そして日本の近代絵画。石橋正二郎氏が生涯をかけて収集した作品を豊富な図版と丁寧な解説によって構成し、特に近代から20世紀美術まで続くアートの流れをたどることができる仕組みになっています。また、本からはコレクションを通して、多くの方々に絵を楽しんで見ていただければ、との美術館の想いが伝わってきます。それは館におられる学芸員の方々のコレクションに寄せる愛情と等しいともいえるのでしょう。

私が持っているカタログは、書き込みや読み過ぎでボロボロになってしまいましたが、おかげでとても勉強させていただきました。自館のコレクションをいかに魅力的に伝えるか、それは主に展覧会や図録、教育普及事業、あるいはインターネットを通してになるのでしょうが、絶えず意識して取り組むべきことだと、読むたびに思います。

●ブリヂストン美術館『読むブリヂストン美術館』2001年
コメント
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