空海が遣唐船に乗った折
遣唐使船第一船はさんざん風雨にもまれた後に
福州近辺に漂着する
予定していた到着地よりはずっと南である。
遣唐大使に代わって空海が書いたという上申書に
よって大使の入京が許可された
この本にはこおいう出だしで書かれている
国の熱意人の熱意を感じる
日本人の熱い摂取力の凄さを感じる

その折今度は自分の入京許可を得るために
福州観察使 閻済美(えんさいび)に宛てた
一通の上申書を提出する
空海才能不聞言言行無取
空海 才能聞こえず 言行取る無し
但知雪中枕肘雲峯喫菜
但だ雪中に肘を枕とし
雲峯(うんぽう)に菜を喫(くら)ふことのみを知る
私はこれを読んだとき論語の「肘枕」
すぐに論語で探した
述而第7にあった!
子曰く疏食(そし)を飯(くら)い
水を飲み、肘を曲げて之を枕とす
楽しみも亦其の中に在り
不義にして富み且つ貴き(たっとき)は
我に於いて浮雲の如し
これじゃね!
中国に渡った瞬間に自分の自己紹介
中国の知識官僚に自国のもっとも大切な学問書
「論語」の一節を“八文字”で~~現した

この観察使は意表を衝かれたに違いない
空海を前にしてこの“八文字”を何度も見たであろう

ズバリと切り込む空海の姿が目に浮かぶ

真剣な人ほどズバリと芯にあて
人の心に踊り込むものだと思う

今日はこんな話をしてみよう
今日も天気がいい
秋は春と違い空気が透明
山の稜線がくっきりしている
木々の中にいる動物も見えそうな
くっきり感

自然って
秋って
いいですね~

