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気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

風炉最後のお稽古は『炭付花月之式』と『濃茶付花月之式』を

2022-10-28 21:06:12 | お稽古
          円成寺浄土式庭園 2022.10.26
10月も後半に入り気温がグーッと下がり木々も色づき始め
むし暑かった夏が嘘みたいに爽やかな青空に

さて、茶道を学ぶ事は手前作法だけではなく精神面も大事な事とされ
両面の錬成を目標として七事式が作られたと教えていただきました

七事式は徳川中期に裏千家八代又玄斉一燈宗室宗匠は
兄である表千家如心斉天然宗左宗匠とともに
中国宋代の仏書(1125年完成)『碧巌録(へきがんろく)』の
 『七事随身』の精神を基に七事式を創定されました
            偈頌
七事とは 花月    互換機鋒看仔細
     且座    是法住法位
     廻り炭   端的底看聻 
     廻り花   色即是空凝思量即背
     茶カブキ 千古千今截断舌頭始可真美 
     一二三   修証即不無染汚不得 
     員茶      老倒疎慵無日 閑眠高臥対青山 

このように無学宗衍 の偈頌をあてはめ
禅機こそ精神的基調であるとされている

花月は七事式の中で最も変化に富み基本となる式
花月の偈頌「互換機鋒看仔細」とは
自分は客座に着いていても折据が回ってくれば
取り札により自席を立ち亭主となって
点前座につき点前を・・・・・・
このようにたえず座の動きを見極め
どのような変化があり運命が変わろうと動ずることなく
変化に応じて働きができるよう機鋒を仔細にみていなければ・・・

そこで風炉最後のお稽古は、平花月之式の次の段階に学ぶ式
といえる付物花月のひとつ「炭付き花月之式」「濃茶付花月之式」
を行いました

 秋明菊と水引        軸は豊作の喜び『寿楽』  
  

 お菓子は         青きな粉で作ったすはまの『枝豆』
 栗と安穏芋で『山苞』   琥珀糖の『お月様』 
  

花月の式も少しは楽しめるようになってきましたよね。

神無月のお稽古

2022-10-14 19:26:36 | お稽古
   
      (最後の睡蓮が一輪)
暑くて長かったマスクの夏
カレンダーが秋に入ってもしかり
神無月も中旬になり
一機に気温が下がったかと思えば
この週末も夏日になるという
でも週明けの雨の後、季節が一歩進み
冬はすぐそこにやってきてます
世界は一足早くノーマスクなのに
インフルエンザと新型コロナ第8波が心配で
日本人はなかなかマスクが手放せないようですね

神無月は風炉最後の月、「中置」の月です
中置は、寒くなって火が恋しくなってくる
この時期ならではのお点前で、客の方に火を近づけ
水を遠ざけるという亭主の心遣いの現れたものです

中置には、大板・五行棚をよく用います
この月ならではの「窶れ風炉」や「常盤風炉」などの鉄風炉には
小さな敷板を使いますが、水指、蓋置、柄杓、仕覆、建水
と勝手は大混雑となって
道具の置き方が難しくなるように思われますね

今年は「五行棚」を準備いたしました。
   

五行棚は玄々斉好みの一重棚で
焼杉の木目洗い出しの二枚板に竹三本柱の棚です
竹の柱は一つ節を向うに二つ節を客付、三つ節を勝手付に
他の棚と異なり地板に水指は置かず
土風炉を据えることが約束となっている
天板と地板の木、風炉中の火、土風炉の土
釜の金、釜中の水のすなわち木火土金水の五行を
納めるところからの名称です

中置のみに用いられ運びですので
湯返しはしません 
       *「裏千家茶道点前教則7中置」参照

お花は名残の月ですので、虫食いや枯れかかった葉も
大丈夫、帰り咲きの花、旬の花色々入れてみました

神無月の主菓子は「栗金団」 
栗の季節になるとついつい栗に手が出てしまいますが
栗仕事は大変、新鮮なうちに下処理をするか
そんな余裕がない時は
私はそのままジプロックに入れて冷凍保存
それを怠ると虫に食べられ悲しい事になってしまいます
        『栗金団』          
  

        『渋皮煮
 

ういろう皮で作った
    『』        『こぼれ萩
   

名残の月も明日で半分、もうすぐ『開炉』ですね
今日は開炉のお祝いのお善哉に入れるお餅をつきました
      

綺麗な丸餅にはほど遠いですが、どうぞお許しを!

茶箱のお稽古『和敬点』

2022-09-02 19:34:55 | お稽古
   
今年は利休居士の『生誕500年』
「茶箱」や「茶籠」は利休居士の時代500年ほど前
旅持ち野点として用いられたものですが・・・

    

現在は何処へ行ってもカフェやレストランなどあり
茶箱を携帯する必然性はありません

古く江戸時代には茶箱を多用されていたよう
しかし、一定の点前手続きはなかった
現在の茶箱の点前というと
裏千家十一代「玄々斎」が幕末に近い嘉永6年(1853年)
伊勢松坂に出張稽古に出かけられた折
『月』『雪』『花』点前を考案された
その後『卯の花点』も
その後十四代「無限斉(淡々斎)」が『色紙点』『和敬点』を

我が家の稽古場では『卯の花点』『和敬点』『花点前』
八月はこの茶箱のお稽古でした
  

その中でも『和敬点』ではこのようなお話
裏千家14代「無限斎(淡々斎)」と奈良の薬師寺橋本凝胤管主が
海軍省に陣中茶箱を寄贈された
その中の茶碗は富士山の絵の「赤膚焼」と
慶溢萬齢 』の文字が捺された「黄瀬戸」です

戦時中、どのような思いで寄贈され
戦地へ赴く方々は、どのような気持ちで受け
茶箱を使って御茶をいただかれたのでしょうか

そういえば、先年大規模解体修理がなされ
落慶法要の済んだ薬師寺東塔・相輪部の擦名に
福崇億劫 慶溢萬齢」と記されている
読は「さきはいはおっこうにたかく よろこびはばんれいにあふれむ」
意は「永遠の幸せ、限りない喜びが、ずっと続きますように

白鳳時代から1300年前も経て
時代は変わっても思いは同じですのに
戦争は・・・・今もどこかで

そんなことも心にとめながら和敬点のお稽古をいたしました
茶箱の中で唯一、出し古帛紗を使わず
二椀点で茶箱と同サイズの和敬板を使い
コンパクトで簡略な茶箱のお点前になりますね

お菓子はのし梅と鹿の子豆を散らした錦玉かん
もちろん振り出しには金平糖と珠玉織姫

例年通り葉月は「茶箱」のお稽古

2022-08-16 16:10:38 | お稽古
      残暑お見舞い申し上げます
   

立秋に入りますますまぶしい太陽、もくもく入道雲
バケツをひっくり返したような土砂降りの雨
災害の声もあっちこっちで・・・
それでも大きな虹を見つけて幸せな気分にも

今年の夏はコロナにめげず色々な行事が
復活できてよかった
   
三年ぶりの花火大会(北日本新聞納涼花火・富山)8/1 

   
       平瀬道から白山へ7/31

待望の白山登山も
妹と登山をするのは剣以来45年ぶり
平瀬道登山口を元気に出発!
   

2000m付近で足に痙攣をおこした妹も
白水湖のエメラルドグリーンの湖面と高山植物に癒されながら
   

室堂手前の急斜面では白山御前峰へと続くお花畑に感激! 
ハクサンフウロ、カライトソウやキスゲなどの群生
   

「ヨツバヒヨドリ・四葉鵯花」にアサギマダラが吸蜜し
   

そして急坂を上り切れば室堂平に
クロユリの大群落で黒紫色にさえ見えそうなぐらい 

   

「ハクサンコザクラ」の大群落にも会えました
本当に頑張って足を進めてよかった
    

    

白山御前峰は雲の中、白山御前峰へ向け登り始めるも
雨がポツポツきたので、室堂へ戻ることに
白山奥宮に参拝して、下山し無事平瀬道登山口へ
そして白水湖の湖面を眺めながらの露天風呂で
さっぱり、つやつやに

さて葉月の最初の稽古は お楽しみの「茶箱
   

お干菓子は『珠玉織姫(たまおりひめ)
   

紫野大徳寺前の松屋藤兵衛のもので
「織姫」と書かれた糸巻型の豆皿もついていました
西陣織の糸玉をかたどったお菓子だそうで
お店の近くには、西陣の業祖神である
織姫社のある今宮神社があり
本来は七夕のお菓子というわけではなく
西陣らしいお菓子として作られたそうですが
いつのまにかにその名前や色合いから、七夕菓子に
赤は梅、黄は生姜、白は胡麻、青は柚子、茶はシナモン
白蜜と寒梅粉を丸めたもの で以外に柔らかく
五種の味が楽しめ、五色の糸玉は織姫を彷彿させ
楽しく可愛いお菓子で茶箱の振り出しにもピッタリ
   

盆前には、ほぼ社中の皆さん一度は『卯の花点前』のお稽古が終わり
お盆を過ぎたら『卯の花点前』と共通点の多い
『花点前』のお稽古を予定しております

慌ただしく過ぎた文月

2022-07-29 18:28:49 | お稽古
文月」とは
書道の上達を祈って、短冊に歌や願い事などを書く
七夕の行事にちなんだ呼び方だといわれていますが

今年の文月は暑かったり、涼しくなったり
あっという間に梅雨が上がったと思えば
又梅雨のような日が戻ってきたり目まぐるしい天気が続き
気持ちが落ち着かないうちに文月も終わりそう
   7/23
   JR奈良線から大宮通りから若草山を望む
   
COVID-19感染症7波の事もありますが
夏の土用に入って最高に暑い日が続いている
この時こそはと、赤紫蘇漬にしていた「梅の土用干し
   
   
そういえば、記事『2022年・炉灰の手入れと「湿し灰」』で
洗って樽に入れてほっておいた「湿し灰」二樽は・・・
思い出して良かった
いい具合に乾燥しており、スコップで崩しながらの篩がけ
 

真夏の太陽のもとでのこれまでの苦行とは大違い
日が陰り涼しくなってから
サンル-ムでの30分くらいのお仕事に

でも・・・暑い毎日なので
なかなか前に進まず、未だ篩がけが残っている

そういうわけであっというまに文月が過ぎ  
7月最後のお稽古に
5人集まりましたので、久しぶりに「花月」を
初めての方もいらっしゃるので「平花月」になる
できたら3回、少なくとも2回はしたいと思っているが
どうなりますやら

主菓子も先ほど作りました
ミントリキュ-ルと鹿の子豆の錦玉かんを
観世水の型に流し『苔清水』と
   

奈良もCOVID-19感染症7波、真っただ中です
新しいエアコンに交換したので、襖を外し大部屋でも大丈夫
空気清浄機のプラズマクラスターも2台効かせ
換気も十分にして
静かなお稽古に励みましょう

半夏生の候 半夏生の花は? お稽古は名水点

2022-07-07 21:31:32 | お稽古
夏至から数えて11日目が『半夏生
半夏(からすびじゃく・烏柄杓 )が生える頃である
からすびしゃくって?
私が思っていた半夏生とは違っており
葉は白くならないし、花も目立たないが
薬草として古い時代に中国から持ち込まれたもの
   四季の山野草より

夏至の後に開花する習性より田植えを済ませる
目安にもなっていた半夏に相応しい草として
平安時代に『半夏』と称されていたのは
『からすびしゃく』の方だったのですが
いつのまにかドクダミ科の『かたしろぐさ』が
同じ時期に開花し見栄えがよく葉が白くなったところが
半分化粧をしているように見える事から
『半夏生』としての地位にとって変わったよう

木槿が咲きだす前に白く化粧をしてくれるので
お花を入れるのに大変重宝いたします
   

この季節には釣瓶の水指に注連を張り「名水点」が
季節を問わずできるお点前ですが
やはりこの季節になると思い出す
お水が美味しい季節になります

濃茶だけのお点前ですが
注連を外して釣瓶の水指とすれば薄茶もでき
この時期は洗い茶巾、葉蓋のお点前もいいですね

花入れは「宗全籠」 
水引、宗旦むくげ、藪茗荷、撫子、シモツケ草
   

茶碗は薄茶であれば
馬たらいやガラス、露草、朝顔、ホタル
など涼しげな茶碗にて

主菓子は七夕飾り金団で
   


水無月のお稽古

2022-06-25 21:09:57 | お稽古
奈良も梅雨に入り
我が家の庭にも夏の花が色々咲き出しました
山紫陽花、蛍袋、水引、撫子、縞葦、破れ傘
半夏生、蓼、藪茗荷・・・宗旦むくげ
   
花入れは『桂籠』
京都の桂川において、漁師が腰につけている魚籠を見た
利休居士がそれを花入れとして用いたという逸話は有名です

東大寺・大仏蛍(ゲンジボタル)も、姿をみせたようです
   

お稽古は洗い茶巾で涼を感じていただきましょう
主菓子は『紫陽花金団』『水無月』も作りました
   

6月30日「夏越しの祓い
近くの神社で夏越しの払いをしている神社は
春日大社、漢国神社、率川神社、御霊神社・・・と
あっちこっちでされていますが
茅の輪くぐりがあるのは
春日さんと率川神社だけのようです
春日大社は30日15時から2時間(二之鳥居横の祓戸神社にて執行) 
唯一「率川神社」のみが6月22日~7月8日まで設置されているようです
『茅の輪』は三度くぐり、お参りします
   率川神社

是非ともお参りして過ぎ去った半年の身に溜まった
穢れを落とし、これから半年の息災を祈願しなくては・・・
因みに、唱え詞は
一度目は
『水無月の夏越の祓ひする人は千歳の命延ぶといふなり』
二度目は
『思ふことみなつきねとて麻の葉を切りに切りても祓へつるかな』
三度目は
『宮川の清き流れに禊せば祈れることの叶わぬはなし』


麦秋のお稽古は「小麦粉饅頭」で

2022-06-06 22:06:23 | お稽古
今日6月6日は二十四節気の『芒種
芒(ノギ)のある植物=稲の種を蒔き
麦の刈り入れや田植えを行う目安とされます。

昨日までは小満末項『麦秋到(ばくしゅういたる)』
麦にとっては実りの季節となり
「麦の秋」「麦嵐」「麦の秋風」と
   

そして刈り入れが始まります

我が家の庭は『山紫陽花』『蛍袋』『縞葦』
   ホタルブクロ

『破れ傘』『河原撫子』『榊』『雪ノ下』『萩』
   ユキノシタ

今日花が咲き出した『水引』『桜蓼』
   
時期になるといつのまにか花が咲き・・・
顔がほころびますね

お稽古は長板を
長板は真台子の地板のみをを独立したもので
大は風炉用に用い、小は炉用に用います
長板は総荘りを原則としますが、
あまりお稽古していない『長板二つ置』を
今回はいたしましょう

軸は『清流無間断
とどまる事なく流れているからこそ清流
   

花は『山紫陽花』を二種と今日咲き出した『水引』を
手付きの籠にいれました

麦秋のお菓子は『木の芽小麦粉饅頭』を作り
ガラスと陶器の融合した「石垣焼」の器に載せて撮れば
コバルトブルーの川平湾を思い出す
   
  
お出しすれば
”木の芽の香りと刺激で美味しい”と
よかった!よかった!

小満の候 お稽古は

2022-05-27 20:16:18 | お稽古
5月21日は二十四節気の「小満」、
七十二候の第二十二候(初候)、第二十三候(中候)、第二十四候(末候)
この三つの候を含めても「小満」
この言葉の響きも大好き!

門扉の横にある薔薇の細木は葉をいっぱい蓄えて
今年こそは花が咲くのではと楽しみにしていたが
なんと『小満』に入りあっという間に
例年のごとく葉がなくなり枝だけに・・・・・
穴のあいた葉を目を凝らしてみると
小さな幼虫がむしゃむしゃ

七十二候、第二十二候初候「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」
蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃です
幼虫たちにとっても大好きな小満の若葉なのですね
この時期は雨も降るが晴天も続く
精気はみなぎり命が育まれていく季節です

先日訪れた「大和文華館」の庭も若緑がいっぱいで
『ササユリ・笹百合』もチラホラ咲きだしている
   5/24

お稽古の軸は茶道の四規の『和敬清寂
   

この四文字には利休居士が目指した
茶の湯の精神のすべてがあると
』調和と平和・・・和を以て貴しとなす
』相性の良し悪し、好き嫌いなどがあっても心から尊び敬う
』自浄 衣服や体の汚れには敏感ですが心のよごれには鈍感
』寂然不動の寂

今の私がわかる「和敬清寂」です
実行はなかなか難しい

花は『オオヤマレンゲ大山蓮華』に『河原撫子
ソウルの骨董屋で買った白磁の壺に入れました
   

お菓子は『燕子花
ゆり根餡、紫芋、安穏芋でつくる
   

風炉のお稽古の醍醐味は
柄杓の扱い
弓を置いて、引いて、放つがごとく
颯爽とできたら・・・いいですね

初風炉の稽古は心新たに

2022-05-14 21:50:53 | お稽古

利休居士が炉の点前を創作されるまでは
茶の湯は四季を問わずに風炉だけであったらしい
書院での台子の茶から草庵の茶へと移行する過程で
茶室に炉が切られるようになり
風炉の季節と炉の季節が定められた
亭主と客がやや向き合い、暖をとりあう炉から
夏に入り、やや他人行儀な風炉に変わる
  
初風炉になると気持ちを改め居住まいを正す
そんな気持ちに自然に思わせてくれる
『稽古とは一より習い十を知り十よりかへるもとのその一』
の利休道歌に倣い

初風炉のお稽古はまず割り稽古から始めましょう
  
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