細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『SOMEWHERE』 but nowhere

2011年01月26日 | Weblog
●1月25日(火)13-00渋谷<ショウゲート試写室>
M-009『SOMEWHERE』(2010) focus features 米
監督/ソフィア・コッポラ 主演/スティーブン・ドーフ ★★★☆☆☆
父親のフランシス・F・コッポラとの少女時代の感慨をセンチメンタルに描いたソフィアの追憶。
ハリウッド映画界の栄華と退廃の日々を、少女らしい眼で見た佳作だ。
ホテルで怠惰な生活をしている父の姿と映画界を、とくに批判するでもなく淡々と眺めたソフィアの視線がいい。
批判もしない。諦めもしない。同調もしない。
ただひとりのグータラな父親の野放図な生活をスケッチしているが、それが空気感となる。
まるでデヴィッド・ホックニーの絵画を見ているような白日夢の気怠さ。
実際にハリウッドのシャトー・マーモントや、サンセット・タワーのプールサイドに行くと、ああである。
ヘリコプターの音が頭上にあり、犬の糞の臭いがし、プールの反射が眩しい。大好きな時間だ。
ソフィアを演じるエル・ファニングの空気のような存在がいい。
しかし主人公のドーフが若すぎるのが不満。もしロビン・ウィリアムスが父親だったら、★4つである。

■太陽に入った打球がライトの視界を欺いてフェンスまでのツーベース。
●4月2日より、新宿ピカデリーなどでロードショー

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