細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『屍者の帝国』はフランケンシュタイン博士のゾンビものアニメかな・・?。

2015年09月23日 | Weblog

9月14日(月)10-15 日比谷<東宝本社11F。第2試写室>

M-118『屍者の帝国』" The Empire of Corpses " (2015) WIT studio, Project Itoh / Red juice / Toho animation

監督・牧原亮太郎 出演・V・細谷佳正 <120分> 配給・東宝映像事業部 

わずか34才で他界したという伊藤計劃のオリジナル小説は、2012年に日本SF大賞を受賞して、さらにあのSF作家フィリップ・K・ディック賞も受賞したという。

今回はその彼の3作を、連続で劇場アニメーションとして映画化した、その第一作というし、あの「進撃の巨人」のWIT studioが制作しているというので、拝見した。

19世紀末のロンドンで、医学生のジョン・ワトソンは<死者蘇生技術>の開発をすすめていて、多くの軍事薬品工場などの危険な研究開発での労働力として、進化が見込まれていた。

100年も前には、あのフランケンシュタイン博士が、開発に成功していた蘇生工学は進化して、そのマインドを持たない人造人間の過剰な労働力と運動能力は秘密兵器開発に匹敵。

しかしその秘密の開発技術は、「ヴィクターの手記」として封印されていたので、ワトソンは手がかりを探してアフガニスタンの奥地へと捜索のアドベンチャーが始まる、という想定。

シャーロック・ホームズのアシスタントだったワトソンが、インディ・ジョーンズのような冒険の旅に出るというなら、実写のほうが魅力があるのだが・・・。

ま、あのフランケンシュタインものは、昔からユニヴァーサル映画のボリス・カーロフ映画の看板テーマで、要するに「ドラキュラ」ものから、最近の「ウォーキング・デッド」のゾンビものの原点とも言えるテーマだ。

とても実写ものでは、また「進撃の巨人」ものと同様のヴィジュアルになりそうなテーマを、全編アニメーションにしたというから、その進化に期待して見たのだが、どうも120分は長過ぎた。

恐らく原作での<死者蘇生>には、もっと緻密な工程なども描かれていたのだろうが、いまのアニメーション世界でのヴィジュアルでは、この古典的なテーマでは驚きは少なくなる。

つまりドラえもんや、宮崎ジブリの世界で描いた人間の感情表現の映像では、かなりエキセントリックな転換を見せつけているので、ゾンビのアニメではびっくりしないという映像慣れもある。

今回の伊藤計劃プロジェクトでは、この作品のシリーズとして、以後、「虐殺器官」と「ハーモニー」も連作されているので、そのトータルとしての魅力は秘められているのだろう。

これからは「亜人」と称するヒット・アニメ・シリーズのバトル・サバイブ・サスペンスも別途公開予定というが、しかし、この一作目で、どうも、ごちそうさま、でした。という食欲不振になってしまった。

 

■左中間へのゴロだが、あらかじめショートよりのサードが好捕してアウト。 ★★☆☆☆

●10月2日より、東宝系ロードショー  


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