細越麟太郎 MOVIE DIARY

最新の映画情報や批評を掲載します。

●シネマッド・ジャズ・カフェ、今夜もサンセット・ビーチに開店。

2011年07月31日 | Weblog

●映画とジャズのFMサウンド・カフェ●
『シネマッド・ジャズ・カフェ』CINEMAD JAZZ CAFE(FMたちかわ/84−4mhz)
今夜の放送/ Vol.056 『サンセット・ビーチ・ジャズで今宵も涼む❷』More Sunset Beach Jazz   
司会/鵜飼一嘉+選曲・解説/細越麟太郎

★7月31日(日)午後8時ー9時放送
★曲目メニュー紹介

1/『グッド・デイ』演奏/ピーター・ホワイト
2/『ピュア・ショア』演奏/オール・セインツ(映画『ザ・ビーチ』より)
3/『ウォーター・メロンマン』演奏/マンゴ・サンタマリア(映画『アウト・オブ・サイト』より)
4/『クワイエット・ストーム』演奏/ラムゼイ・ルイス
5/『イパネマの娘』唄/ゲイリー・ウィリアムス
6/『フーリッシュ・ビート』唄/デビー・ギブソン
7/『ラブ・ウィル・フォロー』唄と演奏/ケニー・ロギンス

★今週の映画紹介/スピルバーグ制作『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』

●<FMたちかわ>のホームページから、サイマル放送で検索すれば、パソコンでも聞こえます。
★来週の、この番組は「ホテル・バケーション」と題して、涼しい海辺のリゾートホテルをテーマに、大人のジャズを。
ご期待ください。


●『ワイルドスピード/メガマックス』はボリュームもスピードも迫力アップ。

2011年07月29日 | Weblog

●7月28日(木)13−00 半蔵門<東宝東和試写室>
M−091『ワイルドスピード/メガマックス』Fast & Furious Five (2011) universal
監督/ジャスティン・リン 主演/ヴィン・ディーゼル <130分> ★★★☆☆
何と、このシリーズは今回で5回目の作品だが、毎回収益の方もスピードアップの大ヒットだという。
はじめは、深夜の暴走族のスピード・カーレースの、よくある悪のり不良映画だった。
ところが場所やライバルを変えているうちに、カーマニアの人気が固定して世界的にファンが増大。
そして前回は東京都心でも大暴れ。とうとう悪事もバレて指名手配となってブラジルに逃亡。
オリンピックも開催予定のリオ・デ・ジャネイロで今回も世界の名車をぶっ壊して大暴れする。
大型黒人レスラーのヴィンと、白人のポール・ウォーカーが毎度のコンビ。これがいい味の友情バディだ。
それに加えて、これまた黒人の巨漢ドウェイン・ジョンソンが絡む。
お話は「オーシャンズ11」のような金庫強盗なのだが、スケールがド派手。ものすごい破壊力を見せる。
とくにラストの海の橋の上でのスピード・カーレースは「トゥルーライズ」を上回って圧倒的だ。
ま、毎度のハリウッド・エンターテイメントは、有り得ねー、スーパー・カーアクションの連続だが飽きさせない。
理屈を言っている暇もないスピード感は、問答無用。
「この映画はプロのスタント・ドライバーが特別の区域で撮影したもので、絶対に真似しないでください」とラストでクレジットが出る。

■レフト前のヒットを野手がもたつく間にセカンドに進塁。滑り込んでタッチの差でツーベース。
●10月1日より、全国ロードショー


●『ランゴ』はジョニー・デップの二挺拳銃カメレオン変化の痛快ウェスターン。

2011年07月28日 | Weblog

●7月26日(火)13−00 神谷町<パラマウント・ピクチャーズ試写室>
M−090『ランゴ』Rango (2010) paramount / nickelodeon
監督/ゴア・ヴァービンスキー (V)ジョニー・デップ <107分> ★★★☆☆☆
西部の荒野を彷徨うカメレオンのランゴは、不思議な爬虫類の顔をした住民たちの住む町にたどり着いた。
水が不足しているので、ウィスキーで喉を潤したが、喧嘩好きな連中に叩きだされる。
まるで、あの「スターウォーズ」の宇宙基地のバーのようだ。
どうやら町の水源は、悪徳な「チャイナタウン」のジョン・ヒューストン似の亀の市長と、
ガラガラ蛇の暴力保安官などによって支配され、管理されているようだ。
いろいろなトラブルに巻き込まれながらも、ジョニー・デップが演じる弱輩カメレオンは決闘に挑む。
ボッブ・ホープの『腰抜け二挺拳銃』のように、よくある西部劇のパターンだが、
<エモーション・キャプチャー>の新映像技術による個性的なキャラクターとダイナミックなゴアの演出で迫力満点。
とくに決闘シーンでは、セルジオ・レオーネのマカロニ・ウェスターン・タッチで圧倒。
ちゃんとクリント・イーストウッド風の精霊も登場してアドバイスをする。
ドラマは終始フクロウのメキシカン・バンドが、マリアッチの演奏で、随所を盛り上げるのが、よろしい。
タランティーノ系の映画好きなファンには、たまらなく愉しいシーンの連続だ。
奇怪なキャラクターのデザインも異色だが、動きにも無駄がなく、上等の異色西部劇。

■左中間のライナーが意外に伸びて、フェンス上方に直撃。俊足のスリーベース。
●10月22日より、全国ロードショー


●『スリーデイズ』のノンストップ脱出劇は、こちらの体力もバテる覚悟が要る。

2011年07月27日 | Weblog

●7月26日(火)10−00 六本木<シネマート試写室>
M−089『スリーデイズ』The next Three Days (2011) lionsgate / highway 61
監督/ポール・ハギス 主演/ラッセル・クロウ <134分> ★★★☆☆
08年のフランス映画「すべて彼女のために」のリメイク。
たまたま駐車場で殺人犯とすれ違ったために、殺人の犯人に起訴され投獄された妻。
妻の無実を信じていた夫のラッセルは、あらゆる手段で妻の無実と控訴を訴えるのだが棄却。
3年の牢獄生活で憔悴した妻を救い出すために、彼は仕事を捨てて家や財産も処分。
妻が病気で移送される隙間を狙った、念密な脱出計画を実行する。
フレッド・カヴァイエのオリジナルも、相当に無理な手段で成功したが、今回も苦戦。
いくつかディテイルを増やした分、上映時間もかなりオーバー気味。しかも夜間シーンが多くて暗いのが難。
あらゆる脱出手段も、ほぼ偶然に成功してゆくので、迫力はあるが少々長すぎた。
ただ「クラッシュ」でオスカー受賞のハギス監督は、細かなショットを増発して飽きさせないのは、さすが。
いかにもハリウッド好みの脱出成功劇なので、オリジナルを見てない人にはサスペンス十分だろう。
出来過ぎ、有り得ねー、はハリウッド・エンターテイメントの常套手段。
それをCG抜きでヒューマン・ドラマに徹した意気込みは認めていいだろう。
しかし、達成感よりも、疲労感が残ったのも事実。

■ライト狙いと見せかけて、レフト線に流した痛打でツーベースヒット。
●9月23日より、全国ロードショー


●『さすらいの女神たち』の哀しくも美しいロードムービーの果て。

2011年07月26日 | Weblog

●7月25日(月)13−00 京橋<テアトル試写室>
M−088『さすらいの女神たち』Tournee (2010) les film s du possion 仏
監督/主演/マチュー・アマルリック/ミランダ・コルクラシュア <111分> ★★★☆☆☆
パリでトラブルを起こした芸能プロのマチューが、アメリカから連れて来たバーレスク芸人たちと旅をする。
リベンジを賭けた復活公演の筈だが、使ってくれる劇場は地方の安キャバレーや安ホテルばかり。
それでも、かれらは陽気にメゲズに巡業の旅を続ける。その日のギャラで生きて行く。
バーレスクといっても、安っぽいストリップ・ティーズなのだが、数人の踊り子たちは明るく、屈託がない。
とくに劇的なストーリーはなく、毎晩似たような田舎町の一晩だけのステージ。
まるで「イリュージョ二スト」で見た奇術師と似たような下降線の旅。フランス映画らしい渋い味わいだ。
しかし主演のマチューの演技と演出は、じつに繊細で大胆で飽きさせない。
とうとうラストで、廃業したホテルで旅の疲れを癒す彼らの姿は、やはり女神に見えて来る。
あのフェリーニの「ジンジャーとフレッド」を思わせる三流芸人たちの旅から旅の人生。
とくに成功とか幸福を見せようとしない演出の狙いに、じわじわと感動させられる。巧いものだ。
マチューは役者としても一流だが、ここでの監督業も、お見事だ。

■渋い当たりの左中間のフライが抜けてツーベース。
●9月下旬、シネスイッチ銀座でロードショー


●今夜のFM『シネマッド・ジャズ・カフェ』はビーチの似合うブリージー・ジャズ満載

2011年07月24日 | Weblog

●映画とジャズのFMサウンド・カフェ●
『シネマッド・ジャズ・カフェ』CINEMAD JAZZ CAFE(FMたちかわ/84−4mhz)
今夜の放送/ Vol.055 『サンセット・ビーチ・ジャズで今宵も涼む』Sunset Beach Jazz   
司会/鵜飼一嘉+選曲・解説/細越麟太郎

★7月24日(日)午後8時ー9時放送
★曲目メニュー紹介

1/『ファルサ・ヴァイアーナ/映画(ウーマン・オン・トップ)より』唄/パウリーニョ・モスカ
2/『サンセット・アイランド』演奏/デビッド・ベノア
3/『アイ・シャット・ザ・シェリフ』演奏/エリック・クラプトン
4/『パーフェクト・デイ』唄と演奏/クリス・ボッティ
5/『ダンシング・バーテンダー』演奏/丸山圭子
6/『ドリンキング・アゲイン』唄/フランク・シナトラ
7/『ビーチド/映画(ザ・ビーチ)より』演奏/アンジェロ・バダラメンティ

★今週の映画紹介/午前10時の映画祭『ニュー・シネマ・パラダイス』

●<FMたちかわ>のホームページから、サイマル放送で検索すれば、パソコンでも聞こえます。
★来週の、この番組は「サンセット・ビーチ・ジャズ/第2夜」と題して、涼しい海辺のサンセット風ジャズをテーマに。
ご期待ください。


●『ウィンターズ・ボーン』の確かに骨太なヒューマン・ドラマ。

2011年07月23日 | Weblog

●7月22日(金)13−00 六本木<アスミック・エース試写室>
M−087『ウィンターズ・ボーン』Winter's Bone (2010) W.B.P.llc. 米
監督/デブラ・グラニック 主演/ジェニファー・ローレンス <100分> ★★★☆☆☆
ミズーリ州オザークの山奥に住む極貧の一家。
父は刑務所を脱出し蒸発、母は精神病。3人兄弟の長女ジェニファーは健気に一家を支えていた。
しかし父が保釈のために土地を担保にしていたので、一家はその家から退去させられる予告を受ける。
そこで彼女は父を探しに、ひとりで聞き込み捜査を始める。しかし謎だらけ。
ロン・ハワードの西部劇「ミッシング」に似た設定の、現代劇だが、彼女は持っている銃を撃たない。
あくまで自力で、父の居場所を探すのだが、なぜか義弟や周囲の住民たちも、それを妨害する。
一種のサスペンス・ミステリーだが、女性監督のデブラは、娘の視線で事件をシリアス追う。
まったく晴れることのない、厳寒の荒れ地。そして極貧の住民たち。
あのジョン・ブアマンの名作「脱出」のような山奥の奇異な住民達の生活も、われわれのあまり知らない現実のアメリカだ。
ことしのアカデミー賞4部門ノミネートは、この現実を直視した作品の鋭い視線だろう。
非常に暗いが、エンターテイメントを廃して、正確に人間を直視した傑作だ。
いまどきのアメリカ映画では、非常にユニークな存在だ。

■右中間のライナーが意外に伸びて完璧なツーベースヒット。
●10月29日より、TOHOシネマズ・シャンテでロードショー


●『くまのプーさん』ああ、実に半世紀ぶりのリニューアル登場だ。

2011年07月22日 | Weblog

●7月21日(木)15−30 目黒<ウォルト・ディズニー試写室>
M−086『くまのプーさん』Winnie the Pooh (2011) walt disney studio
監督/スティーブン・アンダーソン+ドン・ホール 日本語版<64分> ★★★☆
原作の童話は1926年のイギリス産。A・A・ミルン。
そのアイデアに惚れ込んだウォルト・ディズニー本人が1960年代に短編として制作したのが、彼の最期の仕事だった。
その後も短編として数本が制作されて、劇映画の前座として70年代まで上映されていた。
今回、そのオリジナルのエッセンスを忠実に再現した作品を復元リニューアル。
おそらくディズニー本人の好みが凝縮された作品として、大変に貴重なアニメーションである。
ストーリーも表現も実にシンプル。ただ食いしん坊のくまのプーさんが好物の蜂蜜を探して徘徊するだけ。
しかもこちらは「カンフーパンダ」のように暴れ回らない。パンダのポーさんでなく、くまのプーさんなのだ。
ま、ノスタルジーといえばそれっきりだが、われわれ高齢者には、このプーさんの方が穏やかで親しめる。
オリジナルの絵本のように、オールドローマンのタイポグラフィーが、そのままアニメの素材になるのが新鮮だ。
ストーリーの文字が、キャラクターと合体する。このアイデアが素晴らしい。
珍しく悪人キャラも出ない、いかにものどかな2Dアニメも、いまは逆にほっとするものだ。
たまには、いまの子供たちにも、これだけノホホンとしたアニメも見てほしい。

■意表をついた絶妙のバントがサード前でストップ、悠々のヒット。
●9月3日、全国ロードショー


●『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』の壮絶ロボット・エイリアンの高層ビル解体アクション。

2011年07月21日 | Weblog

●7月19日(火)12−30 神谷町<パラマウント映画試写室>
M−085『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』Transformers ; Dark of the Moon (2011) paramount / hasbro
監督/マイケル・ベイ 主演/シャイア・ラブーフ <154分>3D ★★★☆
シリーズ3部作の完結編。
エイリアンによる謎の改造破壊兵器が、実は69年のアポロ11号によって、月面の裏側で発見されていた、というイントロ。
いかにもスピルバーグ好みの発想だが、故障していたトランスフォーマーが現代のシカゴで暴れ回る展開は完全な未来戦争映画。
ベイ監督は「パール・ハーバー」でもそうだったが、発端の人間的な思考錯誤は関係ない。
いったんバトルが始まると、もう心とかアタマの問題は関係なく、視覚的な激戦がエスカレートしてしまう。
だから映画の80パーセント位は、最新VFXの技術を3Dにブローアップして観客を圧倒するのだ。この技術は凄すぎて、呆れる。
高層ビルは分断されて倒壊し、たった1年前の「インセプション」もクラシックに思える。
しかもエイリアンのトランスフォーマーにも、いい奴と悪い奴がいて、その壮絶な破壊力はとても人間の知恵や戦術では手に負えない。
どうもわたしなどの旧世代には、見た目に、その違いが判らないのが悔しい。
ま、ガンダム世代でパソコン・ゲームに興じた感性の観客には判別でき、すこぶる圧倒的なエンターテイメントだろう。
その視覚的な表現力は、過去最大級の凄みを発揮する。正直、目を見張った。
でも映画はそれだけではない。と思って映画を見て来た。たしかにこの怪物映画も時代の産物だ。
むかしの「宇宙戦争」の頃のジョージ・パルには、ロマンがあった。ユーモアもあった。涙もあった。
それをこのような大量破壊立体活劇に要求するのは、時代感覚無視のナンセンスだろうが、何か虚しいなあ。 

■バットが千切れるような強打だったが、ただのレフト前ヒット。
●7月29日より、全国ロードショー


●『カンフーパンダ・2』は3Dで「アチョー!」の空飛ぶ大暴れ。

2011年07月20日 | Weblog

●7月19日(火)神谷町<パラマウント映画試写室>
Mー084『カンフーパンダ・2』Kung Fu Panda 2 (2011) dreamworks
監督/ジェニファー・ユー・ネルスン 主演<V>ジャック・ブラック ★★★☆
食いしん坊パンダのポーは口に饅頭を20個も入れて一気に食う大食漢。
しかしカンフーの達人で、仲間たちと中国奥地の平和境を守っていたが、強敵が現れる。
宿敵のクジャク大老の尻尾の羽を広げると、パンダはなぜか失神する。
それには、出生の秘密と関係がありそうだ。
そこで彼は5匹の仲間とともに、過去の秘密を暴き、クジャク軍団を制覇する旅にでる。
ストーリーは桃太郎とか西遊記などのプロットをなぞって、軽快なカンフー・アクションで暴れまくる。
ディズニーと違って、スピルバーグの会社なので、とにかく大暴れのゲーム感覚。
大好評の第2作目だが、3D効果をフルに活用しているので、そのスピード感は増強して目が回る。
それを温厚なはずのパンダがキレまくるのが、このシリーズの意外性と快感。
この夏休みには、本物のパンダと共に、こちらのパンダも人気になるだろう。
ダスティン・ホフマンやアンジェリーナ・ジョリーなどが声を担当している英語版が見たかった。
お子様用に日本語版ばかりの試写だったのが、残念だった。

■ドラッグバントで走りまくるので、エラーを誘いツーベース。
●8月19日より、全国ロードショー