●8月29日(水)12-30 渋谷<ショウゲート試写室>
M-107 『レディ・チャタレー』Lady Chatterley (2006) 仏
監督・パスカル・フェラン 主演・マリナ・ハンズ ★★★★☆
D.H.ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」は禁断の書として数回映画化された。
今回の新作は、3バージョンある原作の、その2つめのもので、一般的に読まれたのは、3つめの作品。
ストーリーは基本的に同様で、戦争での負傷で下半身が不能になった夫と、山の宮殿で暮らす若い夫人の平板な生活に始まり、夫人が森番の中年男と、山小屋で情事を重ねる経緯は変わらない。
しかし今回の映画は、密会するふたりのピュアーな情愛を基盤に描いているので、つい見ている我々の抱く罪悪感というか、不倫というイメージはまったくない。
ただただ自然のなかで、無垢な感情のままに抱き合うふたりを描いている。
その堂々たる、人間の性欲への本能の昇華は美しい。
フランソワ・トリュフォの『隣の女』から、犯罪感覚を消し去ったような陽気さは、むしろ新鮮な驚きだ。
フランス映画の最高賞のセザール賞で、昨年主要5部門受賞には拍手を贈ろう。
もしトリュフォやルイ・マルが見たら悔しがるような、愛の名作だ。
★11月 渋谷シネマライズでロードショー
M-107 『レディ・チャタレー』Lady Chatterley (2006) 仏
監督・パスカル・フェラン 主演・マリナ・ハンズ ★★★★☆
D.H.ロレンスの「チャタレー夫人の恋人」は禁断の書として数回映画化された。
今回の新作は、3バージョンある原作の、その2つめのもので、一般的に読まれたのは、3つめの作品。
ストーリーは基本的に同様で、戦争での負傷で下半身が不能になった夫と、山の宮殿で暮らす若い夫人の平板な生活に始まり、夫人が森番の中年男と、山小屋で情事を重ねる経緯は変わらない。
しかし今回の映画は、密会するふたりのピュアーな情愛を基盤に描いているので、つい見ている我々の抱く罪悪感というか、不倫というイメージはまったくない。
ただただ自然のなかで、無垢な感情のままに抱き合うふたりを描いている。
その堂々たる、人間の性欲への本能の昇華は美しい。
フランソワ・トリュフォの『隣の女』から、犯罪感覚を消し去ったような陽気さは、むしろ新鮮な驚きだ。
フランス映画の最高賞のセザール賞で、昨年主要5部門受賞には拍手を贈ろう。
もしトリュフォやルイ・マルが見たら悔しがるような、愛の名作だ。
★11月 渋谷シネマライズでロードショー