細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ナイル殺人事件』の懐かしいアガサ・クリスティの旅行ミステリー。

2022年02月27日 | Weblog
●2月26日(土)12-00 <二子玉川・109シネマズ・シアター7>
M-003『ナイル殺人事件』"Death on the Nile (2022) 20th Century Fox Studios, Presents by Walt Disney Studios.
監督・主演・ケネス・ブラナー 共演・アネット・ベニング、トム・ベイトマン、ラッセル・ブランド<127分・シネマスコープ>配給・ウォルト・ディズニー・ジャパン
あのアガサ・クリスティ原作の、名探偵エルキュール・ポワロのシリーズは、「オリエント急行殺人事件」「地中海殺人事件」など映画化されている。
原作を読む程のファンではないが、ミステリー小説好きの当方としては、やはり気になるテーマなので、今回もマスク着用ながら、劇場の大スクリーンで愉しんだ。
毎度のように、ブルジョワな中年の有閑連中が、サマーシーズンの優雅なリゾート地で休暇中に、殺人事件が起こり、なぜか滞在中のポワロ探偵が真犯人を暴く。
という筋立ては同様で、そのリゾート地が今回はエジプトのカイロからナイル河沿いの南に位置する砂漠で、近くに巨大な古代遺産のピラミッドやスフィンクスがある。
わたしも現役時代に、CMのロケーションで、アフリカのチュニジアのサハラ砂漠に言った事があるので、この新作では、ぜひそのロケーションだけでも見てみたい。
ま、ハードボイルド・ミステリー派としては、ポワロよりもフィリップ・マーロウ派なのだが、今回はクセもののケネス・ブラナーが製作監督主演なので、見逃せない。
そのカイロ郊外のナイル河には、あのミシシッピーのショウボートのような、大きなホテル客船が航行していて、ナイル河をカイロからアスワンの辺りまで航海している。
莫大な資産家の娘と結婚したふたりは、家族や介護医師とその看護婦なども従えてのエジプト旅行なのだが、時代は第一次世界大戦の、30年代なのだろう。
おそらく原作のアガサ・クリスティが実際に目にしたエジプトだろうから、あの「オリエント急行殺人事件」の時代設定なのだろうから、スマホやパソコンなど関係ない。
つまり,われわれの先先代くらいも前の時代の設定なのだろうから、あくまでアガサ・クリスティがご自身で見たり旅をしたりの視界での、回顧のブルジョワジー世界。
彼女の描いたミステリーの背景は、1920年代から60年代周辺までの、イギリスのブルジョワ階級の、ヴァカンス・ミステリーが多いので、この作品もその設定を再現している。
という意味では、イギリスの誇るシェークスピア俳優のケネスが、そのプライドにかけてポワロ探偵を演じて、この作品を作った根性には、余計な御託は無用だろう。

■左中間の後方まで伸びたツーベースヒット。 ★★★☆☆☆
●全国でロードショー中

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