細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『インターステラー』の長時間無重力状態には圧倒されるが・・・。

2014年11月12日 | Weblog

11月4日(火)13-00 内幸町<ワーナー・ブラザース映画試写室>

M-124『インターステラー』" Interstellar " (2014) warner brothers / paramount pictures / legendary

監督・クリストファー・ノーラン 主演・マシュー・マコノヒー <169分> 配給・ワーナー・ブラザース映画 ★★★☆☆

タイトルの意味は「星の間で」というような意味らしいが、監督が意図している作為は、もっともっと深遠で、謎の多すぎる、しかも長過ぎる作品だ。

いきなり地球が自然破壊によって重度の大気汚染。空気が北京状態でホコリだらけの時代。農業も壊滅でトウモロコシしか栽培できない食料危機のために都市部は壊滅している。

元宇宙飛行士で技師のマシューは、NASAの委託機関によるミッションで、太陽系圏外で人類が生息可能な星を見つけるために探査ロケットで宇宙ステーションに向かい、クルーと合流。

まさにジョージ・パルの「地球最後の日」や「ディープ・インパクト」のような末期的な時代。例によって、凄まじいサウンドでロケットは大気圏を脱出してブラックホールに行くのだ。

そこまでは、昨年大評判だった「ゼロ・グラビティ」同様に、さすがはワーナー・ブラザースの映像とサウンド・コントロールで迫力があり、しかもクリストファー監督のセンスで圧倒する。

試写室に入る前に、その後はネタバレになるので、作品の詳細はネットに書かないでくれ、という誓約書にサインさせられたので、詳細は書かないが、たしかに、その先の展開は知らぬが花か、仏さま。

要するにブラックホールの先は、到底、誰も知らない世界なので、スタンリー・キューブリックが「2001年宇宙の旅」で見せたように、映像によるイマジネーションの創造性が問われる次元となる。

つまり、三途の川の先の次元なので、そこに行方不明となっていたジェイソン・ボーンのような宇宙飛行士や、亡くなった家族がいても、これはクリエイターの空想的異次元創作のレベルとなる。

それ見ろ!!!。またしても監督は「インセプション」のように、想像を絶したクリストファー・ノーランのイマジネーションの世界に漂流することになるのが、面白くもあり、こちらの頭脳も迷走するのだ。

結局は死後の世界のように、誰にも予想の出来ないイマジネーションなので、そこは好みのレベルだが、それが、実は身近な本棚の裏側にあった空間だったというのも、カフカ的な逆視感覚で酔わされる。

困るのは、地球脱出までのリアル・ワールドが長過ぎるので、その分の後半の負担が、こちらの思考能力の限界も遥かに越えて行く。そこは見てのお楽しみだ。

昨年のオスカー受賞マシューと、アン・ハサウェイも、恐らくスタジオのグリーン・マットで苦戦しただろうが、ま、話のタネには面白い作品だろう。

 

■大きなフライがドーム天井の柵に引っかかってしまい、ツーベース。

●11月22日より、新宿ピカデリーなどでロードショー 


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