細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『真夏の夜のジャズ』の、あのアツかったジャズの香り。

2020年08月01日 | Weblog
●7月31日(金)20-30 ニコタマ・サンセット傑作座<DVD>
M-023『真夏の夜のジャズ』"Jazz on a Summer's Day" (1959) Raven Films / Bert Stern Productions / Kadokawa Films
製作・監督・撮影・バート・スターン 編集・アラム・A・アバーキアン <83分・カラー・スタンダード> 配給・KADOKAWA
なぜか、この夏に突然、ロードショー公開されるという、まさに<真夏の夜の夢>のような、われらの青春時代のマスターピース・ドキュメンタリー。
<ジャズ>が青春の音楽的な主流になったのは、このニューポートでのジャズ・フェスティバルが、イベントとしても大いに話題になった60年代。
その時代、わたしの日常はジャズにドップリで、渋谷の「デュエット」や「オスカー」という人気のジャズ喫茶には、日夜通い詰めていたものだった。
アート・ブレイキーの来日をきっかけに、マイルス・デイビスとジョン・コルトレーンや、オスカー・ピータースン、ビル・エヴァンスらも大挙来日公演。
この作品は、その時代のジャズ・ブームのきっかけにもなった<59年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァル>の懐かしいドキュメント・フィルムだ。
試写はないというが、当方はファンなので、ちゃんとDVDで所持していたので、実に久しぶりに見てみたが、これは、たしかにジャズ・コンサートの記録だが、
しかし、いまこうして見ると、著名なカメラマンだったバート・スターンは、ジャズのプレイそのものよりも、そこに来ていたファンの姿を見つめていた視線を感じる。
たしかに<ジャズ>が、大きなブームとなるきっかけになった一大ジャズ・イヴェントなのだが、プレイヤーよりも聴衆がメインなのは、あの「ウッドストック」同様。
セロニアス・モンク、アニタ・オデイ、ジョージ・シアリング、チコ・ハミルトン・・・そしてマイルス・デイビスなど、当時のビッグスターが総出演は懐かしい。
でも、バートの視線は、プレイヤーよりも、むしろジャズに親しんでいたファンの表情を執拗に見つめていたことが、ここで、こうして再見して痛感させられる。
つまり、ドキュメント・フィルムとして、ジャズ・プレイヤーを撮る以前に、それを親しんでいた当時のファンの喜びが、懐かしく甦る、という貴重なフィルムだ。

■渋いレフト線へのゴロのヒットが転々・・・。 ★★★★
●8月21日より、角川シネマ有楽町他で、リバイバル・ロードショー 

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