日本橋町巡りシリーズ その15。日本橋が付く地名、言い換えると旧日本橋区の日本橋がつく町は現在全部で19。このシリーズは今回15番目であるが、残る町はあと5つ、日本橋、東日本橋、日本橋富沢町、日本橋人形町そして今回取り上げる日本橋室町である。
日本橋室町は日本橋本石町と日本橋本町に挟まれ、昔からこの辺りの地名で町の境界にも変化がない。名前の由来は2つあり、一つは京都の室町のように商家が集まっていたからとするもの、もう一つが『土蔵』つまり『室』が集まっていたからとする説がある。
日本橋室町1、2丁目は日本橋三越がかなりの部分を占めており、いわば三井の街である。今の三越は高さが高い新館と歴史を感じさせる本館に分かれている。そして最寄りの駅は三越前と振るっている。
また、その向かい側にはかつて日本橋に河岸があった名残として海産物、特に鰹節を扱う店がにんべんを始め軒を並べている。
室町3丁目は10軒店と呼ばれた商家が立ち並んでいた場所で、古くから雛人形 を商う店が点在した。今は一角が三井不動産が中心となった再開発の途上でビルももぬけの殻である。
室町4丁目は江戸時代には長崎屋というオランダ宿があって海外文化を江戸にもたらす唯一の窓の役割を果たした。
この辺りには小さな商店と家屋が点在、飲食店には今も昔ながらの老舗の店、特に室町砂場(そば)、お多幸(おでん)、玉ゐ(あなご)など美味い店が多い。
最近の室町は三井不動産が運営するCOREDO室町が3棟も立ち、人通りも増えてきており、老舗を大切にしながらも新たな日本橋室町が形成されつつある。とはいうものの、まあ、街を歩くとやはり三井の街であることは今も昔も変わらないようである。