『江戸の坂、東京の坂』その94。気がつくと坂巡りも94回目、あと6回でこの企画も100回とは。東京にはやはり坂道が多い。今回は東十条の坂道を歩く。東十条駅は京浜東北線王子駅と赤羽駅に挟まれ、ちょうど谷のような所を線路が走り、また、高低という意味では十条駅方面が高くなっている。このため、駅周辺は急坂が多い。
まずは駅南口に降りるが、すぐ前を跨線橋が通っていて、これを左手に行くとすぐに地蔵堂がある。左に階段を降りると坂道の途中に出るが、これが『地蔵坂』。昔はお地蔵様は跨線橋の工事の際に今の場所に移された。
地蔵坂は意外に長く、左に湾曲しながら登る。細くなっては行くが、しばらく歩くと左に行く細い坂、そしてすぐに階段になる。この道をしばらく下ると反対側からくる細い道と合流する。
左手にさらに下り、ちょうどY字になるが、この坂道が『芝坂』である。とにかく細い坂道だが、車はこの道を通るしかないようである。合流地点からは京浜東北線がよく見える。
合流地点からそのまま真っ直ぐ歩くと比較的広い道に出る。道路は拡張計画があるようだが、現在は対抗2車線、すぐ右手にお地蔵様が並んだ大きなお寺がある。『この道は岩槻街道であり、6つ並ぶお地蔵様のうち左端のものが鎌倉街道の地蔵様と呼ばれている』とある。
岩槻街道をそのまま戻るように歩くと右側に小学校、その向かいには十条富士講として有名な富士神社、浅間神社がある。
石段を登ると意外に小さな祠、江戸時代にはこの程度登り、周囲から高くなれば多分富士山が臨めたのであろうか。昔からの石碑も沢山残され、今も信仰を集めているようで駅のスタンプにも描かれている。(以下、次回)