かわたれどきの頁繰り (小野寺秀也)

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(85)――朝日歌壇・俳壇から(2023年9月24日~2023年11月12日)

2023年11月12日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。


「一定」とは何を指すらむ「一定の理解を得た」と流す処理水
     (長井市)大竹紀美恵  (9/24 永田和宏選)

処理水の放出決まるその朝も市場に並ぶ福島の魚
     (石川県)瀧上裕幸  (9/24 永田和宏選)

処理水の放出完了三十年忘却までに必要な時
     (高崎市)小島文  (9/24 永田和宏選)

誰がどう理解したやら「一定の理解」で処理水海洋放出
     (安中市)鬼形輝雄  (9/24 馬場あき子選)

捨てるとは言わず放出するという言い替え文化はびこる日本
     (横浜市)白鳥孝雄  (9/24 馬場あき子選)

ミサイルを防衛装備と呼ぶ国が汚染に非ずと流す処理水
     (東京都)土屋俊一  (10/1 永田和宏選)

「処理水」と必死に言いかえねばならぬ我らは何とたたかっている
     (佐渡市)藍原秋子  (10/1 佐々木幸綱選)

正確に言えばこうなる「トリチウム微量残留汚染処理水」
     (朝霞市)岩部博道  (10/8 永田和宏選)

処理水の海への放出始まれば原発の可否改めて問はむ
     (鎌倉市)石川洋一  (10/8 高野公彦選)

ひぐらしの遠くしづけきこの夕べ汚染処理水潮に混りぬ
     (小美玉市)津嶋修  (10/15 馬場あき子選)

潮騒の浜辺に立てば処理水の放たれし沖はるけく光る
     (茨城県)渡辺たかし  (11/12 佐々木幸綱選)

(写真と記事は関係ありません)

 

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