かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(70)――朝日歌壇・俳壇から( 2021年5月9日~5月16日)

2021年05月16日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

二キロなる夜(よ)の森(もり)のさくら立ち入りは線量ゆえに八百メートル
       (下野市)若島安子  (5/9 高野公彦選)

被曝した牛を世話する牛飼いのこんな形の原発抗議
       (伊丹市)宮川一樹  (5/9 馬場あき子選)

形だけ意見を聞いて結局海へ棄てるのだこの政権は継ぐ
       (京都市)森谷弘志  (5/9 馬場あき子選)

福島の幻の魚になるも惜し請戸(うけど)の生みの「どんこ」の煮付け
       (国立市)半杭螢子  (5/16 高野公彦選)

「処理水」の入った瓶を持つ総理両手に真白き手袋をして
       (観音寺市)篠原俊則  (5/16 高野公彦選)

手に負えぬものを作りし人間の後始末をする母なる海よ
       大津市)秋山一美  (5/16 高野公彦選)

うろくずの黒きまなこは見ています海に流れてくるものすべて
       (福島市)美原凍子  (5/16 永田和宏選)

それほどに安全ならば初めから海に流していれば良かったのに
       (さいたま市)吉田俊治  (5/16 永田和宏選)

モリカケもサクラも水に流す世は「汚染水」まで海に流すか
       (京田辺市)本郷宏幸  (5/16 永田和宏選)

 

春水でありし日もあり汚染水
       (八王子市)額田浩文  (5/16 長谷川櫂選)

 

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