生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

ビタミンK?

2009-01-28 20:04:48 | 合併症の治療(2回目の入院)

ステント挿入も終わり、体調も回復した朝に突然処方薬が増えた。

カチーフと言う名前の黄色い粉薬であったが、主治医からは説明が無かったので、何の薬かわからなかった。名前もあまり耳にしない薬剤でした・・・

記憶を手繰って思い出してみると”あっ ビタミンKだ!!”と思い出した。

でも、何でビタミンKを今頃処方するのだろう??その場では、わからなかった。

抗凝固剤は、飲んでいないし、納豆は止められているし・・・・無い知恵を絞ってみた。

”あっ”   思い出した・・・・  ”PIVKAⅡだっ・・・・”

PIVKAⅡと言うのは肝臓癌の腫瘍マーカーで、今回発症時に1000以上あり、非常に高値を示しており、腫瘍の量が多いと上昇するものだ・・・。

これは、肝臓でプロトロンビンと言う止血に関与するたんぱく質を作成するときに必要なビタミンKが不足したときに上昇する数値で、肝細胞癌が勝手に作成するたんぱく質なのです。

ビタミンKが不足すると、あがってきますが、ビタミンKは腸内細菌が生み出すので、不足することはめったに無いようです。

つまりPIVKAⅡの上昇は、肝細胞癌の再発を示しているのです・・・

もしかしたら、採血でPIVKAⅡを測定したところ、上昇していたのではないかと言う想像にたどり着きました。

”もう再発したのか・・・・”

”くそったれ・・・”

”何のために移植したのか・・・”

と言った具合に、妄想の世界に突入してしまい、非常に落ち込んでいました。

 

その後、こちらからPIVKAⅡが上昇したことをたずねると、そうです上昇していました。今日の数値は、297(正常は40以下)と上昇しています。

再発かもしくはビタミンK不足による上昇でしょうと説明された。

移植患者さんで、ビタミンKが不足することはあることなのだが、PIVKAⅡが上昇するほどの人は今までいなかったと説明もありました。

ビタミンK(カチーフ)を内服し、あさってCTを取って再発が無いか確認して、PIVKAⅡの変化を見ましょうという方針となった。

自分は、もう再発の世界にどっぷり浸っていました・・・・


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