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◎アリストテレスの宇宙論「天について」を読んで 3

2016-03-05 23:07:39 | 宇宙
アリストテレスの宇宙論「天について」を読んで 3

アリストテレスの宇宙論「天について」

第2巻 月より上の世界(つづき)

○第1章
全宇宙はある人々の主張するように、かつて生成したのでもなければ、今後消滅しうるものでもなくて、全アイオーン(存在する期間、生涯)のはじめも終わりももたず、自らの内に無限の時間を包みもっているがゆえに、1にして永遠的なものである」

○第2章
・天の上下、左右について

「成長は上からであり、場所的運動は右から、感覚による動きは前からである」
「上と下、右と左、前と後とはどんな物体にもあるというわけではなくて、生きていて、運動の原理を自らの内にもっているものにのみある」

「天は生きものであり、運動のはじめ(原理)をもつことが、以前、われわれによって明らかにされたので、天には上と下、右と左のあることも明らかである」

「宇宙の丈(長さ)と私が言うのは両極間の隔たりのことであり、両極のうち、一方は上、他方は下である」
「両極のうち、われわれの上方に現われているのは、宇宙の下方の部分であり、見えない方が上方の部分なのである」
「天の場合、星の昇る方向が回転の始まる所であり、したがって右である」

・天球は東から西へ1日1周するように見える(地球は地軸を中心として、西から東へ1日1回自転する)(北極を上にして地球を見た場合、反時計回りをしている))

○第3章
・宇宙における物体と運動の多様性

○第4章
天は球形でなければならない。なぜなら、これは天の本質に最もふさわしい形で、本性上、第1の形だからである」
「球は立体のうち第1のものである」

○第5章
・恒星天が東から西へ回転する理由
「自然は可能なことのうち、いつも最善のことをなし、…」
「単純で止むことのない運動を行うこと、しかもその運動がより貴い方向へなされること、これが最善だからである」

○第6章
・恒星天の運動の均一性について
「天の運動も不均一ではありえない。
 なぜなら、もし不均一になるとすれば、天全体の運動がある時には速くある時には逆に遅くなるか、あるいは天のある部分の運動がそうなるかだからである。ところで、天のある部分の運動が不均一でありえないことは明らかである。なぜなら、天のある部分は速く、ある部分は遅く動くとなると、無限の時間においては、星たちの間に隔たりの変化がすでに生じていただろうから。しかし、それらの隔たりには何の変化も生じたようには見えない」
「天の運動はどこまでも加速し続けるということはないであろう。そして、もし加速の場合がそうだとすれば、どこまでも減速し続けるということもない」

宇宙は1つだけで、しかも生成せず永遠であること、また均一に運動することは以上で述べられた」

○第7章~第12章
・星たちについて
「次に、いわゆる星について、それらは何から成るのか、どういう形をしているのか、またそれらの運動はどういうものかということについて述べるべきだろう」

それぞれの星は、そこで運動している当の場(星が付着している天球)を構成している物体から成るとするのが、たしかに最も合理的であり、またこれまでに語られたこととも一致する」
「熱や光が星から出るのは、星の運動によって空気が摩擦されるからだ」
「星は火から成るのではなく、火の中を動くのでもないこと」

円たちは動くが星たちは静止していて、それらに付着したまま運ばれる
星は球形である
「星は転がって進むのではない。…いわゆる月の顔はいつも見えているからである」

「星たちが動くと、その発する音は協和するので、そこに音階が成立するという主張は、その提唱者たち(ピタゴラスの徒)によって巧妙に、しかも見事に語られている。しかし、実はそうではない」
「音など何も発していないのだから」

「星たちは球形であり、また自ら動くのではない」


○第13章 大地について 先人の諸説の検討

「残るのは、大地について、現にどこに位置しているか、また静止しているものか、動いているものか、その形は何かということについて述べることである」

「宇宙全体は限られていると主張する大多数の人々は、大地は宇宙の中心にあると主張するのに対して、ピュタゴラスの徒と言われるイタリア派の人々の主張はそれと反対である。なぜなら、中心には火があり、大地は星の1つなので中心のまわりを円運動しながら、夜と昼を造っていると主張するからである。その上、彼らはわれわれの大地に対立した別の大地を用意して、それを対地星と呼んでいる(対地星も中心のまわりを円運動している)」
「ピュタゴラスの徒は、そういう中心の場所を占める火をゼウスの番所と呼ぶ」

「またある人々の主張では、大地は中心に位置し、全天を貫いて延びている軸のまわりを回転し、動いている」

「大地の形について、ある人々は球形だと考えているが、また、平たくてドラムのような形だと考える人々もいる」
「ある人々は、大地は水の上にあると言う」

○第14章 大地について アリストテレスの説

大地は動いていないし、中心以外の所にもない

大地は球形でなければならない」
「大地の塊は球形であるのみならず、他の星たちに較べて、あまり大きくないのでなければならない」