◎アリストテレスの宇宙論「天について」を読んで 2
★アリストテレスの宇宙論「天について」
第1巻 月より上の世界
○第2章
・単純な運動には円運動と直線運動の2つがあること
「移動と呼ばれるところの、場所による運動は、すべて直線的か、円的か、あるいはこれら両者の混合したものである。なぜなら、前の2つだけが単純な運動だからである。その理由は、大きさにしても、直線と円だけが単純なものだからである。
そこで、円運動とは中心(宇宙の中心)をめぐるそれであり、直線運動とは上と下へのそれである。そして上への運動と私が言うのは、中心から離れるそれであり、下への運動とは、中心へ向かうそれである。したがって、単純な移動はすべて、中心から離れるそれか、中心へ向かうそれか、中心をめぐるそれでなければならない」
「この地上の、われわれのまわりにある物体とは別に、それらとは異なるところの分離された物体があり、それは、このわれわれの世界の物体からはるかに遠く隔たっている分だけ、より貴い本性をもっていると、誰しも信ずることができるであろう」
○第3章
●第5元素アイテール(エーテル)
・アイテールは月下界の4元素(土、水、火、空気)とは別の第5元素で、自然的に円運動を行い、永遠にして不生不滅な物体であり、重さも軽さももたない
そして、天球や星を構成する物体である
「中心へ向かって動くものが重く、中心から離れるものが軽い」
「中心へ向かって、あるいは、中心から離れる仕方で動くことはありえないから」
「円運動する物体は、重さも軽さももちえない」
「円運動する物体については、生成も消滅もしないし、増大も質的変化もしない」
「最も高い領域を、永遠にわたって常に(アエイ)走っている(テイン)ということに因んで、アイテールと呼んだのである」
○第5章~第7章
・無限な物体は存在しない
「無限なものは動きえない」
「無限な物体の存在することも不可能である」
「無限な重さは存在しえない。軽さもまた同様である。それゆえ、無限な重さや軽さをもった物体もまた存在しえない」
「無限に多くとは言わないまでも、1つより多くの宇宙が存在してもよいではないかということが、おそらく問題とされるだろうからである」
「天の外には無限な物体は何も存在しない。しかしまた、天の外には有限な物体も存在しない。それゆえ、天の外にはいかなる物体も全く存在しない。というのは、もし、天の外にあるものが思惟されうるものであるとすれば、それは場所の内にあることになろうからである」
「宇宙の物体は無限ではない」
○第8章~第9章
●宇宙は1つしかない
●「宇宙は1つであるばかりでなく、多くの宇宙は存在しえないこと、さらに、宇宙は消滅しないもの、生じないものであるから、永遠的なものであるということについて語ることにしよう」
「宇宙はすべての質料を取り込んでいるがゆえに、別の宇宙は存在しないだろうし、また、多くの宇宙が生じることもありえないだろう」
「この宇宙は自然的で感覚されうる物体のすべてから成り立っている」
「この宇宙は1つ、ただ1つであって、完全なものである」
「天の外には場所も空虚も時間も存在しないことは明らかである」
○第10章~第12章
●宇宙は生成も消滅もしない、永遠的なものである(すなわち宇宙は常に存在する)
「宇宙は生成したのであるが、それにもかかわらず永遠である、と主張することは不可能である。というのは、生成するものはすべてまた、明らかに消滅するからである」
「宇宙の交互の生成と解体を主張する人々の場合、…、生成したり消滅したりするのは宇宙ではなくて、宇宙の状態である」
「常に存在するものは生成するものでも消滅するものでもない」
「生成しないもの、また消滅しないものは永遠的なものである」
★アリストテレスの宇宙論「天について」
第1巻 月より上の世界
○第2章
・単純な運動には円運動と直線運動の2つがあること
「移動と呼ばれるところの、場所による運動は、すべて直線的か、円的か、あるいはこれら両者の混合したものである。なぜなら、前の2つだけが単純な運動だからである。その理由は、大きさにしても、直線と円だけが単純なものだからである。
そこで、円運動とは中心(宇宙の中心)をめぐるそれであり、直線運動とは上と下へのそれである。そして上への運動と私が言うのは、中心から離れるそれであり、下への運動とは、中心へ向かうそれである。したがって、単純な移動はすべて、中心から離れるそれか、中心へ向かうそれか、中心をめぐるそれでなければならない」
「この地上の、われわれのまわりにある物体とは別に、それらとは異なるところの分離された物体があり、それは、このわれわれの世界の物体からはるかに遠く隔たっている分だけ、より貴い本性をもっていると、誰しも信ずることができるであろう」
○第3章
●第5元素アイテール(エーテル)
・アイテールは月下界の4元素(土、水、火、空気)とは別の第5元素で、自然的に円運動を行い、永遠にして不生不滅な物体であり、重さも軽さももたない
そして、天球や星を構成する物体である
「中心へ向かって動くものが重く、中心から離れるものが軽い」
「中心へ向かって、あるいは、中心から離れる仕方で動くことはありえないから」
「円運動する物体は、重さも軽さももちえない」
「円運動する物体については、生成も消滅もしないし、増大も質的変化もしない」
「最も高い領域を、永遠にわたって常に(アエイ)走っている(テイン)ということに因んで、アイテールと呼んだのである」
○第5章~第7章
・無限な物体は存在しない
「無限なものは動きえない」
「無限な物体の存在することも不可能である」
「無限な重さは存在しえない。軽さもまた同様である。それゆえ、無限な重さや軽さをもった物体もまた存在しえない」
「無限に多くとは言わないまでも、1つより多くの宇宙が存在してもよいではないかということが、おそらく問題とされるだろうからである」
「天の外には無限な物体は何も存在しない。しかしまた、天の外には有限な物体も存在しない。それゆえ、天の外にはいかなる物体も全く存在しない。というのは、もし、天の外にあるものが思惟されうるものであるとすれば、それは場所の内にあることになろうからである」
「宇宙の物体は無限ではない」
○第8章~第9章
●宇宙は1つしかない
●「宇宙は1つであるばかりでなく、多くの宇宙は存在しえないこと、さらに、宇宙は消滅しないもの、生じないものであるから、永遠的なものであるということについて語ることにしよう」
「宇宙はすべての質料を取り込んでいるがゆえに、別の宇宙は存在しないだろうし、また、多くの宇宙が生じることもありえないだろう」
「この宇宙は自然的で感覚されうる物体のすべてから成り立っている」
「この宇宙は1つ、ただ1つであって、完全なものである」
「天の外には場所も空虚も時間も存在しないことは明らかである」
○第10章~第12章
●宇宙は生成も消滅もしない、永遠的なものである(すなわち宇宙は常に存在する)
「宇宙は生成したのであるが、それにもかかわらず永遠である、と主張することは不可能である。というのは、生成するものはすべてまた、明らかに消滅するからである」
「宇宙の交互の生成と解体を主張する人々の場合、…、生成したり消滅したりするのは宇宙ではなくて、宇宙の状態である」
「常に存在するものは生成するものでも消滅するものでもない」
「生成しないもの、また消滅しないものは永遠的なものである」