ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎「一流の想像力」

2013-08-25 17:51:38 | HKT48 AKB48
◎「一流の想像力」

★「一流の想像力」(高野 登 著 PHPビジネス新書)より

1「相手があなたにどうしてほしいだろうか」と想像する

1「自分はこの場に何をしに来たのか」と想像する

1 説明をしないことを求めているお客様もいる

1 女性の場合は、何かの理由をつけてあげるようにする

1 相手と自分の価値観は違う

1 「こうしたらいいに違いない」「絶対にこうだ」と思い込まない

1 見た目だけで相手がどういう人か決めつけるのは危険である
 「そうでなかったらどうなるか」というリスクが常にある

1 あるホテルでは、「ソースをお客様にこぼさないように気をつけよう」ではなく、
「ソースをお客様にこぼして洋服をよごしてしまった場合、どうやったら落とせるか」実験して、対応策を事前に研究している

1 主役から端役までどの役の人が出られなくなったとしても、その役の代わりができる人がいる
 それは、その公演の登場人物のセリフをすべて覚えている人である

1 イスラム圏内では、日本製のテレビより韓国の家電企業のテレビが売れている
 それは、イスラム圏で売られている韓国製のテレビは、1日5回、お祈りの時間になるとコーランが流れる仕組みになっているから
 テレビを見ているときについ、お祈りの時間を過ぎてしまうかも知れない
 テレビを見ているときに、自動的にコーランが流れてきて、大切なお祈りの時間を知らせてくれるというわけである
 時間を気にせずテレビを見ることができ、お祈りの時間を過ぎてしまうこともない
 お客様は、最高の技術を求めているのではなく、自分の生活にとって便利なもの、豊かにするものを求めている

1 アフリカで韓国製のエアコンが売れている
 それは、韓国製のエアコンにはマラリアを媒介する蚊が嫌いな超音波を出す機能がついているから

   


◎1流の人に学ぶ自分の磨き方

2013-08-20 23:47:30 | HKT48 AKB48
◎1流の人に学ぶ自分の磨き方

◎「1流の人に学ぶ自分の磨き方」(かんき出版)より

普通の知能と才能の持ち主が1流のレベルに達することができる

1 子ども時代の刷り込みを意識的に変更する
1 刷り込みを修正し、自分を強化する思考、哲学、習慣ととりかえる
1 ポジティブな期待を抱く
1 自分がどの分野でどのように能力を発揮できるかを考える
1 選択しなければ、したくないことをする必要はない
1 どんなにお金と所有物を得ても、充実感は得られない
1 これからますますよくなるという言い方をする
1 自分に限界を設定しない
1 プレッシャーがかかる状況でも、「これは生死に関わることではない」と自分に言い聞かせる
1 他人に勝つことではなく、昨日の自分を超えることが勝利である
1 過去を振り返って、後悔して悲嘆にくれている暇はない
1 生きている時間は有限であり、時間がいくらでもあると思い込むのは幻想である
1 代償を払って地道に、ひたむきに努力をつみかさねる
1 能力や技術を徹底的に磨き上げる
 それは長期に及ぶ不断の努力を要し、その過程で見返りはほとんど得られない
1 目標の選択に膨大な時間と労力を注ぎ、いったん目標を設定すると驚異的な粘り強さでやりとげる
1 勝つために必要なことはすべてする
1 世の中が進歩するのは、社会の常識に挑戦する非常識な人たちがいるからだ
1 生産性を高めるために絶えず創意工夫する
1 本当の教育は学校を出てから始まる
1 仕事を楽しんでいるから成功する
 楽しんで仕事をしているなら、やがて1流のレベルに達することができる
1 仕事が嫌いな人が、仕事を楽しんでいる人に勝てるはずがない
1 大切なことを先のばしにしない
1 チャンスは待つものではなく、自分でつくり出すものである
1 残された自分の持ち時間は限られているから、今がチャンスである
1 成長しなければ滅びる
1 単純明快な解決策を探す
1 過去を振り返って、過去にとらわれるのではなく、未来に向かって生きる
1 決断して間違いを犯しても、軌道修正できる
1 複雑なことを単純化する
1 成功とはお金や所有物を得ることではなく、目標に向かって前進することである
1 他人に批判されても動じない
1 成功をおさめるには挫折の連続に耐えなければならない
1 誰からも期待されない状況で見事に復活をとげる
1 毎日のように目標を潜在意識に刻み込み、絶えず軌道修正しながら目標にたどりつく
1 誰かに幸せにしてもらおうとしない
1 どんな地位についていても、自分は組織の歯車ではなく、自分を「自営業者」とみなす
 自分という名の「会社」の最高経営責任者という自覚をもつ
1 1流のコーチの指導を全面的に受け入れる
1 想像力を駆使する
1 ミスは資産である
1 ほとんどの人は、自分をほめてほしいという欲求を秘めている
1 人はみな、お互いの役に立つために生きている
1 他人をごまかすことはできても、自分をごまかすことはできない
1 双方が利益を得る結論に達するために交渉する
1 他人に好かれなくても、自分が正しいと信じることをする
1 苦しみを乗り越える達人になる
1 失敗を通じて成功する
1 他人に裏切られても、人生の一部だと考えて水に流す
1 許すことは強い者の証しである
1 功績を他人にゆずる
1 自分を磨くために時間を投資する

1 富める者はますます富む


◎大洪水の物語 5 「創世記」の「ノアの洪水」の物語

2013-08-18 18:36:17 | HKT48 AKB48
◎大洪水の物語 5 「創世記」の「ノアの洪水」の物語

ユダヤ教の聖典

「トーラー」
 英語では律法(Law)と訳されるが、誤解をまねくもので、狭い法的な意味ではなく、もっと幅広いものである
 トーラー(Torah)とはユダヤ教で神の教えをさす言葉である
 狭い意味では、ヘブライ語聖書の「モーセ5書」をさす
 また、ヘブライ語聖書全体やユダヤ教の口伝の教えをさす
 最も広い意味では、伝統的なユダヤ教の法と伝承の全体をさす
「預言者」(ネビーイーム)
「諸書」(ケトヴィーム)
の3つの基本的な部分から成り立っている

モーセ5書

・モーセ5書は「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」から成る
 ヘブライ語聖書(キリスト教でいう旧約聖書)の最初の5つの書である

○トーラーは4つの資料から構成されている
ヤハウェ資料(J資料) 前10世紀
 神はJHVHの名で呼ばれる

・エロヒーム資料(E資料) 前8世紀
 神はエロヒームという名で呼ばれる

・D資料

祭司資料(P資料)前5世紀~6世紀頃
 祭司集団によって作成されたもの

○以上おもに、「エリアーデ世界宗教事典」せりか書房、「世界宗教事典」青土社 によります


創世記

・「創世記」という名称は、前2世紀に完成した「七十人訳聖書」(ヘブライ語聖書のギリシャ語版)につけられた「世界の成立」から由来する

「ギルガメシュ叙事詩」と「創世記」の洪水物語

・「創世記」の「ノアの洪水」の物語は、メソポタミアの「洪水物語」をヤハウェ信仰の立場から書きなおしたものである(「ギルガメシュ叙事詩」月本昭男 訳 岩波書店)

「創世記」(6章5節~9章17節)の洪水物語

○ヤハウェ資料と祭司資料がかかわっている
・ヤハウェ資料では雨は40日40夜降ったとされるが、祭司資料では150日間降ったとされる
・箱舟に乗せた動物は、ヤハウェ資料では清い7対の動物と清くない1対の動物であるが、祭司資料ではすべての動物を1対乗せている
・ヤハウェ資料では箱舟の寸法は記されていないが、祭司資料では記されている

「創世記」の「ノアの洪水」(6章5節~9章17節)
○「創世記」関根正雄 訳 岩波文庫 より

第6章5節~

ヤハウェは地上に人の悪が増し加わり、その心の図る想いがいつも悪いことのみであるのを御覧になって、
ヤハウェは地上に人をお造りになったことを悔い、心に深く悲しまれた
ヤハウェが言われるには、「わたしはわたしが創造した人を地の面から絶滅しよう。人のみならず、家畜を這うものも天(そら)の鳥もみな滅ぼしてしまおう。わたしはそれらのものを造ったことを悔いているのだ」
しかしノアはヤハウェの前に恵みを受ける者となった
「さてノアの系図は次の通りである。ノアは義(ただ)しい人であった。同時代の人々の中で全(まった)き人であった。神とともにノアは歩いた
ノアは3人の子を生んだ。それはセム、ハム、ヤペテである
地は神の前に堕落していた。地上に暴行が満ち、
神が地を御覧になると、見よ、それは堕落していた。すべての肉なるものがこの地で目茶苦茶な生活をしていたのである
神はノアに言われた、
「わたしの前にすべての肉なるものの終わりの時が近づいた。この地はそれらのもののために暴行が支配している。わたしは彼らを地とともに滅してしまおう
君はゴーフェルの木で1つの箱舟を作り、箱舟の中に個々の部屋を作り、箱舟の内外とも土瀝青(どれきせい)で塗りなさい
次のような寸法で箱舟を作りなさい。箱舟の長さは三百尺、幅は五十尺、高さは三十尺、
箱舟に窓を作り、上の方、1尺の間にそれをし上げ、また箱舟の戸口を横側に作りなさい
1、2、3階にそれをしつらえなさい
わたしは生命の息のあるすべての肉なるものを天の下から滅すために、地上に天の大水を降らそうとしている。地にあるものはことごとく息絶えねばならない
しかしわたしは君とわたしの契約を立てよう。君は君の息子たち、君の妻や息子たちの妻らと一緒に箱舟に入りなさい
そうしてすべての生物、すべての肉なるものの中から2匹ずつを箱舟にもって入るのだ、君とともに生かしておくため、それは雄と雌でなければならない
各種の鳥、各種の獣、各種の地に這うものをみな2匹ずつ君の所へ持って入って生きのびるようにするのだ
また君は食料になるあらゆる食べ物を取って君の所に集め、君とこれらのものとの食糧にするがよい」。
ノアはすべて神が彼に命ぜられた通りにし、そのように行なった

第7章

そこでヤハウェがノアに言われた、
「君も君の全家族も箱舟に入りなさい。わたしは君がこの時代の人たちの中でわたしの前に義しい者であるのを見たからだ
すべての潔(きよ)い動物の中から雌雄7匹ずつを、潔くない動物の中から雌雄2匹ずつを、箱舟に持って入らねばならない、
それに天(そら)の鳥をまた雄と雌7匹ずつ、それは全地の面にそれらの動物の種を絶やさないためである
何故ならもう7日経つとわたしは四十日四十夜地上に雨を降らせ、わたしの創った生きとし生けるものを地の面から滅すからだ」。
ノアはすべてヤハウェに命ぜられた通りに行なった
(略)
ノアの生涯の六百年の2月、その月の17日、丁度その日に原始の大海の水門は破れ、天の窓は開かれた
大雨は四十日四十夜地に降り注いだ
(略)
ヤハウェはノアの入った後で箱舟の戸を閉めてしまわれた
こうして洪水は四十日地に臨み、水かさは増して箱舟を高く揚げ、箱舟は地から離れて高く浮かんだ
水は増して地にみなぎり、箱舟は水の上に浮かんだ
水はいよいよ地の上に増し加わり、天の下のすべての高い山々もみな蔽(おお)われてしまった
(略)
こうして地上にいた生きとし生けるものは滅された。人を始め、家畜、這うもの、天の鳥に至るまでみなこの地から絶ち滅された。ただノアおよび彼とともに箱舟にいたものだけが残されたのである
水は百五十日の間地にふえる一方であった

第8章

神はノアおよび彼と一緒に箱舟にいるすべての野の獣、すべての家畜のことを想い出し、神は風を地に吹かせ、やがて水は減り始めた
すなわち原始の海の水門と天の窓は閉ざされ、天からの大雨はとどめられた
水は次第に地の上からひいていった。水は百五十日後に減り始め、
箱舟は第7月、その月の17日アララトの山にとどまった
水はますます減って第10月におよんだ、第10月、その月の1日に山々の頂きが現われた
四十日の後ノアはかねて作ってあった箱舟の天窓を開いた
ノアは水がひいたかどうかを見ようとして烏(からす)を放った。烏は水が地の上で乾ききるまで行ったり来たりしていた
彼は地の面から水が本当にひいたかどうかを見るために鳩を放った
しかし鳩はその脚を休める場所が見つからなかったので、箱舟のノアの所へ帰って来た。まだ水が全地の面にあったのである。ノアは手を差しのべて鳩を捕え、箱舟の自分の所へもどした
それからなお7日待ってノアはふたたび箱舟から鳩を放った
鳩は夕方になってノアの所へ帰ってきたが、見よ、その口には新しいオリーブの葉をくわえていた。ノアはそれによって地から水がひいたことを知ったのである
ノアはさらに7日待ってまた鳩を放ったが、もうふたたびもどっては来なかった
(略)
神はノアに言われた
「君は君の妻と、君の息子たちや息子たちの妻と一緒に箱舟から出なさい
君は一緒にいたすべての生きもの、すべての肉なるもの、鳥、家畜、地の上に這うものなどを君と一緒に連れて出なければならない。それらが地に群がり、地上にふえ増すために」
そこでノアとその子らとノアの妻とその子の妻たち、すべての野獣、すべての家畜、すべての鳥、すべての地の上に這うものなど、それぞれその種属に従って箱舟から出たのである
そこでノアはヤハウェのために一つの祭壇を築き、すべての潔い家畜と潔い鳥の中からとって祭壇の上に燔祭(はんさい)を捧げた
ヤハウェはその宥(なだめ)の香を嗅いでその心に言われた、「わたしはふたたび人のためにこの地を呪うことをしない。人の心の想うところは所詮若い時から悪いことのみだから。わたしは今度したようにもう二度とすべての生きものを滅さない
地の続く限り
種蒔と刈り入れ、寒さと暑さ、
夏と冬、昼と夜が
やまないであろう」

第9章

神はノアとその子らを祝福し、彼らに言われた、
「ふえかつ増して、地に満ちよ
すべての地の獣、すべての家畜、すべての天の鳥、みな君たちを恐れ、君たちの前におののくだろう。それらを、すべての地に動くもの、すべての海の魚とともに君たちの手に与えよう
生きて動いているものはみな君たちの食糧にしてよろしい。緑の青草と同じようにすべてのものをわたしは君たちに与える
ただ肉をその生命(すなわち血)のままで食べてはならない
また君たちの生命である血が流された場合、わたしはそれを追求する。すべての動物からでも人間からでもわたしはそれを追求する。すべて人相互(たが)いの間から、わたしは失われた人の生命を追求する。
人の血を流すものがあったら、
他の人によってその血は流される
神はその像(かたち)の通りに
人をお創りになったから
君たちはふえかつ増して、地に満ち、地を支配せよ」
神はノアと彼と一緒の子らに言われた、
「御覧、わたしは君たちと、そして君たちの後の子孫と、わたしの契約を立てよう、
また君たちとともにいるすべての生きもの、君たちとともにいる鳥、家畜、すべての地の獣、箱舟から出たすべてのもの〔地のすべての獣に〕と
今後ふたたび洪水によってすべての内なるものが絶たれることはなく、地を滅す洪水がふたたびおこらないという契約をわたしは君たちと立てる」
(以下略)


◎大洪水の物語 4 シュメル神話の世界より 3

2013-08-14 16:05:51 | HKT48 AKB48
◎大洪水の物語 4 シュメル神話の世界より 3

 「ギルガメシュ叙事詩」第11書板の「大洪水の物語」の部分

以下、2つ引用します

A 矢島文夫 訳(ちくま学芸文庫)によるもの
B 月本昭男 訳(岩波書店)によるもの

◎登場する主な神々

・ギルガメシュ ウルク市の王
・ウトナピシュティム 不死を得た人
・エンリル シュメルの最高神
・アヌ 天の父神 イシュタル女神の父
・イシュタル ウルク市の都市神 愛の女神
・エア 水の神
・シャマシュ 太陽神


A 「ギルガメシュ叙事詩」第11書板の「大洪水の物語」の部分(矢島文夫 訳 ちくま学芸文庫 より)

ギルガメシュは遥かなるウトナピシュティムに言った
「(略)
〔語りたまえ〕、いかにして生命を求め、神々の集いに加わったかを」

ウトナピシュティムはギルガメシュにむかって言った
「ギルガメシュよ、お前に秘事を明かしてあげよう
そして神々の秘密をお前に話してあげよう
シュルッパクの町は、おまえも知っている町だが
エウフラテスの河岸に位置している
それは古い町で、なかに神々が住んでいた
彼らは、大なる神々に洪水を起こさせたのだ
そこにいたのは彼らの父たるアヌ
彼らの助言者たる勇ましきエンリル
彼らの代表者ニヌルタ
彼らの水路監督エンヌギ
ニニグク、すなわちエアも彼らとともにいた
彼らは彼らの言葉を葦屋にむけて叫んだ
「(略)
シュルッパクの人、ウバラ・トゥトゥの息子よ
家を打ちこわし、船をつくれ
持物をあきらめ、おまえの命を求めよ
品物のことを忘れ、おまえの命を救え
すべての生きものの種子を船へ運びこめ
お前が造るべきその船は
その寸法を定められた通りにせねばならぬ
その間口とその奥行は等しくせねばならぬ」
(略)
5日目に私はその骨組を築きあげた
(略)
人びとのために私は牛どもを殺した
羊どもをも日ごとに殺した
ぶどうの汁、赤ぶどう酒、油、それに白ぶどう酒を
私はスープを飲ませた、川の水ほども
まるで正月のように、たらふく食べられるように
私は醤油の〔 〕を開いて私の手に注いだ
第7日目に船は完成した
その進水はなかなか困難だった
床板を上下に動かさなければならなかった
やっと船体の三分の二が水中に入った
私の持物のすべてをそこへ置いた
私の持てる銀のすべてをそこへ置いた
私の持てる金のすべてをそこへ置いた
私の持てる生命あるもののすべてをそこへ置いた
私は家族や身寄の者のすべてを船に乗せた
野の獣、野の生きもの、すべての職人たちを船に乗せた
(略)
その時はやって来た
『朝には〔 〕夜には苦しみの雨を降らすぞ』
私は天気のようすを眺めた
天気はすさまじく見えた
私は船へ入り、入口をふさいだ
船を塗り込める者、船乗プズル・アムルに
私は中味もろとも船体を引き渡した
光輝くころになると
空の果てから黒雲が起ち上った
(略)
1日のあいだ台風が吹いた
吹きつのり、速さを増し〔 〕
戦いのように〔 〕
お互いを見ることもできず
人びとは天からさえ見分けられなかった
神々は洪水に驚きあわて
退いてアヌの天へと登って行った
神々は犬のように縮こまり、外壁に身をひそめた
イシュタルは人間の女のように叫びわめいた
声よき神々の寵姫は高らかに声を張り上げた
『古き日々は、みよ、粘土に帰してしまった
私が神々の集いで禍事(まがごと)を口にしたからだ
なぜ神々の集いで禍事を口にしたのだろう
私の人間たちを滅ぼす戦いを言い出したのだろう
この私こそ人間たちを生み出した者であるのに
魚の卵のように彼らは海に満ち満ちたのに』
アヌンナキの神々は彼女とともに泣いた
心沈んだ神々は坐って泣いた
彼らの唇はすっかり〔 〕
6日と6晩にわたって
風と洪水が押しよせ、台風が国土を荒らした
7日目がやって来ると、洪水の嵐は戦いにまけた
それは軍隊の打ち合いのような戦いだった
海は静まり、風はおさまり、洪水は引いた
空模様を見ると、静けさが占めていた
そしてすべての人間は粘土に帰していた
平屋根と同じ高さに草原があった
蓋を開くと光が私の顔に落ちてきた
私は漕ぎくだり、坐って泣いた
涙が私の顔を伝わって流れた
私は海の果てに岸を認めた
12の場所に陸地が現れた
ニシル山に船はとどまった
ニシルの山は船をとらえて動かなかった
(略)
7日目がやって来ると
私は鳩を解き放してやった
鳩は立ち去ったが、舞いもどって来た
休み場所が見あたらないので、帰ってきた
私は燕を解き放してやった
燕は立ち去ったが、舞いもどって来た
休み場所が見あたらないので、帰ってきた
私は大烏(おおがらす)を解き放してやった
大烏は立ち去り、水が引いたのを見て
ものを食べ、ぐるぐるまわり、カアカア鳴き、帰って来なかった
そこで私は4つの風に鳥のすべてを解き放し、犠牲を捧げた
私は山の頂にお神酒を注いだ
7つ、また7つの酒盃を私は置き
その台のうえには葦と杉の木と香木テンニンカを置いた
神々はその香をかいだ
神々はその好ましい香をかいだ
神々は蠅のように犠牲の施主のもとに集った
さてそこの大女神(イシュタル)がやって来て
アヌが彼女を喜ばすために造った立派な金銀細工を取った
『この神々をわが首にかかる宝石ほどにも忘れはしまい
この日々を心にとどめ、けっして忘れはしまい
神々よ、犠牲の方へ来てください
エンリルは犠牲の方へ来てはならぬ
なぜなら彼は考えなしに洪水を起こしたからだ
そして私の人間たちを破滅にゆだねたからだ』
さてそこにエンリルがやって来て
船を見るとエンリルは腹を立てた
イギギの神々に対して心は怒りで満たされた
『生き物が助かったというのか。一人も生きてはならなかったのに』
ニヌルタは口を開いて勇ましきエンリルに言った
『エア以外のだれがそんなことをたくらもう
エアだけがすべてを知っていたのだから』
エアは口を開いて勇ましきエンリルに言った
『神々の師匠である勇ましき君が
なぜ考えなしに洪水を起こしたのだ
罪ある者には彼の罪を、恥ある者には彼の恥を
だが彼の命が絶たれぬよう寛大たれ。彼が逐われぬようがまんせよ
洪水を起こすかわりに人間を減らすようライオンを立上らせればよかったのに
洪水を起こすかわりに人間を減らすよう狼を立上らせればよかったのに
洪水を起こすかわりに国土が〔 〕するよう飢饉を起こさせればよかったのに
洪水を起こすかわりに人間を打つためにイルラ(ペストおよび戦争の神)を立上らせればよかったのに
大なる神々の秘密を明らかにしたのは私ではない
アトラハシス(ウトナピシュティム)に夢を見せたら、彼は神々の秘密をききわけたのだ
さて今や彼のために助言をしてやるべきだ』
そこでエンリルは船のなかへ入って行った
私の手を取って私を乗船させた
私の妻を乗船させ、私のかたわらにひざまずかせた
祝福するために私たちのあいだに入り私の額に触れた
『これまでウトナピシュティムは人間でしかなかった
今よりウトナピシュティムとその妻はわれら神々のごとくなれ
ウトナピシュティムは遥かなる地、川々の河口に住め』
こうして私を連れ去り、遥かなる地、川々の河口に住まわせた
(以下略)



B 「ギルガメシュ叙事詩」第11書板の「大洪水の物語」の部分(月本昭男 訳 岩波書店 より)

ギルガメシュは彼、遥かなウトナピシュティムに語った
「(略)
わたしにお話しください
あなたがどのようにして神々の集いに立ち、不死の生命を探し当てたのか」

ウトナピシュティムは彼、ギルガメシュに語った
「ギルガメシュよ、隠された事柄をお前に明かそう
神々の秘密をお前に語ろう
シュリッパクはお前が知っている町、
ユーフラテス川の岸辺にある町だ
その町は古く、そこに神々はお近づきなされたものだ
ところが、偉大な神々は心をはたらかせ、洪水を起こそうとされた
そこに居られたのは彼らの父アヌ、
彼らの顧問官、英雄エンリル、
彼らの式部官(玉座を運ぶ者)、ニヌルタ
彼らの運河監督官、エンヌギであった
ニンシクであるエアも彼らと共に誓った
だが、彼(エア)は彼らの言葉を葦屋に向かって繰り返した
『(略)
シュルッパクの人、ウバル・トゥトゥの息子よ
家を壊(こぼ)ち、方舟(はこぶね)を造れ
持ち物を放棄し、生命を求めよ
財産を厭(いと)い、生命を生かせ
生命あるもののあらゆる種を方舟に導き入れよ
あなたが造る方舟は、
その寸法が測られるように、
その長さと幅とが等しいように」
(略)
5日目に、わたしはその形を設計した
(略)
わたしは働く者たちのために数々の雄牛を屠った
日毎、数々の雄羊を殺した
シラシュ・ビール、クルンヌ・ビール、油、ぶどう酒、
吸物を川の水のように彼らは飲んだ
アキトゥ祭(新年祭)の日のように彼らは祝祭を催した
太陽が昇るころ、わたしは醤油に手を置いた
太陽が沈むころ、方舟は完成した
積荷の搬入は、難しかった
彼らは舟底板を上下に一致させた
彼らはその三分の二を生きもののために分けた
そこにあるものすべてをわたしは方舟に積み込んだ
そこにあるすべての銀を方舟に積み込んだ
そこにあるすべての金を方舟に積み込んだ
そこにある生きものの種すべてを方舟に積み込んだ
わたしはわが家族、わが親族を方舟に乗せた
荒野の獣、荒野の生きもの、すべての技術者を方舟に乗せた
(略)
その時がやって来た
彼(シャマシュ)は朝にはクックを、夕には小麦を雨と降らせた
わたしは嵐の模様を見やった
嵐は恐怖を与えるかに見えた
わたしは方舟の中に入り、わが戸を閉じた
方舟を閉じるため、舟師プズル・アムルに、
わたしはわが宮殿をその付属品までも与えてしまった
暁がかすかに輝きはじめたとき、
天の基底部から黒雲が上ってきた
(略)
終日、暴風が吹き荒れ、
激しく吹いて、大洪水が大地を襲った
戦争のように、人々の上に、破滅が走った
彼らは互いに見分けがつかなくなった
大雨のなかで、人々は互いを認め得なかった
神々さえも大洪水を怖れ、
引きこもって、アヌの天に上ってしまった
神々は、犬のように身体を丸め、外でうずくまった
イシュタルは、子を生む女のように、絶叫した
甘い声の方、神々の女君は嘆き声を上げた
『いにしえの日々が、実際に、粘土と化してしまったとは
わたしが神々の集いで禍事(まがごと)を口にしたからなのか
神々の集いで、どうして禍事を口にしてしまったのか
人間どもを滅ぼすために、戦争を命じてしまったのか
わたしが生んだ、わが人間たちが、
稚魚のように海を満たすのだ』
アヌンナキの神々も彼女と共に泣いた
神々は頭を垂れ、涙ながらに座していた
彼らの唇は乾き、調理した食物にさえ触れなかった
6日、7夜
風が吹き、大洪水と暴風が大地を拭った
7日目になって、暴風と大洪水は戦いを終わらせた
それらは陣痛にのたうつ女性のように自らを打った
大洋は鎮まり、悪風はおさまり、大洪水は退いた
わたしが風を見やると、沈黙が支配していた
そして、全人類は粘土に戻ってしまっていた
草地は屋根のようになっていた
わたしが窓を開けると、光がわが頬に落ちてきた
わたしはひざまずき、座って、泣いた
わが頬を涙が流れ落ちた
わたしが四方世界を、また海の果てを眺めると、
12ベールの距離に領地が立ち現れた
方舟はニムシュの山に漂着した
その山ニムシュは方舟を掴んで、動かなかった
(略)
7日目になって、
わたしは鳩を放った
鳩は飛んでいったが、舞い戻ってきた
休み場所が見あたらずに、引き返して来たのだった
わたしは燕を連れ出し、放った
燕は飛んでいったが、舞い戻ってきた
休み場所が見あたらずに、引き返して来たのだった
わたしは烏を連れ出し、放った
烏は飛んでゆき、水が退いたのを見て、
ついばみ、身繕いをし、尾羽を高く掲げて、引き返しては来なかった
わたしはそれらの鳥を四方の風の中に出て行かせ、供犠を献げた
山の頂を前にしてスルキンヌを供えた
7つまた7つと、薫香用の器を立て、
それらの上皿に香り葦、香柏、ミルトスをちりばめた
神々はその香りを嗅いだ
神々はその芳しい香りを嗅いだ
神々は、五月蠅(さばえ)のように、供犠の主のところに集まって来た
マハは到着するやいなや、
アヌがその飾りに造った大蠅を掲げた
『神々よ、わたしはわが項(うなじ)のこのラピス・ラズリを決して忘れまい
わたしはこれらの日々を心に留め、永久に忘れまい
神々はスルキンヌのところに来るように
だがエンリルは、スルキンヌのところに来てはならぬ
彼は熟慮もせずに、大洪水をもたらし、
わが人間たちを破局に引き渡したがゆえに』
エンリルは到着するやいなや、すぐに、
方舟に眼を留めた。エンリルは憤り、
イギギの神々に対する怒りに満ちた
『なんらかの生命が大洪水を免れたのだな。
人間は誰も破局を生き延びてはならなかったのに』
ニヌルタは口を開いて語り、英雄エンリルに告げた
『エア以外に、誰がこのようなことをするだろう
エアこそはすべての業を弁(わきま)えているのだから』
エアは口を開いて語り、英雄エンリルに告げた
『あなたは英雄、神々の賢者ではないか
熟慮もせずに、どうして洪水をもたらしたのか
罪人にはその罪を負わせよ
咎(とが)ある人にはその咎を負わせよ
それで赦(ゆる)せ。彼とて抹消されてはならぬ
それで我慢せよ。彼とて殺されてはならぬ
洪水をもたらす代わりに、
ライオンを起こして、人々を減少させたらよかったのだ
洪水をもたらす代わりに、
狼を起こして、人々を減少させたらよかったのだ
洪水をもたらす代わりに、
飢饉を起こして、大地をやせ細らせたらよかったのだ
洪水をもたらす代わりに、
エラを起こして、人間を撲滅させたらよかったのだ
わたしが偉大な神々の秘密を明かしたのではない
アトラ・ハシース(ウトナピシュティム)に夢を見させたら、彼が神々の秘密を聞き取ったのだ
いまや、あなた自ら彼について決定を下すがよい』
そこで、エンリルは方舟に乗り込み、
わが手を取って、わたしを引き上げた
彼はわが妻をも引き上げ、わが傍らにひざまずかせた
わが額に触れ、われらの間に立って、われらを祝福して、言った
『これまで、ウトナピシュティムは人間であったが、
いまや、ウトナピシュティムと彼の妻とは、われわれ神々のようになる
ウトナピシュティムは遥か遠くの河口に住め』
こうして彼ら(神々)はわたしを連れて行き、遥か遠くの河口に住まわせたのだ
(以下略)


◎大洪水の物語 3 シュメル神話の世界より 2

2013-08-14 15:53:32 | HKT48 AKB48
◎大洪水の物語 3 シュメル神話の世界より 2

シュメル神話の洪水伝説

2 「ギルガメシュ叙事詩」第11書板の「大洪水の物語」

・以下、おもに「ギルガメシュ叙事詩」 矢島文夫 訳 ちくま学芸文庫
および、「ギルガメシュ叙事詩」 月本昭男 訳 岩波書店
によります

◎「ギルガメシュ叙事詩」の発見

・1854年、イギリス隊がニネヴェで、アッシリア王アッシュルバニパルが建てた図書館を掘り当て、2万枚以上の楔形文字で書かれた粘土板文書が出土し、そのほとんどが大英博物館に持ち込まれた
 1872年に、大英博物館で遺物の修理員として働いていたイギリスの研究者のジョージ・スミスがその書板のなかに、創世記の洪水物語に似た作品を発見した
 それが12の書板からなる「ギルガメシュ叙事詩」の第11書板である
 その後、「ギルガメシュ叙事詩」の他の部分もアッシュルバニパル図書館出土文書のなかから次々に発見された(アッカド語(アッシリア語)で書かれていた)
・「ギルガメシュ叙事詩」の約半分しか残っていない

◎「ギルガメシュ叙事詩」標準版

・アッカド語は、古アッカド語、古・中期・新アッシリア語、古・中期・後期バビロニア語、周辺バビロニア語など様々な「方言」に区分されるが、前2000年紀末以降の宗教文書や文学作品などに広く用いられたアッカド語を標準バビロニア語と呼ぶ
 アッシュルバニパル図書館出土の「ギルガメシュ叙事詩」のアッカド語(アッシリア語)は標準バビロニア語である

・古バビロニア版の発見によって、「ギルガメシュ叙事詩」は古バビロニア時代(前1950~1530年)にすでに成立していたことが判明した
 「ギルガメシュ叙事詩」はシュメル語のギルガメシュ諸伝承をもとに、古バビロニア時代に成立し、中期バビロニア版の時代をへて、前12世紀ごろに標準版として成立したとされる

・標準版の作者ないし編者は、呪術祭司シン・レキ・ウンニンニである可能性が高い

◎「ギルガメシュ叙事詩」の主人公ギルガメシュ

・「ギルガメシュ叙事詩」とは後の学者がつけた書名で、第1の書板の冒頭の部分は
すべてのものを見た人」あるいは「あらゆることを見た人」あるいは「深淵を覗き見た人」と訳され、「すべてを見たる人」「あらゆることを見た人」あるいは「深淵を覗き見た人」とはギルガメシュのことで、これが古代の書名でもあった(古代には作品の出だしの言葉をとって題名にする習慣があった)

★ギルガメシュは前2600年頃のシュメルの都市国家ウルクの王であったが、おそらく死後まもなくして神格化されていった

◎「ギルガメシュ叙事詩」の主人公ギルガメシュは3分の2は神、3分の1は人間の半神半人として描かれている

★「ギルガメシュ叙事詩」標準版(第12の書板が加えられる前の)の構成

1 ギルガメシュとエンキドゥとの出会い(第1~第2の書板)
2 「杉の森」への遠征(第3~第5の書板)
3 イシュタルと「天の牛」(第6の書板)
4 エンキドゥとの死別(第7~第8の書板)
5 「不死の生命」探求の旅(第9~第11の書板)

◎あらすじ

1 ギルガメシュとエンキドゥとの出会い(第1~第2の書板)
○第1の書板
・ギルガメシュは英雄であるとともにウルク市の暴君として登場
・アヌ神(イシュタル女神の父)はギルガメシュを懲らしめるために野人エンキドゥをつくった
・エンキドゥは神聖娼婦シャムハトと交わり人間となる
○第2の書板
・エンキドゥはシャムハトに連れられてウルクにやってくる
 ギルガメシュとエンキドゥは格闘するが決着がつかず、互いの力を認め2人は友情で結ばれることになった
・ギルガメシュはエンキドゥに怪物フンババ(「杉の森」の番人)を倒すために「杉の森」への遠征を提案する

2 「杉の森」への遠征(第3~第5の書板)
○第3の書板
・ギルガメシュとエンキドゥは「杉の森」へ遠征することになり、ギルガメシュは母ニンスン女神に遠征に行くことを告げると、ニンスンは2人の加護を太陽神シャマシュに祈る
○第4の書板
・旅の途中で、ギルガメシュは夢を見た
 その夢はエンキドゥによって、フンババ退治のお告げと解釈された
・フンババの叫び声にギルガメシュは恐怖をいだくが、エンキドゥに鼓舞されて2人は
 「杉の森」に到着した
○第5の書板
・太陽神シャマシュの風の援軍の助力を得て、2人はフンババを制圧した
・フンババは命乞いをしたが、エンキドゥはフンババ殺害を主張し、フンババは殺害される
・2人は杉の木を伐採し、筏に組んでニップル市に運んだ

3 イシュタルと「天の牛」(第6の書板)
・姿を整えたギルガメシュに女神イシュタル(ウルク市の都市神、豊穣と愛の女神)が想いを寄せるが、ギルガメシュは求愛を拒絶する
 イシュタルは父のアヌ神に嘆願して、ギルガメシュに対する懲らしめとして暴れ回る「天の牛」を作らせるがギルガメシュとエンキドゥはこの「天の牛」を殺してしまう

4 エンキドゥとの死別(第7~第8の書板)
○第7の書板
・フンババと「天の牛」を殺したエンキドゥの死が定められ、エンキドゥは死んでしまう
○第8の書板
・ギルガメシュはエンキドゥの死を悼み、手厚い葬儀を行なった

 「不死の生命」探求の旅(第9~第11の書板)
○第9の書板
・エンキドゥの死を目の当たりにしたギルガメシュは、死への恐れから、不死を得た人ウトナピシュティムを訪ねる旅に出る
 ウトナピシュティムに生と死の秘密を聞き出すためであった
 旅の途中、マーシュの山のふもとで蠍(さそり)人間に会い、蠍人間からこの山を越える道を聞き出し、暗黒の道を通り抜けて、貴石や果樹に輝く海辺にたどりついた
○第10の書板
・海辺でギルガメシュは酌婦シドゥリと出会う
・シドゥリはウトナピシュティムのもとに行くためには「死の水」を渡らなければならないが、舟師ウルシャナビが案内してくれるだろうと言った
 ギルガメシュは単独航海しようとして失敗し、ウルシャナビに案内を願い、共に「死の水」を渡ってウトナピシュティムのもとにたどり着いた
 ウトナピシュティムは、人間は神々によって死ぬべき存在として定められている、死については、その日を知ることはできないと言った

○第11の書板
・ギルガメシュはウトナピシュティムに「不死」について尋ねると、ウトナピシュティムは「大洪水の物語」を語った
 この後、ウトナピシュティムはギルガメシュに7日間眠らずにいる試練を課すが、ギルガメシュは眠気に負けてしまう
 ウトナピシュティムは妻のとりなしによって、ギルガメシュに「若返りの草」のありかを教える
 ギルガメシュはこの草を得たが、帰路水浴びをしている隙に、草を蛇に取られてしまう
・ギルガメシュは不死の生命の獲得に失敗し、ウルクに戻り城壁建築などをなしとげた

◎「大洪水の物語」は「ギルガメシュ叙事詩」の本筋には特に関係のないエピソードである

★「ギルガメシュ叙事詩」標準版は、元来、第11の書板で終わっていたらしい

◎新アッシリア時代(前1000~609年)になって、「ビルガメシュ神、エンキドゥと冥界」の物語の後半が、「ギルガメシュ叙事詩」の第12の書板として挿入された